決算分析

株式会社ミツウロコグループホールディングス
2026-03期 有報5年推移分析

公開日: 2026/07/04

営業利益は過去最高、なのに減益 | 有価証券報告書 2026年3月期

参考株価と時価総額

項目
前提記事作成時点の参考株価で算出
株価1,937円
発行済株式総数60,634,566株
時価総額1,174.5億円

本業は過去最高益 ―― ミツウロコグループHD2026年3月期

提出日:2026-06-12 / 会計期:2026年3月期

項目前期当期前期比
営業利益87.7億円123.7億円+41.1%

ようか | 驚き

ねえ、ミツウロコの営業利益、過去最高なんだって!!

すごいね!


やよい | 説明

うむ、本業の利益は4割増えた。

じゃが、最後に残る利益は減っておる。

項目前期当期前期比
親会社帰属純利益105.2億円92.0億円-12.5%
フリーCF185.6億円14.6億円-92.1%

ようか | 驚き

あれ、逆じゃない!?

そんなことある!?


やよい | 自信あり

理由はある。それも、来期を読むうえで大事な理由じゃ。

順に見ていくぞ。


目次

  • 会社概要: エネルギーの持株会社
  • 収益構造: 投資で電力を伸ばす姿勢
  • 前期からの変化: 増益と減益が同居
  • 当期の注目ポイント: 数字の焦点
  • 5年推移の財務諸表まとめ: 山谷を確認
  • 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性
  • 補足: データの読み方と注意点

1. 会社概要: エネルギーの持株会社

ようか | 笑顔

ミツウロコかぁ、ガスだっけー?

やよい姉! 解説よろしく!!

やよい | 自信あり

うむ! わらわが解説してやるぞ。

ミツウロコグループHDは、LPガスや石油を売るエネルギー商社を中核に据えた持株会社じゃ。

子会社42社・関連会社15社を束ねて、6つの事業を回しておる。

ゆり | 微笑み

まとめたのです

区分内容
主力エネルギー事業(LPガス・石油・都市ガス・住宅設備)、電力事業(再エネ発電と電力小売)
その他フーズ、リビング&ウェルネス(不動産・温浴)、海外、その他
収益形態既存顧客への継続供給(フロー型)と、市況連動の卸売・電力小売の組み合わせ
開示区分6セグメント

ようか | 驚き

ガス屋さんだと思ってた〜!

電力もやってるんだ!

ゆり | 微笑み

主力はあくまでLPガス・石油のエネルギー事業です。

やよい | あきれ顔

時代じゃな。

風力・バイオマス・太陽光の発電を持ち、電力小売まで手がけておる。

この電力事業が、当期の業績を引っ張ったのじゃ。

2. 収益構造: 電力を伸ばす

ゆり | 無表情

この会社は、収益をどう伸ばそうとしているのでしょう。

やよい | 説明

よい問いじゃ。

報告書を見ると、発電所などへ投資を続け、成長分野を広げていく姿勢が明確じゃ。

2023年度から5年間で 500億円 の中長期投資枠を設定しておる。

ゆり | 真剣

安定したエネルギー供給を土台に、電力へ投資して伸ばす。

という姿勢ですか

やよい | 自信あり

うむ。

LPガスや石油は既存顧客への継続供給が多いので

土台は比較的安定しておる。

あとは積み増した設備投資が、利益とキャッシュにどうつながるか。そこを見ていく必要があるな。

3. 前期からの変化: 増益と減益が同居した

売上・利益: 冒頭の「ねじれ」の正体

ようか | 笑顔

まずは売上と利益から! 前の年とどう変わったの〜?

やよい | 説明

うむ、当期と前期を並べるぞ。

売上はほぼ横ばいだが

営業利益は大きく増加じゃ

項目前期当期前期比較
売上高3396.6億円3395.0億円
営業利益87.7億円123.7億円
営業利益率2.6%3.6%
親会社帰属純利益105.2億円92.0億円

ようか | 驚き

最初に聞いた!

でも最終利益が減ってるって!!

ゆり | 真剣

はい。

営業利益は増えましたが、純利益は減ったのです。

ようか | 驚き

なぜ!? 前期比較で 30億以上 も頑張ったのに!!

ゆり | 無表情

前期は投資有価証券売却益 50.7億円 を含む

特別利益 52.0億円 があったのです。

やよい | 説明

当期の特別利益は 4.2億円 じゃな

ゆり | 無表情

ただしセグメント別の利益分解値は開示されておらず、

2要因それぞれの金額までは開示情報からは追い切れないのです。

やよい | 説明

うむ。

じゃが、本業の稼ぎである営業利益は、過去最高を更新しておるし

その主因は電力事業の販売数量増加と容量拠出金の負担減少と会社開示には書かれておる。

ようか | 笑顔

最終益は前期比で減少だけど

本業は利益改善しているのか!!

いいな!!

