決算分析

三菱商事株式会社
2026-03期 有報5年推移分析

公開日: 2026/07/12

減益の年に1兆円の自社株買い。総還元性向176%

参考株価と時価総額

項目
前提記事作成時点の参考株価で算出。2024年1月1日付の1:3株式分割後の株価と株式数を使用
株価4,429円
発行済株式総数4,028,926,353株
時価総額178,441.1億円

減益の年に、1兆円の自社株買い ―― 三菱商事2026年3月期

ようか | 笑顔

やよい姉~

三菱商事、今期 1兆円 の自社株買いだってー?

勢いあるなー


やよい | 説明

これを見よ

項目前期当期前期比
親会社帰属純利益9,507億円8,005億円-15.8%

ようか | 驚き

えっ!!

利益が -15.8% 減ってる!?

しかも利益額でみると 8000億 って!


やよい | 自信あり

うむ。

稼いだ利益より多く株主へ返した計算になるのう。

配当と合わせた総還元性向は、なんと 176% じゃ。


ようか | 驚き

マジか!?

気になるから詳しく解説して!!


目次

  • 会社概要: 権益と配当で稼ぐ総合商社
  • 収益構造: 借りてでも投資と還元を両立
  • 前期からの変化: 減益の中身と膨らむ借金
  • 当期の注目ポイント: 数字の焦点
  • 5年推移の財務諸表まとめ: 高原からの正常化
  • 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性
  • 補足: データの読み方と注意点

1. 会社概要: 権益と配当で稼ぐ総合商社

ようか | 笑顔

三菱商事かぁ、商社だよなー

やよい姉! 解説よろしく!!


やよい | 自信あり

うむ! わらわが解説してやるぞ。

三菱商事は金属資源からエネルギー、食品、モビリティまで手がける総合商社じゃ。

連結子会社833社・持分法適用会社349社という巨大な投資ポートフォリオから、

持分法利益と配当を受け取るのが今の稼ぎ方の柱じゃな。


ゆり | 無表情

まとめたのです

区分内容
主力事業金属資源(豪州原料炭・チリやペルーの銅)、LNGなどエネルギー権益への投資
その他事業食品産業、モビリティ、社会インフラ、電力、マテリアル、S.L.C.(生活・都市関連)
収益形態8営業グループのトレーディング+事業投資からの持分法利益・受取配当
開示区分IFRS(連結)。営業利益の開示区分はなし

やよい | 説明

注目は体制の変化じゃな。

2025年度から新しい「経営戦略2027」に移行し、

翌期からはエネルギー系の2グループを統合して8グループから 7グループ 体制へ再編する。

LNGカナダが2025年6月に生産を開始するなど、エネルギー権益が育ってきた局面での組織替えじゃ。


ようか | 笑顔

グループが合体!!

合体ロボみたいでアツい!


ゆり | 真剣

合体ロボ…!! いいです…!!


やよい | あきれ顔

合体して悪と戦うわけではないぞ。

地球環境エネルギーと電力ソリューションを束ね、

エネルギーと電力をひとつの戦略で動かす狙いじゃ。


ゆり | 無表情

資源やエネルギーの権益に投資して配当を受け取る、投資会社に近い会社なのですね。


やよい | 説明

うむ。

当期も持分法投資損益 4,679億円 と受取配当が利益の大きな柱になっておる。


2. 収益構造: 借りてでも投資と還元を両立

ゆり | 無表情

収益に対する企業姿勢はどうなのでしょう?


やよい | 説明

うむ。よい指摘じゃ。

有報の「経営戦略2027」には、2027年度までの3年間で

更新投資 1.3兆円 以上、拡張・新規投資 3.3兆円 以上という投資計画が明記されておる。

さらに「戦略的にレバレッジを活用する」とも書いており、投資を拡大する姿勢のようじゃ。


ようか | キョトン

レバレッジって?


やよい | 自信あり

借金を てこ に例えて、手持ち以上の勝負をする、という意味じゃな。

一応、歯止めとして、Net DER(純有利子負債÷自己資本)に 0.6倍 の上限目処を置いておるのじゃ。


ゆり | 無表情

決めたルールの中でなら借りてでも攻める、ということですね。


やよい | 説明

うむ。そうじゃな。

今後はNet DERが上限の 0.6倍 へ近づきすぎないか、

投資した権益がきちんと利益とキャッシュを生むかを見ていく必要があるな。


3. 前期からの変化: 減益の中身と膨らむ借金

売上と利益

ようか | 笑顔

売上と利益はどうなったのー?


