参考株価と時価総額
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 前提 | 記事作成時点の参考株価で算出。2026年7月1日効力の1:4株式分割後の株価と分割後換算の株式数を使用 |
| 株価 | 1,565.5円 |
| 発行済株式総数 | 4,845,706,668株 |
| 時価総額 | 75,859.5億円 |
最高益で現金も急増 ―― 住友商事2026年3月期
| 項目 | 前期 | 当期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 親会社帰属利益 | 5,619億円 | 6,003億円 | +6.8% |
| 現金及び現金同等物 | 5,706億円 | 10,054億円 | +76.2% |
| ネットキャッシュ | -31,937億円 | -36,737億円 | 悪化 |
ようか | 笑顔
住友商事、2期連続で過去最高益 らしいよ!!
しかも現金が +76.2% って、お財布パンパンじゃん!!
やよい | 自信あり
うむ、利益も現金も過去最高クラスじゃ。
じゃが表の一番下を見てみい。
ようか | キョトン
ネットキャッシュ……悪化?
現金が増えたのに、悪化?
やよい | 説明
そこがこの決算の面白いところでな。
現金が膨らんだのに、借金を引いた本当の手元のお金は、むしろ減っておるのじゃ。
ようか | 驚き
どういうこと!?
気になるから詳しく見せて!!
目次
- 会社概要: 9セグメントの総合商社
- 収益構造: 投資して伸ばす商社モデル
- 前期からの変化: 現金は増えた、借金も増えた
- 当期の注目ポイント: 数字の焦点
- 5年推移の財務諸表まとめ: 最高益と膨らむネットデット
- 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性
- 補足: データの読み方と注意点
1. 会社概要: 9セグメントの総合商社
ようか | 笑顔
住友商事かぁ、商社ってのは知ってる!
やよい姉! 解説よろしく!!
やよい | 自信あり
うむ! わらわが解説してやるぞ。
住友商事は鉄鋼から不動産、メディアまで手がける総合商社じゃ。
いまの稼ぎ方は、トレードの利ざやだけではないぞ。
リースや不動産、通信インフラといった事業投資からの収益が柱になっておる。
ゆり | 無表情
まとめたのです
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 主力事業 | 鉄鋼・自動車・輸送機・建機・資源などのトレードと事業投資 |
| その他事業 | 都市総合開発、CATV・通信(JCOM等)、システム運用(SCSK)、食品スーパーなど |
| 収益形態 | 9セグメントのグローバル連結。市況型トレードとストック型事業のミックス |
| 開示区分 | IFRS(連結)。連結子会社327社・持分法適用会社192社 |
やよい | 説明
注目は組織の変化じゃな。
2026年4月に「デジタル・AIグループ」を新設し、SCSKを完全子会社化した。
米国の航空機リース会社の買収も2026年4月に完了しておる。
デジタルとリースへ大きく踏み込んだ形じゃ。
ようか | 驚き
商社なのにAIグループ!?
ついに商社もAIが自動で仕入れする時代か!?
やよい | あきれ顔
AIに商売をさせるわけではないわ。
システム運用やリースのような、毎年安定して稼げる事業を増やしておるのじゃ。
ゆり | 微笑み
商品を右から左へ流すだけでなく、継続的に収益が入る事業へ投資する会社になりつつあるのです。
中期経営計画では成長8分野へ経営資源を重点配分すると明示していますね。
2. 収益構造: 投資して伸ばす商社モデル
ゆり | 無表情
収益に対する企業姿勢はどうなのでしょう?
やよい | 説明
うむ。よい指摘じゃ。
有報には「SCSKの完全子会社化や米国航空機リース会社の株式取得」など、
強みを更に強くする投資を実行したとある。
ゆり | 真剣
強気の買いですね
やよい | 自信あり
売る方も進めておるぞ。
政策保有株式やニッケル事業などの売却も実行しており、
資産を入れ替えながら投資で伸ばす姿勢が明確じゃ。
ようか | 笑顔
買ったり売ったり忙しいな!
