決算分析

玉井商船株式会社
第117期 有報分析

公開日: 2026/06/09

投資で現金減、営業CFは黒字維持

営業利益、現金減、営業CFは黒字 ―― 玉井商船2026年3月期

提出日:2026-06-08 / 会計期:2026年3月期

項目前期当期増減
営業利益8.88億円6.58億円-2.30億円
現金及び預金41.86億円19.75億円-22.11億円
フリーCF29.43億円-14.56億円-43.99億円

ようか | 驚き

ねぇ待って!

玉井商船、現金が22億円も減ってるじゃん!?

どこ行っちゃったの!?


やよい | あきれ顔

そう慌てるでない。

減ったのには、ちゃんと理由があるのじゃ。


ようか | キョトン

理由…?


やよい | あきれ顔

営業CFはしっかり黒字を残しておる

まぁ利益も減っておるが。。


ようか | 驚き

黒字なのに現金が消えたの!?

意味わかんない!


やよい | 説明

そこが今期いちばんの読みどころじゃ。

では、中身を追っていくとしよう。

目次

  • 会社概要
  • 当期の財務諸表まとめ
  • 前期からの変化
  • 当期の注目ポイント
  • 収益構造
  • 手元資金と現金創出力
  • チェックポイント
  • 補足

会社概要

1. 会社概要: 海運を軸に、運賃と貸船料で稼ぐ会社

ようか | 笑顔

玉井商船かぁ、船で荷物を運ぶ会社だっけー?

やよい姉!解説よろしく!!

やよい | 自信あり

うむ!わらわが解説してやるぞ。

玉井商船は外航海運、内航海運、不動産賃貸業を営む会社じゃ。

主力は海運で、運賃と貸船料が収益の柱になっておる。

区分内容収益形態
外航海運業水酸化アルミニウム、穀物などの輸送運賃・貸船料
内航海運業国内貨物船、タンカー、液化ガス船関連運賃・貸船料
不動産賃貸業賃貸用不動産賃貸収入

ようか | キョトン

運賃と貸船料って、どう違うの?

やよい | 説明

運賃は荷物を運んで受け取る対価、貸船料は船そのものを貸して受け取る対価じゃ。

ゆり | 無表情

長期契約を軸に安定収益を目指す会社なのです。

やよい | 自信あり

そうじゃ、ただし海運市況や船舶需要の影響は受けやすいぞ。

当期の財務諸表まとめ

2. 当期の財務諸表まとめ: 損益は縮み、営業CFは残った

ようか | 笑顔

やっぱり売上!キャッシュ!が重要だよな!

今期どうなったの!?

やよい | 自信あり

まずは重要な数字を並べるのじゃ。

項目当期
営業収益51.22億円
営業利益6.58億円
現金及び預金19.75億円
ネットキャッシュ-1.93億円
フリーCF-14.56億円

当期は営業収益と営業利益が減った一方、営業CFは黒字を維持した形じゃな。

ようか | キョトン

営業CFは黒字なのに、フリーCFはマイナス…?

ゆり | 無表情

新造船投資と自己株式取得があり、現金は大きく減ったようですね。

やよい | 自信あり

うむ、冒頭で引っかかったところじゃな。

稼いだ営業CF以上に、投資へお金を回したということじゃ。

ゆり | 無表情

投資後の回収が次の確認点ですね。

ゆり | 真剣

詳しく知りたい人向けに、財務諸表をまとめておいたのです。

▼財務諸表を見る

▼ BS(貸借対照表)

項目前期当期増減
現金及び預金41.86億円19.75億円-22.11億円
流動資産48.86億円26.87億円-22.99億円
有形固定資産64.40億円84.24億円+19.84億円
総資産126.48億円122.66億円-3.82億円
流動負債8.34億円11.01億円+2.66億円
固定負債25.07億円30.23億円+5.16億円
純資産93.07億円81.43億円-11.64億円
自己資本比率73.2%66.0%-7.2pt

▼ PL(損益計算書)

項目前期当期増減
海運業収益52.73億円49.98億円-2.75億円
営業利益8.88億円6.58億円-2.30億円
経常利益8.89億円6.43億円-2.46億円
親会社株主に帰属する当期純利益20.96億円7.75億円-13.21億円

▼ CF(キャッシュ・フロー)

項目前期当期増減
営業CF12.82億円11.26億円-1.57億円
投資CF16.61億円-25.82億円-42.43億円
財務CF-12.96億円-12.18億円+0.78億円
フリーCF29.43億円-14.56億円-43.99億円

前期からの変化

3. 前期からの変化: 現金を投資へ振り向けた一年

ようか | 驚き

売上も利益も減ってるじゃん!

やよい | 説明

そうじゃな。確かに、海運業収益は減ったが、新造船投資で有形固定資産は増えておる。

項目前期当期前期比較
営業収益53.89億円51.22億円
営業利益8.88億円6.58億円
現金及び預金41.86億円19.75億円
有形固定資産64.40億円84.24億円
フリーCF29.43億円-14.56億円

ようか | キョトン

下向きの矢印ばっかりだけど、有形固定資産だけ上向いてる…

やよい | 自信あり

そこに今期の資金の流れが表れておる。

消えた現金は、この有形固定資産―つまり船へ姿を変えたのじゃ。

ゆり | 無表情

当期は利益だけでなく、資金配分の変化を見る年度という事なのです。

当期の注目ポイント

4. 当期の注目ポイント: 還元と投資が同時に進んだ

ようか | 笑顔

ゆり姉ぇー、わたしにも分かるようにポイントまとめてー!