ゆり | 無表情

まずは、こちらを確認しましょう

項目前期比較前期当期
収益↑ +1.6%186,176億円189,160億円
売上総利益↓ -9.9%18,364億円16,551億円
営業利益相当↑ +12.8%3,711億円4,186億円
親会社帰属純利益↓ -15.8%9,507億円8,005億円

※ 営業利益相当 = IFRSのため営業利益の開示はなく、売上総利益から販管費を引いた算出値


ようか | 焦り

19兆円!!

国家か!!


やよい | あきれ顔

小さい国規模の額は動いておるな。

注目は、純利益が -15.8% の減益となった部分じゃ。

ゆり、主要因を上げてみるのじゃ。


ゆり | 無表情

これでしょうか?

項目前期比較前期当期
有価証券売却益3,056億円418億円
固定資産売却損益+1,346億円-93億円

やよい | 説明

うむ。

減益のいちばんの理由は、前期に大きかった有価証券の売却益がなくなったことじゃな。

固定資産の売却も利益から損失に変わり、その反動も重なった。


ようか | 自信あり

ってことは、本業が崩れたわけじゃないんだ?


やよい | 微笑み

うむ。

持分法投資損益は 4,679億円+38.6% と回復しておる。

チリの銅会社アングロスールで、過年度減損の一部戻入 532億円 があったのも押し上げ要因じゃが。


ゆり | 無表情

一過性の売却益が消えた分の減益だったので、

権益からのストック型の稼ぎはむしろ回復しているのです。


現金とネットキャッシュ

ようか | 驚き

で、冒頭の話だ!

減益なのに1兆円も自社株買いして、キャッシュはどうなったん!?


やよい | 説明

それが、現金はむしろ増えておるのじゃ。

代わりに借金が大きく増えておる。

両方を見るのじゃぞ。

項目前期比較前期当期
現金及び預金↑ +18.4%15,698億円18,588億円
現金比率(対総資産)7.3%7.7%
有利子負債↑ +21.9%53,393億円65,078億円
ネットキャッシュ↓ 悪化-37,695億円-46,491億円

ゆり | 無表情

社債発行と長期借入による収入が 4,560億円 から 1兆3,868億円 へ急増しているのです。


ようか | キョトン

約1兆の社債発行と借入をして、1兆の自社株買いしてるとか、

単純に数字だけ見ると、自社株買いと配当のお金を、借り入れで用意した形に見えるな


やよい | あきれ顔

そこだけ見るとそうじゃが、利益も出ておるでな。

ネットキャッシュのマイナスは、巨額の事業投資を借金で回す総合商社ではよくある形ではある。


ゆり | 真剣

Net DERは上がりましたが、会社の上限目処 0.6倍 の範囲内なのです。


やよい | あきれ顔

自己資本比率相当も低下したので、レバレッジの使い方は今後の確認点じゃな

項目前期比較前期当期
Net DER0.40倍0.49倍
自己資本比率相当43.6%39.1%

フリーCF

ようか | キョトン

フリーCFはどうなった?


やよい | あきれ顔

減ってはおるが、それでも 1兆円 超のフリーCFじゃ。

5期連続の黒字は維持しておるぞ。

項目前期比較前期当期
営業CF↓ -10.1%16,583億円14,900億円
投資CF↓ 支出拡大-2,739億円-4,486億円
フリーCF↓ -24.8%13,844億円10,415億円

フリーCF減少(-3,430億円)の内訳はこうじゃ。

  • 営業CF要因(主因): 税引前利益の減少に加え、法人所得税の支払増(-905億円)と受取配当の減少(-540億円)。
  • 投資CF要因: 有形固定資産の売却収入減(-1,519億円)と貸付金回収の減少(-1,903億円)、持分法投資の取得増
  • 相殺要因: 前期にあったローソン連結除外に伴う現金流出(約3,432億円)が消滅し、投資CFの悪化を一部相殺

