営業利益、現金減、営業CFは黒字 ―― 玉井商船2026年3月期
提出日:2026-06-08 / 会計期:2026年3月期
| 項目 | 前期 | 当期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 営業利益 | 8.88億円 | 6.58億円 | -2.30億円 |
| 現金及び預金 | 41.86億円 | 19.75億円 | -22.11億円 |
| フリーCF | 29.43億円 | -14.56億円 | -43.99億円 |
ようか | 驚き
ねぇ待って!
玉井商船、現金が22億円も減ってるじゃん!?
どこ行っちゃったの!?
やよい | あきれ顔
そう慌てるでない。
減ったのには、ちゃんと理由があるのじゃ。
ようか | キョトン
理由…?
やよい | あきれ顔
営業CFはしっかり黒字を残しておる
まぁ利益も減っておるが。。
ようか | 驚き
黒字なのに現金が消えたの!?
意味わかんない!
やよい | 説明
そこが今期いちばんの読みどころじゃ。
では、中身を追っていくとしよう。
目次
- 会社概要
- 当期の財務諸表まとめ
- 前期からの変化
- 当期の注目ポイント
- 収益構造
- 手元資金と現金創出力
- チェックポイント
- 補足
会社概要
1. 会社概要: 海運を軸に、運賃と貸船料で稼ぐ会社
ようか | 笑顔
玉井商船かぁ、船で荷物を運ぶ会社だっけー?
やよい姉!解説よろしく!!
やよい | 自信あり
うむ!わらわが解説してやるぞ。
玉井商船は外航海運、内航海運、不動産賃貸業を営む会社じゃ。
主力は海運で、運賃と貸船料が収益の柱になっておる。
| 区分 | 内容 | 収益形態 |
|---|---|---|
| 外航海運業 | 水酸化アルミニウム、穀物などの輸送 | 運賃・貸船料 |
| 内航海運業 | 国内貨物船、タンカー、液化ガス船関連 | 運賃・貸船料 |
| 不動産賃貸業 | 賃貸用不動産 | 賃貸収入 |
ようか | キョトン
運賃と貸船料って、どう違うの?
やよい | 説明
運賃は荷物を運んで受け取る対価、貸船料は船そのものを貸して受け取る対価じゃ。
ゆり | 無表情
長期契約を軸に安定収益を目指す会社なのです。
やよい | 自信あり
そうじゃ、ただし海運市況や船舶需要の影響は受けやすいぞ。
当期の財務諸表まとめ
2. 当期の財務諸表まとめ: 損益は縮み、営業CFは残った
ようか | 笑顔
やっぱり売上!キャッシュ!が重要だよな!
今期どうなったの!?
やよい | 自信あり
まずは重要な数字を並べるのじゃ。
| 項目 | 当期 |
|---|---|
| 営業収益 | 51.22億円 |
| 営業利益 | 6.58億円 |
| 現金及び預金 | 19.75億円 |
| ネットキャッシュ | -1.93億円 |
| フリーCF | -14.56億円 |
当期は営業収益と営業利益が減った一方、営業CFは黒字を維持した形じゃな。
ようか | キョトン
営業CFは黒字なのに、フリーCFはマイナス…?