ゆり | 微笑み
伸びる分野へ資金を寄せて、重荷になった事業は手放す、ということですね。
やよい | 説明
うむ。そうじゃな。
SBUという事業単位ごとにROICとWACCを管理し、
ポートフォリオの質を上げる仕組みも入れておるらしい。
※ ROIC(Return on Invested Capital=投下資本利益率) = 事業に投じたお金に対して、何%の利益を生んだかという指標
※ WACC(Weighted Average Cost of Capital=加重平均資本コスト) = その元手を調達するのにかかっているコスト
ゆり | 無表情
今後は大型投資したSCSKと航空機リースが、
計画どおり利益貢献するかを見ていく必要があるのです。
3. 前期からの変化: 現金は増えた、借金も増えた
売上と利益
ようか | 笑顔
売上と利益はどうなったのー?
ゆり | 無表情
並べるのです。
| 項目 | 前期比較 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|---|
| 収益 | ↑ +0.6% | 72,921億円 | 73,373億円 |
| 売上総利益 | ↑ +4.5% | 14,448億円 | 15,097億円 |
| 売上総利益率 | ↑ | 19.8% | 20.6% |
| 親会社帰属利益 | ↑ +6.8% | 5,619億円 | 6,003億円 |
IFRSのため営業利益の開示はなく、売上総利益と親会社帰属利益で見ているのです。
ようか | 焦り
な、7兆円とか、もうお金の桁がバグってて数えられないよ!
やよい | あきれ顔
桁で騒ぐでない。
収益は +452億円(+0.6%) の小幅増収じゃが、
親会社帰属利益は +385億円(+6.8%) 増えて2期連続の過去最高益じゃ。
ようか | 驚き
え、売上 +0.6% に対して、最終利益が +385億円で +6.8% !?
何があった!?
やよい | 説明
源泉は売上総利益、つまり粗利じゃ。 +649億円 も増えておる。
売る量はほぼ同じでも、利ざやの厚い商売が増えたということじゃな。
ゆり | 無表情
有報の経営方針でも、デジタルやリースなど成長8分野の利益成長が
前年度比プラス150億円 と明示されているのです。
やよい | 説明
セグメント別の細かい内訳までは追い切れぬがな。
利ざやの厚い事業が伸びておる話は、後でまた出てくるぞ。
現金とネットキャッシュ
ようか | 驚き
で、冒頭の謎!
現金が +76.2% も増えたのに、本当の手元のお金は減ってるって、どういうこと!?
やよい | 説明
では、そこを説明しよう。
現金と一緒に、借金も見てみよ。
| 項目 | 前期比較 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|---|
| 現金及び現金同等物 | ↑ +76.2% | 5,706億円 | 10,054億円 |
| 現金比率(対総資産) | ↑ | 5.0% | 7.6% |
| 有利子負債 | ↑ +24.4% | 37,836億円 | 47,066億円 |
| ネットキャッシュ | ↓ 悪化 | -31,937億円 | -36,737億円 |
ようか | 驚き
借金が 1兆円近く増えてる!!
現金より借金の方が増えてるじゃん!
やよい | 説明
そういうことじゃ。
有利子負債の増加は、SCSK完全子会社化など大型投資の資金を借入で調達したためじゃ。
ネットキャッシュのマイナス、つまりネットデットは商社の宿命じゃの。
ゆり | 真剣
会社計画では2028年度末までの3年間で、
財務健全性を大型投資前の水準へ戻すのを明示しているのです。
やよい | 説明
巨額のトレードと事業投資を、借りたお金で回す業種じゃから
単純な額や比率だけで良し悪しは決められぬ。
じゃが、会社が示すように、財務回復が今後の確認点じゃな。
フリーCF
ようか | キョトン
フリーキャッシュ、自由に使えるお小遣いなら、わたしにも分けてほしい
やよい | あきれ顔
ようかに渡しても消えるだけじゃろ。
フリーCFとは本業で稼いだ現金から投資分を引いた残りであり、
当期はこれが跳ね上がったのじゃ。
| 項目 | 前期比較 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|---|
| 営業CF | ↑ +32.9% | 6,123億円 | 8,135億円 |
| 投資CF | ↑ 支出66%減 | -4,614億円 | -1,559億円 |
| フリーCF | ↑ +335.8% | 1,509億円 | 6,576億円 |
ようか | 驚き
さ、+335.8%!?