ゆり | 無表情

補足です。

本文の設備投資の項には「重要な設備投資はありません」とあり、

当期の投資CF悪化は大型の新規案件というより、前期の売却・回収収入の反動が中心です。


やよい | 説明

資源権益は先にお金を使って、あとから配当で回収する商売ゆえ、

営業CFが厚いから投資を続けられるのじゃな。


ゆり | 無表情

稼ぐ現金は 1.5兆円 前後で安定したまま、株主還元は借りたお金で上乗せした一年だったのです。

現金は増えましたが、借入も増えましたので、実質の手元のお金はやや減ったのです。


4. 当期の注目ポイント: 数字の焦点

ようか | 泣きつく

ゆり姉ぇ~わたしにも分かるようにポイントまとめて~😢


ゆり | 微笑み

まとめてみました


▶ 収益は前期比 +1.6%、親会社帰属利益は -15.8%(8,005億円) で5年間の最低水準なのです。

▶ ただし減益の主因は有価証券売却益の剥落(-2,638億円)で、持分法投資損益は +38.6%(4,679億円) と回復しているのです。

▶ 手元の現金及び預金は +18.4%(1兆8,588億円) と増加しましたが、有利子負債が +21.9% 増え、ネットキャッシュは -4.6兆円 へ悪化したのです。

▶ フリーCFは -24.8%(1兆415億円) でも5期連続黒字、営業CFは5期連続で 1兆円 超なのです。

▶ 持分法投資損益 4,679億円 と受取配当 5,816億円 が柱の、ストック型寄りの収益構造なのです。

▶ 配当 4,060億円 に加え約 1兆円 の自社株買いで総還元性向 176%、資金を社債・借入で調達した点が当期最大の資本政策トピックなのです。


5. 5年推移の財務諸表まとめ: 高原からの正常化

ようか | 笑顔

前期との違いは分かったけど、ちょっと長いスパンで見るとどうなんだ!?


やよい | 説明

うむ、まずは稼ぐ力を見て行こう。


項目5年前4年前3年前2年前当期
売上高172,648215,720195,676186,176189,160
当期純利益9,37511,8079,6409,5078,005
営業利益7,1879,5246,6743,7114,186
営業利益率4.24.43.42.02.2

ゆり | 無表情

※ IFRSのため、いわゆる「営業利益」は開示されません

※ このグラフの「営業利益」枠には、売上総利益から販管費を引いた 営業利益相当 となります


やよい | 説明

ようか、ここから何を見る?


ようか | キョトン

右肩下がり…


やよい | あきれ顔

まぁそう見えるの。

じゃが、利益額でみると、4年前が一時的に大きく伸びて横ばいとも見れるのじゃ。


ようか | 泣きつく

でもでも、当期は下がってるじゃん!!


やよい | あきれ顔

先ほども触れたが、当期の減益 -1,503億円 のいちばんの理由は、

前期に大きかった有価証券の売却益がなくなったこと(-2,638億円)じゃ。


ようか | 笑顔

んじゃ大丈夫だな!!


ゆり | 無表情

しかし、親会社帰属純利益は、3期続けて下がっているのです。

税引前利益で見ると、ピークの 1兆6,806億円 から当期は 1兆961億円 まで落ちました。

項目3年前2年前当期
親会社帰属純利益9,640億円9,507億円8,005億円

ようか | 泣きつく

じゃあダメじゃん!!


やよい | あきれ顔

忙しいやつじゃな


ゆり | 無表情

商社は様々な収益の重なりですが、どう見るのがいいのですか?


やよい | 説明

ふむ。

商社の実力は純利益と持分法損益で見るのが良いと思うぞ

純利益は2023/3期に 1兆1,807億円 の過去最高圏を記録。

資源高と円安が主要因となる。

その後は確かに減益方向じゃな。


ゆり | 無表情

あとは、 持分法投資損益 ですか


やよい | 説明

持分法投資損益ピークは 5,002億円 から2年前に 3,375億円 に減少、

その後、 4,679億円 へ回復しておる。

どのセグメントが何億円、までは、有報の開示本文からは追い切れぬがな。


ようか | 笑顔

複雑!!


やよい | あきれ顔

まぁそうじゃな。

複数の収益の集合体である商社は単純な数字では見れぬな。


ゆり | 無表情

次にキャッシュの流れを見ていきましょう。


項目5年前4年前3年前2年前当期
現金及び預金17,03516,52313,45715,69818,588
現金及び預金の対資産率7.8%7.5%5.7%7.3%7.7%
ネットキャッシュ-55,320-49,053-43,409-37,695-46,491
ネットキャッシュ比率-94.0%-48.7%-34.1%-32.6%-26.8%
フリーCF8,88317,52711,41613,84410,415

やよい | 説明

営業CFは5年間ずっと 1兆円 超、で、

フリーCFも5期連続で約0.9兆〜1.8兆円の黒字じゃ。


ゆり | 無表情

利益が振れても、受取配当と利息が入ってくる商社の強みですね。


やよい | 説明

うむ。

ネットキャッシュのマイナス幅は -5.5兆円 から -3.8兆円 まで

4年かけて縮めてきたのに、当期は自社株買いの負債調達で -4.6兆円 へ逆戻りしておる。


ようか | 笑顔

冒頭のやつか!


