決算分析

ヤマトホールディングス株式会社
2026-03期 有報5年推移分析

公開日: 2026/07/03

営業利益が倍増、でも最終利益は急減した決算

参考株価と時価総額

項目
株価1753円
発行済株式総数360,496,492株
時価総額6,319.5億円

本業は上向いた、でも… ―― ヤマトホールディングス2026年3月期


項目前期当期前期比
売上高17,627億円18,657億円+5.8%
営業利益142億円283億円+99.3%

ようか | 驚き

ゆり姉!ゆり姉!

ヤマトの売上も営業利益も、前期より上がってるよ!!


ゆり | 微笑み

そうですね

よいことです


やよい | あきれ顔

さて、どうじゃろうの


ようか | キョトン

む?

何かあるの?


やよい | 自信あり

そうじゃな。

何があるかは、これから見て行こう


ようか | 驚き

あるのか!!


やよい | 説明

よし、まずは会社のおさらいからじゃ。


目次

  • 会社概要: 宅急便の会社をひと目で確認
  • 収益構造: 立て直しと投資の局面
  • 前期からの変化: 利益反転と最終損益のズレ
  • 当期の注目ポイント: 数字の焦点
  • 5年推移の財務諸表まとめ: 利益の山谷を確認
  • 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性
  • 補足: データの読み方と注意点

1. 会社概要: 宅急便の会社をひと目で確認

ようか | 笑顔

ヤマト!! 黒猫!!

事業内容は宅急便でしょ!!


ゆり | 微笑み

主力はその通りにゃのです

にゃーん

区分内容
主力商品・サービスエクスプレス事業(宅急便を中心とした国内輸配送)
その他事業コントラクト・ロジスティクス、グローバル、モビリティ、その他
収益形態荷物の取扱量に連動するフロー型が中心
開示区分「エクスプレス」「コントラクト・ロジスティクス」「グローバル」「モビリティ」「その他」

ようか | 笑顔

ゆり姉! かわいい!


やよい | あきれ顔

遊んどる場合か。

ヤマトは宅急便を中心とした国内輸配送が中核じゃが、

その他、細かい事業内容は法人向け物流やグローバル、車両整備などを組み合わせておる。


ようか | 笑顔

宅急便メインで、法人物流とか整備もやってるのか。

なるほど!


ゆり | 微笑み

基本は人手で運ぶ仕事なのです。

人件費と燃料が、利益にそのまま響くのです

2. 収益構造: 立て直しと投資の局面

ゆり | 真剣

収益に対する企業姿勢はどうなのでしょう?


やよい | 説明

うむ。よい指摘じゃ。

有報では、宅急便を 「安定的に利益を確保できる事業構造へ転換」 すると掲げておる。

2025年10月の運賃改定で、上がったコストを値段へ乗せていく方針のようじゃ。


ゆり | 無表情

守りの構造改革と、法人ビジネスへの投資を同時に進めている局面ということですね。


やよい | 説明

そうじゃな。

統合型の物流拠点やグローバル展開にはM&Aも絡む。

だから投資の重さがどう動くか、ここを見ていく必要があるな。

3. 前期からの変化: 利益反転と最終損益のズレ

売上高と営業利益: 運賃改定が効いた

ようか | 笑顔

冒頭でもあったけど、増収増益だよな!!


やよい | 説明

うむ。

営業収益は 17,627億円 から 18,657億円増加

営業利益は 142億円 から 283億円 へ、ほぼ倍へ 増加 じゃ。

項目前期当期前期比較
営業収益17,627億円18,657億円↑ 増加(+5.8%
営業利益142億円283億円↑ 増加(+99.3%

ゆり | 微笑み

運賃改定とプライシングの見直しの効果ですか?


やよい | 説明

そういうことじゃな


ようか | キョトン

冒頭の含みは何だったんだ?


やよい | あきれ顔

それじゃな。

実は最終利益は、逆に減っておる。

項目前期当期前期比較
親会社株主純利益379億円137億円↓ 減少(-63.8%

ようか | 驚き

マジか!?

なんで なんで!?


やよい | 説明

前期に大きかった特別利益が減った(177億円の縮小)のと

のれん償却が 134億円 出ておる。


ようか | 自信あり

の ・ れ ・ ん ?


やよい | あきれ顔

のれんとは、会社を買収したときに払った「上乗せ代金」 じゃ。

具体的には、将来の稼ぐ力や顧客基盤を見込んで上乗せしたりする。

のれん償却とは、それを あとから費用として少しずつ処理すること じゃ。


ゆり | 無表情

報告書では 株式会社ナカノ商会に係るもの と書いてあります。

実質価額が著しく下落し、関係会社株式 評価損 155.47億円 を計上、

それに伴って連結で のれん未償却残高 134.34億円 を一時償却した、と説明されているのです。


ようか | キョトン

ようは買った会社の価値が下がったのを計上したということ?