手元資金とネットキャッシュ: 借入も使う財務

ようか | 笑顔

キャッシュ、現金はどうなったの〜?

やよい | 説明

うむ、現金とネットキャッシュを並べるぞ。

現金は積み上がっておるが、借入も使う財務スタイルじゃ。

項目前期当期前期比較
現金及び預金426.3億円444.0億円
現金及び預金の対資産率23.0%21.6%
ネットキャッシュ155.5億円55.9億円
ネットキャッシュ比率12.9%4.8%

ようか | キョトン

ネットキャッシュは減ってるのか

ゆり | 無表情

当期は長期借入を増やしたため、ネットキャッシュは前期から縮みました。

エネルギーや発電は設備投資が要る業種なのです。

やよい | 説明

純資産は 1053.6億円 と厚く、安定した営業CFが財務を支えておるぞ

フリーCF: こちらも前期からの反動

ようか | 笑顔

お金の出入り、フリーCFはどうなったの〜?

やよい | 説明

うむ、当期はフリーCFが大きく縮んでおる。

項目前期当期前期比較
営業CF179.7億円103.5億円
投資CF5.9億円-88.9億円
フリーCF185.6億円14.6億円

ようか | キョトン

あら

やよい | 自信あり

当期が細ったというより、前期が特殊じゃったということじゃろう

  • 営業CF要因: 当期は5年平均的な103.5億円、前期179.7億円が突出していた
  • 投資CF要因: 当期は設備投資が通常水準へ回帰、前期は投資有価証券の売却収入 67.2億円 などでプラスだった
  • 相殺要因: 補助金の受取や定期預金の払戻が、投資の出を一部和らげた

ゆり | 無表情

当期の設備投資は、会社開示で 111億円 なのです。

500億円の投資枠に沿った投資が、フリーCF縮小の背景なのです。

やよい | あきれ顔

前期のフリーCFが膨らみすぎていた、と見るのがいいかもれん

後ほど中期視点で見るぞ

4. 当期の注目ポイント: 数字の焦点

ようか | 泣きつく

ゆり姉ぇ〜わたしにも分かるようにポイントまとめて〜(泣)

ゆり | 微笑み

まとめたのです


▶ 売上高は前期比 -0.0% とほぼ横ばいです。営業利益は +41.1%(+36.0億円) で過去最高です。

▶ 純利益は前期比 -12.5%(-13.2億円) の減益です。前期の特別利益の反動が主因です。

▶ 手元資金(現金及び預金)は前期比 +4.2% とわずかに増加です。

▶ フリーCFは前期比 -92.1%(185.6億円→14.6億円) と大きく縮小です。前期の突出からの反動です。

▶ 営業利益増の主因は、電力事業の販売数量増加と容量拠出金の負担減少です。


5. 5年推移の財務諸表まとめ: 山谷を確認

ようか | 笑顔

前期との違いは分かったけど、もっと長いスパンで見るとどうなんだ!?

やよい | 説明

うむ、まずは稼ぐ力から見ていこう。


項目5年前4年前3年前2年前当期
売上高25003237309133973395
当期純利益19789110592
営業利益812312388124
営業利益率0.333.813.992.583.64

ゆり | 無表情

5年前の営業利益8億円は、資源価格高騰のためです

翌期に120億円前後へ回復しているのです

やよい | 説明

ようか、ここから何を見る?

ようか | キョトン

んー…

ようか | 笑顔

横ばい!!

やよい | あきれ顔

ざっくりな感想じゃが、その通りじゃ。

売上は市況で動くが、営業利益は2023/3期に 123億円 へ回復して以降、120億円前後のレンジで定着しておる。

今後は投資と、それに伴い利益の中身改善が伸びていくかどうか見ていく必要があるな

やよい | 説明

次はキャッシュの流れを追っていくぞ。


項目5年前4年前3年前2年前当期
現金及び預金215.0325.4331.3426.3444.0
現金及び預金の対資産率13.918.718.323.021.6
ネットキャッシュ40.262.943.3155.555.9
ネットキャッシュ比率3.15.23.612.94.8
フリーCF-34.145.311.1185.614.6

ゆり | 無表情

昨年のキャッシュが突出しているのです

先ほどもあった、投資CFがプラスになる特殊要因が重なったからなのですね

やよい | 説明

うむ

当期はそこから通常へ戻った、と見ればよい。

引き続きキャッシュの創出力には着目じゃな

ゆり | 微笑み

なるほど。 理解できました

さらに詳しく知りたい方は、以下に財務諸表をまとめたので見てみてください。

▼ 財務諸表を見る

ゆり

財務諸表まとめたのです。

数値はすべて連結(日本基準)です。

▼ BS(貸借対照表)

項目5年前4年前3年前2年前当期
現金及び預金215.0325.4331.3426.3444.0
流動資産636.9801.4817.3942.11000.5
有形固定資産382.6421.5429.3438.8484.3
総資産1547.31740.01807.41857.22060.0
流動負債407.5450.5412.6513.7530.4
固定負債262.9360.6399.1356.7476.0
純資産876.9928.8995.7986.91053.6
自己資本比率56.753.455.153.151.1