ゆり | 無表情

4年かけた借金減らしを、1年の株主還元でひっくり返した、ということですか?


やよい | 自信あり

そういう見方もできるが、要するに方針を変えたのじゃ。

これまでは「稼いで借金を減らす」時期、当期からは「決めた枠の中で借りて還元と投資に回す」時期に切り替わったのじゃな。


ゆり | 微笑み

なるほど。理解できました。

さらに詳細に知りたい人向けに、財務諸表をまとめたので、必要な方は以下を見るといいのです。

▼ 財務諸表を見る

ゆり

詳細に知りたい人向けに、財務諸表まとめたのです。

IFRS連結ベースで、単位は億円なのです。

▼ BS(貸借対照表)

項目5年前4年前3年前2年前当期
現金及び預金17,03516,52313,45715,69818,588
流動資産95,31091,093116,76587,524101,717
有形固定資産27,84029,92026,92428,73034,992
総資産219,120221,529234,596214,961241,517
流動負債73,17866,94781,32158,83072,080
固定負債67,37063,33852,32754,58866,932
純資産78,57291,244100,948101,543102,506
自己資本比率31.4%36.4%38.6%43.6%39.1%

▼ PL(損益計算書)

項目5年前4年前3年前2年前当期
売上高(収益)172,648215,720195,676186,176189,160
売上原価151,140190,120172,079167,812172,609
売上総利益21,50825,60023,59718,36416,551
営業利益―(IFRSのため非開示)
親会社帰属純利益9,37511,8079,6409,5078,005

▼ CF(キャッシュ・フロー計算書)

項目5年前4年前3年前2年前当期
営業CF10,55819,30113,47416,58314,900
投資CF-1,676-1,775-2,058-2,739-4,486
財務CF-6,934-17,666-10,862-15,307-8,047
フリーCF8,88317,52711,41613,84410,415
現金増減+2,377+14-3,054+2,850+3,048
  • 現金及び預金はIFRSの「現金及び現金同等物」に定期預金を加えた値なのです。
  • 純資産は非支配持分を含む資本合計、自己資本比率は親会社所有者帰属持分比率なのです。
  • 固定負債は非流動負債(負債合計-流動負債)、売上原価は収益から売上総利益を差し引いた算出値なのです。
  • 現金増減は現金及び現金同等物の期末残高の前期差で、為替影響や売却目的保有資産への振替影響を含むのです。
  • 3年前(2024/3期)はローソンなどを「売却目的で保有する資産」へ組み替えた影響で、流動資産と流動負債が一時的に膨らんでいるのです。

6. 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性

やよい | 自信あり

ここまでを大まかにまとめよう。

ようか、最後にまとめるのじゃ。


ようか | 自信あり

減益って聞いてビビったけど、キャッシュは5年ずっと1兆円超えで、配当も5年連続で増えてる!

冒頭の1兆円自社株買いは、無茶じゃなくて設計された攻めだったんだな!


やよい | 説明

うむ。ただし設計どおりに進むかは、これからの答え合わせじゃ。

来期以降の確認ポイントはここじゃ

  • Net DER 0.49倍のまま、投資4.6兆円計画と還元を両立できるか? → 上限目処0.6倍までの余地は大きくない。営業CFが細れば、投資か還元のどちらかを絞る局面が来る。
  • 利益は8,000億円で底入れするか? → 有価証券売却益の剥落は一巡した。LNGカナダなど育ってきた権益が、次の利益の押し上げ役になれるかが焦点じゃ。
  • 4年かけた借金削減の逆戻りは、一度きりで済むか? → 毎年1兆円級の還元を負債で続ければ話は別じゃ。来期の自己株式取得の規模と調達方法を見るのじゃな。

ゆり | 微笑み

さらなる分析用は下を開いて見るのです。

分析用データを見る

指標まとめ(2026年3月期)

やよい: 単純な数値では測れぬが、バリュエーション指標としてはPEREBITDAROICあたりを、財務健全性は流動比率EBITDA/利息あたりを、株主還元余地は現金比率ネットキャッシュ比率を指標として見るとよいぞ。