ゆり | 無表情
新造船投資と自己株式取得があり、現金は大きく減ったようですね。
やよい | 自信あり
うむ、冒頭で引っかかったところじゃな。
稼いだ営業CF以上に、投資へお金を回したということじゃ。
ゆり | 無表情
投資後の回収が次の確認点ですね。
ゆり | 真剣
詳しく知りたい人向けに、財務諸表をまとめておいたのです。
▼財務諸表を見る
▼ BS(貸借対照表)
| 項目 | 前期 | 当期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 41.86億円 | 19.75億円 | -22.11億円 |
| 流動資産 | 48.86億円 | 26.87億円 | -22.99億円 |
| 有形固定資産 | 64.40億円 | 84.24億円 | +19.84億円 |
| 総資産 | 126.48億円 | 122.66億円 | -3.82億円 |
| 流動負債 | 8.34億円 | 11.01億円 | +2.66億円 |
| 固定負債 | 25.07億円 | 30.23億円 | +5.16億円 |
| 純資産 | 93.07億円 | 81.43億円 | -11.64億円 |
| 自己資本比率 | 73.2% | 66.0% | -7.2pt |
▼ PL(損益計算書)
| 項目 | 前期 | 当期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 海運業収益 | 52.73億円 | 49.98億円 | -2.75億円 |
| 営業利益 | 8.88億円 | 6.58億円 | -2.30億円 |
| 経常利益 | 8.89億円 | 6.43億円 | -2.46億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 20.96億円 | 7.75億円 | -13.21億円 |
▼ CF(キャッシュ・フロー)
| 項目 | 前期 | 当期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 営業CF | 12.82億円 | 11.26億円 | -1.57億円 |
| 投資CF | 16.61億円 | -25.82億円 | -42.43億円 |
| 財務CF | -12.96億円 | -12.18億円 | +0.78億円 |
| フリーCF | 29.43億円 | -14.56億円 | -43.99億円 |
前期からの変化
3. 前期からの変化: 現金を投資へ振り向けた一年
ようか | 驚き
売上も利益も減ってるじゃん!
やよい | 説明
そうじゃな。確かに、海運業収益は減ったが、新造船投資で有形固定資産は増えておる。
| 項目 | 前期 | 当期 | 前期比較 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 53.89億円 | 51.22億円 | ↓ |
| 営業利益 | 8.88億円 | 6.58億円 | ↓ |
| 現金及び預金 | 41.86億円 | 19.75億円 | ↓ |
| 有形固定資産 | 64.40億円 | 84.24億円 | ↑ |
| フリーCF | 29.43億円 | -14.56億円 | ↓ |
ようか | キョトン
下向きの矢印ばっかりだけど、有形固定資産だけ上向いてる…
やよい | 自信あり
そこに今期の資金の流れが表れておる。
消えた現金は、この有形固定資産―つまり船へ姿を変えたのじゃ。
ゆり | 無表情
当期は利益だけでなく、資金配分の変化を見る年度という事なのです。
当期の注目ポイント
4. 当期の注目ポイント: 還元と投資が同時に進んだ
ようか | 笑顔
ゆり姉ぇー、わたしにも分かるようにポイントまとめてー!
ゆり | 微笑み
はい。今期を一言で言えば、「投資と還元へお金を回した一年」なのです。
▶ 営業収益は 51.22億円 で前期から減少。
▶ 営業利益は 6.58億円 で前期比マイナス。
▶ 現金及び預金は 19.75億円 へ減少。
▶ 新造船投資で有形固定資産は 84.24億円 へ増加。
▶ 1株配当は 125円、配当方針は連結配当性向 30%以上 が目安。
ようか | 驚き
利益が減ってるのに、配当はちゃんと出すんだ!
やよい | 自信あり
そこが玉井商船の今期の姿勢じゃな。
投資も還元も、どちらも止めなかったのじゃ。
収益構造
5. 収益構造: 長期契約で市況の波をならす
ようか | 通常
海運って市況に振り回されそうだけど、どう見ればいいの?
やよい | 説明
玉井商船は長期契約を軸に、運賃と貸船料で稼ぐ構造じゃ。
ようか | キョトン
長期契約なら、市況が荒れても安心ってこと?
やよい | あきれ顔
残念ながら、そう単純でもない。
スポット輸送や契約更改時には、その時々の市況がしっかり効いてくる。
ゆり | 無表情
投資額も大きいので船舶投資の回収には時間がかかる、
その時間の中で市況がどうなっているか、というのがポイントですね。
やよい | あきれ顔
そうじゃ。
しかし、今期の投資の姿勢は企業が投資の価値あり(今後需要が大きくなる)と判断した、ということでもあるぞ。
手元資金と現金創出力
6. 手元資金と現金創出力: 営業CFは残るが財布は薄く
ゆり | 無表情
資金管理と現金創出力はどうですか?