▼ PL(損益計算書)

項目5年前4年前3年前2年前当期
売上高2500.33237.03090.93396.63395.0
売上原価2211.72813.82640.62971.52923.2
売上総利益288.6423.2450.2425.0471.8
営業利益8.2123.2123.387.7123.7
親会社帰属純利益19.177.991.1105.292.0

▼ CF(キャッシュ・フロー)

項目5年前4年前3年前2年前当期
営業CF50.1124.6105.3179.7103.5
投資CF-84.2-79.3-94.25.9-88.9
財務CF-7.654.6-18.9-88.416.1
フリーCF-34.145.311.1185.614.6
現金増減-40.3101.8-6.396.732.3

6. 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性

やよい | 自信あり

ここまでを大まかにまとめよう。

  • 営業利益は5年前の低水準から立て直し、当期は過去最高を更新じゃ。
  • ただし借入も使う財務で、ネットキャッシュは厚くない。安全性は純資産の厚みで読む。
  • 株主還元は強化が続き、当期の総還元性向は82.8%まで上がっておる。

ようか | 笑顔

ガス屋さんが電力で頑張っている会社、ってことが分かったよ!

ゆり | 微笑み

さらに細かい指標は、下を開いて見るのです。

分析用データを見る

指標まとめ(2026年3月期)

やよい: 単純な数値では測れぬが、バリュエーション指標としてはPERやEBITDAやROICあたりを、財務健全性は短期返済比率やEBITDA/利息あたりを、株主還元余地は現金比率やネットキャッシュ比率を指標として見るとよいぞ。

指標算出値見方
PER約12.8倍参考時価総額1174.5億円 ÷ 親会社帰属純利益92.0億円。参考株価ベース
現金比率21.6%現金及び預金444.0億円 ÷ 総資産2060.0億円
短期返済比率17.8%流動有利子負債 ÷ 現金。借入を使う財務でも返済余力は確保
ネットキャッシュ55.9億円現金及び預金 − 有利子負債(有価証券除く)。小幅プラス
ネットキャッシュ比率4.8%ネットキャッシュ ÷ 時価総額。投資有価証券を70%換算で参考加算すると32.8%
EBITDA178.7億円営業利益+減価償却費等。当期は過去最高水準
EBITDA/自己資本17.0%自己資本に対する稼ぐ力
EBITDA/利息45.7倍利払い負担に対する稼ぐ力。余裕は大きい
ROIC6.7%投下資本に対するリターン

注: 株価依存の指標は参考株価1937円を前提とした参考値です。ネットキャッシュは有価証券を含まない算定です。

リスク

ようか: 有報からの抜粋!

  • 需要動向: 主力の灯油・LPガスは気温(天候)で売上が変動する。
  • 商品調達: 石油・LPガス・電力は原油価格やLPガスCP、為替、卸電力市場価格の変動で売上原価が動く。
  • 営業戦略: エネルギー自由化で同業間の顧客獲得競争が激化し、顧客減少・販売価格低下の可能性がある。
  • 災害等: 石油・LPガス貯蔵設備や発電所での漏洩事故・資産毀損のリスクがある。
  • 投資等: 国内外の子会社設立・資本提携に伴う投資回収リスクがある。
  • 法的規制・脱炭素: 温室効果ガス排出規制や炭素税導入で多額の設備投資が必要になる可能性がある。
  • 海外事業: アジア地域での為替・政治経済リスクがある。

株主還元

ゆり: 株主還元だけを見ての投資はダメですが、長期で買う前提の場合は現在値を知っておきましょう。

  • 発行済株式総数: 60,634,566株
  • 自己保有割合: 約3.0%(自己株式1,838,891株)
  • 1株当たり年間配当: 66円(うち創立100周年記念配当5円、前期比10円増配)。翌期も66円を予定
  • 配当利回り: 約3.4%(参考株価1937円ベースの参考値)
  • 自己株式取得: 当期39.7億円(前期39.0億円に続く高水準)
  • 総還元性向: 82.8%(会社開示)。総還元性向50%以上の維持を方針として明示
  • ストック型収益に対する配当割合: セグメント別の分解値がなく未計算

7. 補足: データの読み方と注意点

参考株価は記事作成時点の値を使用しています。 本記事の財務数値は、連結(日本基準)の財務データと有価証券報告書の記述を主データとしています。 株価に依存する指標(PER、配当利回り、ネットキャッシュ比率など)は、参考株価1937円を前提とした参考値です。 純利益が減益となった主因は前期の特別利益の反動で、報告書に直接の説明が限定的な部分は営業外・特別損益の差からの推定を含みます。 財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります。 本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第117期、2026年6月12日提出)をもとに作成した情報整理記事です。

特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。