指標算出値見方
PER22.3倍時価総額 ÷ 親会社帰属利益8,005億円。参考株価ベース、自己株式控除後は20.4倍
現金比率7.7%現金及び預金 ÷ 総資産
流動比率141.1%流動資産 ÷ 流動負債。短期の支払い余力
ネットキャッシュ-46,491億円現金及び預金-有利子負債(リース負債含む)
ネットキャッシュ比率-26.1%ネットキャッシュ ÷ 時価総額。マイナスは借入超過
EBITDA8,164億円営業利益相当(分析者算定)+減価償却費。参考定義
EBITDA/自己資本8.6%EBITDA ÷ 親会社所有者帰属持分
EBITDA/利息5.2倍利払い負担に対する稼ぐ力の余裕度
ROIC1.8%営業利益相当×0.7 ÷(自己資本+有利子負債)。持分法利益・受取配当を含まないため実態より低く見える参考定義
  • EBITDA・ROICは営業利益相当ベースの参考値で、三菱商事の利益の柱である持分法利益と受取配当を含まない
  • 資本効率は会社開示のROE(当期 8.5%)の方が実力に近いのです。

リスク

ようか: 有報からの抜粋だぜ!

  • 市場リスク: 原料炭・銅・LNGなどの商品市況、為替、金利、株価の変動が損益に直結
  • マクロ・地政学リスク: 米国の通商政策(関税)、中東情勢、中国景気の弱含みを当期から明示的に記載
  • 事業投資リスク: 豪州原料炭MDP(簿価1兆1,606億円)、チリ銅アングロスール、ペルー銅ケジャベコ、LNGカナダなど大型権益の減損・戻入が利益変動の主要因
  • カントリーリスク・信用リスク: 世界中の取引先と投資先に伴う回収不能・接収などの可能性
  • 気候変動・危機事象: 脱炭素の移行リスクと、自然災害や地政学有事などの物理的リスク

株主還元

ゆり: 株主還元だけを見ての投資はダメですが、長期で買う前提の場合は現在値を知っておきましょう。

項目
発行済株式総数4,028,926,353株
自己株式(自己保有割合)341,040,934株(8.46%)
1株当たり配当(分割調整後)110円(5年連続増配、5年で2.2倍)
配当利回り(参考)2.5%
配当性向(調整後EPS比)52.2%
総還元性向(配当+自己株式取得)176.0%
  • 別途、役員報酬BIP信託と株式付与ESOP信託の保有分(合計約0.65%)を連結上自己株式として認識しているのです。
  • 方針は経営戦略2027で「累進配当の維持+機動的な自己株式取得」と明示されているのです。
  • 当期は公開買付けを含め318,397,611株・約 1兆円 の自己株式を取得し、2026年4月30日付で全株消却済みなのです。
  • 受取配当(営業CF内で約5,816億円)というストック型の現金収入が、配当総額4,060億円を上回る還元原資になっているのです。

7. 補足: データの読み方と注意点

  • 本記事の株価は記事作成時点の参考株価(4,429円、2026年7月2日)を使用しています。時価総額・PER・配当利回り・ネットキャッシュ比率はこの株価に基づく参考値です。
  • 三菱商事はIFRS適用のため連結損益計算書に「営業利益」区分がなく、本文とグラフの「営業利益」枠は売上総利益から販管費を差し引いた分析者算定の「営業利益相当」です。
  • 5年推移表のネットキャッシュ比率は、各期の有報提出日の終値と当時の発行済株式総数から算出した「各期の時価総額」で、各期のネットキャッシュを割った参考値です(終値: 2022-06-24 3,959円/2023-06-23 7,001円/2024-06-21 3,046円/2025-06-18 2,878.5円/2026-06-12 4,683円)。
  • 指標まとめのネットキャッシュ比率は記事作成時点の時価総額に基づくため、5年推移表の当期値とは基準が異なります。
  • 有利子負債は社債及び借入金にリース負債を加えた値、ネットキャッシュは現金及び預金(定期預金含む)から有利子負債を差し引いた値です。
  • 2024年1月1日付の1:3株式分割に伴い、1株当たり配当・EPS・発行済株式総数は分割調整後の値で統一しています。
  • 2024/3期は売却目的保有資産への組替、2025/3期はローソンの連結除外があり、売上総利益や流動資産・負債などは5期で同一範囲の比較ではありません。
  • 営業CF・投資CFの増減要因は、CF計算書の明細からの分析者推定を含みます。
  • 財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります
  • 本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(2025年度、2026年6月12日提出)をもとに作成した情報整理記事です。
  • 特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。