ゆり | 微笑み

はい。今期を一言で言えば、「投資と還元へお金を回した一年」なのです。

▶ 営業収益は 51.22億円 で前期から減少。

▶ 営業利益は 6.58億円 で前期比マイナス。

▶ 現金及び預金は 19.75億円 へ減少。

▶ 新造船投資で有形固定資産は 84.24億円 へ増加。

▶ 1株配当は 125円、配当方針は連結配当性向 30%以上 が目安。

ようか | 驚き

利益が減ってるのに、配当はちゃんと出すんだ!

やよい | 自信あり

そこが玉井商船の今期の姿勢じゃな。

投資も還元も、どちらも止めなかったのじゃ。

収益構造

5. 収益構造: 長期契約で市況の波をならす

ようか | 通常

海運って市況に振り回されそうだけど、どう見ればいいの?

やよい | 説明

玉井商船は長期契約を軸に、運賃と貸船料で稼ぐ構造じゃ。

ようか | キョトン

長期契約なら、市況が荒れても安心ってこと?

やよい | あきれ顔

残念ながら、そう単純でもない。

スポット輸送や契約更改時には、その時々の市況がしっかり効いてくる。

ゆり | 無表情

投資額も大きいので船舶投資の回収には時間がかかる、

その時間の中で市況がどうなっているか、というのがポイントですね。

やよい | あきれ顔

そうじゃ。

しかし、今期の投資の姿勢は企業が投資の価値あり(今後需要が大きくなる)と判断した、ということでもあるぞ。

手元資金と現金創出力

6. 手元資金と現金創出力: 営業CFは残るが財布は薄く

ゆり | 無表情

資金管理と現金創出力はどうですか?

やよい | 説明

営業CFは 11.26億円 と黒字を維持しておる。

フリーCFはここ数年ではなかったマイナス方向じゃ。(-14.56億円

ようか | キョトン

あれ、これってさっきの話ってことだよね?

やよい | 自信あり

そう、冒頭の謎の答え合わせはこれじゃ。

この投資をどう見るか、は投資家の判断にゆだねられるぞ。

ゆり | 真剣

投資が将来の収益につながるかを、次期以降のCFで確認したいのです。

チェックポイント

7. チェックポイント: 投資回収を見極める局面

やよい | 自信あり

ここまでの流れを踏まえて、来期に向けた問いを置いておくぞ。

  • 新造船投資は、いつから営業CFを押し上げるのか? → 現金を大きく投じた以上、回収の早さがこの先の評価を左右する。
  • 海運業収益の減少は、市況によるものか構造的なものか? → 一時的な市況なら戻りを待てるが、構造要因なら稼ぐ力の底上げが要る。
  • 配当と自己株式取得の還元姿勢は、減益下でも続けられるのか? → 現金が薄くなった今、還元と投資の両立が来期の焦点になる。

ようか | 笑顔

新しい船たちがちゃんと稼いでくれるかが勝負だな!

ゆり | 無表情

さらなる分析用は下を開いて見るのです。

分析用データを見る

指標まとめ(2026年3月期)

やよい | 説明

単純な数値では測れぬが、バリュエーションはPERやEBITDAやROICあたりを、財務健全性は短期返済比率やEBITDA/利息あたりを見るとよいぞ。

指標算出値見方
PER7.13倍株価2,860円前提
現金比率16.10%現金及び預金 ÷ 総資産
短期返済比率20.89%短期返済額 ÷ 現金及び預金
ネットキャッシュ-1.93億円現金及び預金 - 有利子負債
ネットキャッシュ比率-3.48%ネットキャッシュ ÷ 時価総額
EBITDA14.35億円営業利益 + 減価償却費等
EBITDA/自己資本17.72%EBITDA ÷ 自己資本
EBITDA/利息47.05倍利払い余力の参考
ROIC4.67%投下資本に対する収益性

5年データ

ゆり | 通常

投資判断として5年程度のキャッシュの流れは把握しておくべきなのです。

決算期営業収益純利益フリーCF
2022年3月期67.35億円11.90億円28.45億円
2023年3月期73.07億円8.21億円6.46億円
2024年3月期62.20億円7.32億円9.71億円
2025年3月期53.89億円20.96億円29.43億円
2026年3月期51.22億円7.75億円-14.56億円

リスク

ようか | 通常

有報からの抜粋だぜ!

  • 海運市況により、運賃や貸船料が変動する可能性があります。
  • 海難事故や漏油事故は業績や財務に影響する可能性があります。
  • 船舶規制や環境規制により、コスト増が起きる可能性があります。
  • 船員不足や人材育成が内航海運の課題です。

株主還元

やよい | 説明

配当だけを見ての投資はダメじゃが、長期で見るなら還元方針も確認するとよいぞ。

項目内容
発行済株式総数1,932,000株
自己株式数402,030株
自己株式保有割合約20.81%
1株当たり配当125円
配当利回り約4.37%
提出会社ベース配当性向37.1%

補足

本記事の株価依存指標は、記事作成時点で取得した株価2,860円をもとにした参考値です。

財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります。

本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第117期、2026年6月8日)をもとに作成した情報整理記事です。

特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。