やよい | 説明
営業CFは 11.26億円 と黒字を維持しておる。
フリーCFはここ数年ではなかったマイナス方向じゃ。(-14.56億円)
ようか | キョトン
あれ、これってさっきの話ってことだよね?
やよい | 自信あり
そう、冒頭の謎の答え合わせはこれじゃ。
この投資をどう見るか、は投資家の判断にゆだねられるぞ。
ゆり | 真剣
投資が将来の収益につながるかを、次期以降のCFで確認したいのです。
チェックポイント
7. チェックポイント: 投資回収を見極める局面
やよい | 自信あり
ここまでの流れを踏まえて、来期に向けた問いを置いておくぞ。
- 新造船投資は、いつから営業CFを押し上げるのか? → 現金を大きく投じた以上、回収の早さがこの先の評価を左右する。
- 海運業収益の減少は、市況によるものか構造的なものか? → 一時的な市況なら戻りを待てるが、構造要因なら稼ぐ力の底上げが要る。
- 配当と自己株式取得の還元姿勢は、減益下でも続けられるのか? → 現金が薄くなった今、還元と投資の両立が来期の焦点になる。
ようか | 笑顔
新しい船たちがちゃんと稼いでくれるかが勝負だな!
ゆり | 無表情
さらなる分析用は下を開いて見るのです。
分析用データを見る
指標まとめ(2026年3月期)
やよい | 説明
単純な数値では測れぬが、バリュエーションはPERやEBITDAやROICあたりを、財務健全性は短期返済比率やEBITDA/利息あたりを見るとよいぞ。
| 指標 | 算出値 | 見方 |
|---|---|---|
| PER | 7.13倍 | 株価2,860円前提 |
| 現金比率 | 16.10% | 現金及び預金 ÷ 総資産 |
| 短期返済比率 | 20.89% | 短期返済額 ÷ 現金及び預金 |
| ネットキャッシュ | -1.93億円 | 現金及び預金 - 有利子負債 |
| ネットキャッシュ比率 | -3.48% | ネットキャッシュ ÷ 時価総額 |
| EBITDA | 14.35億円 | 営業利益 + 減価償却費等 |
| EBITDA/自己資本 | 17.72% | EBITDA ÷ 自己資本 |
| EBITDA/利息 | 47.05倍 | 利払い余力の参考 |
| ROIC | 4.67% | 投下資本に対する収益性 |
5年データ
ゆり | 通常
投資判断として5年程度のキャッシュの流れは把握しておくべきなのです。
| 決算期 | 営業収益 | 純利益 | フリーCF |
|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 67.35億円 | 11.90億円 | 28.45億円 |
| 2023年3月期 | 73.07億円 | 8.21億円 | 6.46億円 |
| 2024年3月期 | 62.20億円 | 7.32億円 | 9.71億円 |
| 2025年3月期 | 53.89億円 | 20.96億円 | 29.43億円 |
| 2026年3月期 | 51.22億円 | 7.75億円 | -14.56億円 |
リスク
ようか | 通常
有報からの抜粋だぜ!
- 海運市況により、運賃や貸船料が変動する可能性があります。
- 海難事故や漏油事故は業績や財務に影響する可能性があります。
- 船舶規制や環境規制により、コスト増が起きる可能性があります。
- 船員不足や人材育成が内航海運の課題です。
株主還元
やよい | 説明
配当だけを見ての投資はダメじゃが、長期で見るなら還元方針も確認するとよいぞ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行済株式総数 | 1,932,000株 |
| 自己株式数 | 402,030株 |
| 自己株式保有割合 | 約20.81% |
| 1株当たり配当 | 125円 |
| 配当利回り | 約4.37% |
| 提出会社ベース配当性向 | 37.1% |
補足
本記事の株価依存指標は、記事作成時点で取得した株価2,860円をもとにした参考値です。
財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります。
本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第117期、2026年6月8日)をもとに作成した情報整理記事です。
特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。