4倍以上になってるじゃん!
やよい | 説明
フリーCF急増の内訳はこうじゃ。
- 営業CF要因: 営業債務(仕入債務等)の増加が +4,640億円 と最大の押し上げ。利益成長も +413億円 寄与(分析者推定)
- 投資CF要因: 前期にあった大型の子会社取得支出が剥落し +2,494億円 の改善
- 相殺要因: 営業債権の増加 -1,703億円 が一部打ち消し
やよい | 真剣
ひとつ注意があるぞ。
当期最大の投資であるSCSK完全子会社化は、
既存子会社の少数持分取得のため財務CFに計上されておる(-7,542億円)
ゆり | 無表情
投資したのに、投資CFに載らないことがあるのですね
やよい | 真剣
トレード中心の商社は、設備投資が比例して増えなくても運転資金が膨らむ構造じゃ。
ただ当期は、投資先などからの配当受取も 2,037億円 あったので、
現金を回収する力はしっかりある状態じゃな。
ようか | キョトン
(もう、よくわからん)
ゆり | 無表情
まとめると、営業CF過去最高と投資支出減でフリーCFが急増したのです
やよい | 真剣
最大の投資は財務CF側にある、というのは数字を見るうえで注意じゃな
4. 当期の注目ポイント: 数字の焦点
ようか | 泣きつく
ゆり姉ぇ~わたしにも分かるようにポイントまとめて~😢
ゆり | 微笑み
まとめてみました
▶ 収益は前期比 +0.6% の小幅増収でしたが、売上総利益率は 19.8%→20.6% へ改善したのです。
▶ 親会社帰属利益は +6.8%(6,003億円) で、2期連続の過去最高益なのです。
▶ 手元資金は +76.2%(10,054億円) と急増しましたが、借入による調達も含まれるのです。
▶ フリーCFは +335.8%(6,576億円) に増加、主因は営業債務増による営業CF過去最高なのです。
▶ SCSK完全子会社化(7,542億円)が当期最大のイベントで、自己資本比率は 40.0%→33.9% へ低下したのです。
▶ リース・不動産・CATV・システム運用など、ストック型収益の比重が高まりつつあるのです。
5. 5年推移の財務諸表まとめ: 最高益と膨らむネットデット
ようか | 笑顔
前期との違いは分かったけど、ちょっと長いスパンで見るとどうなんだ!?
やよい | 説明
うむ、まずは稼ぐ力を見て行こう。
| 項目 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 54,950 | 68,179 | 69,103 | 72,921 | 73,373 |
| 当期純利益 | 4,637 | 5,653 | 3,864 | 5,619 | 6,003 |
| 営業利益 | 5,900 | 7,229 | 5,276 | 6,956 | 7,020 |
| 営業利益率 | 10.7 | 10.6 | 7.6 | 9.5 | 9.6 |
ゆり | 無表情
※ 住友商事はIFRSのため、いわゆる「営業利益」は開示されません。
※ このグラフの「営業利益」枠には、本業の稼ぎに近い 税引前利益 を持ってきているのです
やよい | 自信あり
ようか、ここから何を見る?
ようか | 笑顔
毎年コツコツ伸びたんだねー。えらい!
やよい | 説明
ふむ
売上高は5年で 5.50兆円→7.34兆円、約 1.84兆(+33%) 増えた。
ゆり | 無表情
しかし、増えた分のうち 約+1.3兆円 は、
2023/3期の1年に集中しているのです。
ようか | 驚き
1年で1兆!?
やよい | 説明
資源高と円安が主因じゃな。
じゃが、利益に関して表の「3年前」を見てみい。
ようか | 驚き
すげー減ってる!!