やよい | 説明

ふむ。そうじゃの。

「将来の稼ぐ力」として上乗せした部分が「のれん」で

その期待価値を維持できないと判断された

だから残っていた134億円をまとめて損失にしたということじゃな


ようか | キョトン

じゃあ直接 稼ぐ力とは関係ない?


やよい | 説明

ある意味では正解じゃが、

買った会社が当初見込みより稼げないと判断されたということなので

ヤマト全体としては損失であることは間違いないのじゃ


ゆり | 無表情

仮にのれんの一時償却が無かったとしても、前期に届いてないのです


やよい | 説明

実に重要な指摘じゃな。

前期の税引前利益と比較し、のれんの一時償却を抜いても 約115億円少ない のじゃ。

これら以外の要因としても

  • 営業外費用が増えた
  • のれん以外の特別損失もある

と、いうのがあるの。


ゆり | 無表情

本業の配送は運賃改定で改善していますが

いくつかの要因で純利益としては減った、ということなのですね

手元資金とネットキャッシュ

ようか | 驚き

キャッシュはどうなったんだ!?


やよい | 説明

現金及び預金は 2,087億円 から 2,388億円増加

ネットキャッシュも 349億円 から 429億円増加 しておる。

項目前期当期前期比較
現金及び預金2,087億円2,388億円↑ 増加(+14.4%
ネットキャッシュ349億円429億円↑ 増加(+22.9%

ようか | 笑顔

増えてる!!


ゆり | 真剣

現金は積み上がっていますが、借入とリース債務も増えているのです。


やよい | 説明

あとで中期視点でどうなっているのか見ていくとまた景色が変わるぞ


ようか | 驚き

今日は含みが多い!

フリーCF: 売却が効いた一年

項目前期当期前期比較
フリーCF33億円649億円↑ 増加(+1866%

ゆり | 無表情

フリーCFは 桁違いに増えているのです。


やよい | 説明

ふむ。

理由は2つじゃ。

要因内容
営業CF要因営業CFが722億円へ増加
投資CF要因固定資産売却

港南ビルほか19物件を、リースバックも交えて売ったのが大きい。

設備投資は694億円規模で続いておるが、売却収入がそれを上回って相殺した形じゃな

4. 当期の注目ポイント: 数字の焦点

ようか | 泣きつく

ゆり姉ぇーただ宅急便を届ける企業だと思ってたけどいろいろ大変だー!!

わたしにも分かるようにポイントまとめて~😢


ゆり | 微笑み

まとめたのですよ(ヨシヨシ


▶ 営業収益は前期比 +5.8% で、当期は 18,657億円 なのです。

▶ 営業利益は前期比 +99.3% で、当期は 283億円 なのです。運賃改定の効果です。

▶ 親会社株主純利益は前期比 -63.8% で、当期は 137億円 なのです。のれん償却と特別損失が主因です。

▶ フリーCFは前期比で大きく増え、当期は 649億円 なのです。固定資産の売却が効いたのです。

5. 5年推移の財務諸表まとめ: 利益の山谷を確認

ようか | 驚き

前期との違いは分かったけど、もっと長いスパンで見るとどうなんだ!?


やよい | 説明

うむ、まずは稼ぐ力から見て行こう。


項目5年前4年前3年前2年前当期
売上高17,936億円18,007億円17,586億円17,627億円18,657億円
営業利益772億円601億円401億円142億円283億円
当期純利益560億円459億円376億円379億円137億円
営業利益率4.30%3.34%2.28%0.81%1.52%

やよい | 自信あり

ようか、ここから何を見る?


ようか | 泣きつく

直近、だけ見てると調子良さそうだったのに

利益がどんどん減ってる!!


やよい | 説明

そうじゃな。

さらにいうと、売上は1.8兆円前後で横ばいじゃ。

営業利益は3年続けて減り、ようやく直近で反転した形じゃ。


ゆり | 無表情

上がるコストを値段へ乗せきれない時期が、長く続いたのですか?


やよい | 説明

うむ。そう見てよいと思うぞ。

安い、はエンドユーザに取っては嬉しいが企業にとっては毒にもなる。


ようか | 泣きつく

最近の値上げラッシュに乗っかり復活しよう!!


やよい | 微笑み

では、次にキャッシュの流れを追っていくぞ。


項目5年前4年前3年前2年前当期
現金及び預金1,826億円1,854億円1,951億円2,087億円2,388億円
現金及び預金の対資産率16.8%16.7%16.5%16.5%18.7%
ネットキャッシュ1,368億円1,371億円1,025億円349億円429億円
ネットキャッシュ比率20.1%20.6%16.2%5.5%6.8%
フリーCF-69億円406億円419億円33億円649億円

ゆり | 真剣

ネットキャッシュが年々減っているのです


やよい | 説明

うむ。

しかし現金そのものは増えおるじゃろ


ようか | 驚き

ホントだ!!


やよい | 説明

借入とリース債務がそれ以上に増えておる

M&Aや成長投資で借入を増やしてきたぶん、ネットのキャッシュは細っておる。


ようか | 泣きつく

なるほど!!


ゆり | 無表情

さらに詳しく知りたい人向けに、財務諸表をまとめたので、必要な方は以下を開いてみてくださいです。

▼ 財務諸表を見る

ゆり | 無表情

ご覧ください

▼ BS(貸借対照表)

項目2022-03-312023-03-312024-03-312025-03-312026-03-31
現金及び預金1,826億円1,854億円1,951億円2,087億円2,388億円
利益剰余金4,645億円4,739億円4,481億円4,702億円4,703億円
総資産10,869億円11,076億円11,818億円12,674億円12,802億円
純資産5,982億円6,164億円5,920億円6,004億円5,821億円
自己資本比率54.3%55.1%49.6%46.5%44.6%

▼ PL(損益計算書)

項目2022-03-312023-03-312024-03-312025-03-312026-03-31
売上高17,936億円18,007億円17,586億円17,627億円18,657億円
営業利益772億円601億円401億円142億円283億円
経常利益843億円581億円405億円196億円263億円
親会社帰属純利益560億円459億円376億円379億円137億円

▼ CF(キャッシュ・フロー計算書)

項目2022-03-312023-03-312024-03-312025-03-312026-03-31
営業CF520億円900億円643億円477億円722億円
投資CF△589億円△494億円△224億円△444億円△73億円
財務CF△545億円△386億円△308億円+94億円△371億円
フリーCF△69億円406億円419億円33億円649億円

6. 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性

やよい | 自信あり

最後に指標をまとめたぞ


ゆり | 無表情

はい。

さらに細かい指標と、有報から拾ったリスクは、下にまとめておきましたのです。

分析用データを見る

指標まとめ(2026-03期)

やよい | 説明

単純な数値では測れぬが、バリュエーション指標としてはPERやEBITDAやROICあたりを、財務健全性は流動比率やEBITDA/利息あたりを、株主還元余地は現金比率やネットキャッシュ比率を指標として見るとよいぞ。

指標算出値見方
PER46.3倍参考株価 ÷ 1株当たり利益
現金比率(対資産)18.7%現金及び預金 ÷ 総資産
流動比率154.9%流動資産 ÷ 流動負債(流動負債 3,589.4億円)
ネットキャッシュ429億円現金及び預金 + 有価証券70% − 有利子負債
ネットキャッシュ比率6.8%ネットキャッシュ ÷ 時価総額
EBITDA816億円営業利益 + 減価償却費
EBITDA/自己資本14.3%EBITDA ÷ 自己資本
EBITDA/利息32.9倍EBITDA ÷ 支払利息
ROIC2.9%税引後営業利益 ÷ 投下資本

リスク

ようか | 笑顔

有報からの抜粋だぜ!

  • 市場・競争環境の変化: EC化進展で物流事業者やEC事業者、スタートアップとの競争が激化。
  • 労働力人口の減少: 労働集約型のため、人材確保難と人件費高騰が業績に直結。
  • テクノロジーの進化: AI・自動運転・ロボティクスへの対応の遅れが投資効果を損なうリスク。
  • 情報セキュリティ: 顧客情報の漏えいやサイバー攻撃によるシステム停止のリスク。
  • 地域の過疎化: 配送効率の低下と人材不足で全国ネットワーク維持が難しくなるリスク。
  • 気候変動: 物理的リスクとGHG削減対応コストの移行リスク。

株主還元

ゆり | 真剣

株主還元だけを見ての投資はダメですが、長期で保有する前提の場合は現在値を知っておくとよいです。

参考株価は 1753円 です。

  • 当期発行済株式総数: 360,496,492株
  • 1株当たり年間配当: 46円(5期連続で46円を維持)
  • 配当利回り: 2.62%(参考値)
  • 配当政策: 親会社株主純利益を基準に配当性向40%以上を目標。直近期は減益で配当性向が大きく上昇。

7. 補足: データの読み方と注意点

参考株価は記事作成時点の値を使用しています。 財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります。 本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第161期、2026-06-12)をもとに作成した情報整理記事です。

特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。