ゆり | 真剣
2024/3期の純利益は前期比 -1,789億円 の3,864億円まで落ち込んだのです。
ROEも 16.2%→9.4% へ低下したのです。
やよい | 説明
資源分野では、マダガスカルのニッケル事業の再構築が課題に挙がっておった。
ようか | キョトン
マダガスカル…… って、どこ?
やよい | あきれ顔
アフリカ沖の島国。
そこでの鉱山事業、アンバトビーニッケルプロジェクトのことじゃ。
ようか | キョトン
なんか大変だったのか?
やよい | あきれ顔
うむ。単純に撤退して減損じゃ。
減損額の内訳までは開示データに無いゆえ断定はできぬが、
この事業は2026年5月に全持分の譲渡契約を結び、撤退が決まっておる。
ゆり | 微笑み
その後は2期連続で最高益を更新し、
売上総利益率も 18.4%→20.6% へ一貫して改善しているのです。
ようか | 自信あり
なるほど分かった!
つまり、また資源が爆上がりするのを祈ればいいんだ!
やよい | あきれ顔
祈りは戦略とは呼べぬな。
むしろ見るべきは、市況頼みの利益から、
リースや不動産のような毎年安定して入る稼ぎへ、中身が変わりつつあるところじゃ。
ゆり | 真剣
有報の記載では、デジタル・リース・不動産など成長8分野の基礎的収益が、
2023〜2026年度平均で +11% 成長の見込みなのです。
先ほども触れた2025年度の 前年度比+150億円 も、この成長8分野の利益成長です。
ようか | キョトン
つまり……資源の一発逆転じゃなくて、
毎年ちょっとずつ増える貯金みたいなやつ?
やよい | 微笑み
うむ、感覚は近いのう。
セグメント別の利益額までは開示情報からは追い切れぬが、
売上総利益率が 18.4%→20.6% と毎期良くなっておるのも、この流れと合っておるな。
ゆり | 真剣
次はキャッシュの流れを見ていくのです。
| 項目 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 7,338 | 6,569 | 6,679 | 5,706 | 10,054 |
| 現金及び預金の対資産率 | 7.8% | 6.6% | 6.1% | 5.0% | 7.6% |
| ネットキャッシュ | -27,552 | -29,805 | -30,156 | -31,937 | -36,737 |
| ネットキャッシュ比率 | -121.9% | -79.2% | -64.3% | -71.9% | -49.1% |
| フリーCF | 2,431 | 1,413 | 3,896 | 1,509 | 6,576 |
やよい | 説明
営業CFは5年で 1,941億円→8,135億円 と約4倍になった。
ようか | 笑顔
4倍!? 順風満帆じゃん!
やよい | 説明
いや、前半2年はむしろ苦しかったのじゃ。
ゆり、当時の中身を。
ゆり | 真剣
2023/3期は、棚卸資産と営業債権の増加だけで 約2,743億円 の現金が出ていったのです。
ようか | 驚き
え!? 1兆円も売上が増えた年なのに、現金が食われてたの!?
やよい | 説明
そこが商社の泣き所でな。
資源高で商品も売掛金も値上がりし、運転資金が膨らむ。
利益のわりに現金が残らなかったのじゃ。
2024/3期以降は6,000億円超が定着し、当期は過去最高じゃな。
しかしネットキャッシュは大型投資の借入で -3.67兆円 までマイナス幅が広がっておる。
ゆり | 真剣
ネットキャッシュは5年間ずっとマイナス側に増え続けているのです。
やよい | 自信あり
つまり手元の現金には、借りて積み上げた分も混ざっておるということじゃ。
だからこそ会社も、2028年度末までに財務健全性を投資前の水準へ戻すと宣言しておるわけじゃな。
ようか | キョトン
あれ?でもネットキャッシュ比率は、だんだん浅くなってない?
やよい | 説明
株価が5年で 1,805.5円 から 6,259円 へ上がり、分母の会社の値段が大きく膨らんだからじゃ。
借金の額は増えたが、会社の値段と比べた重さでは軽くなった、という見え方じゃな。
ゆり | 微笑み
なるほど。理解できました。
さらに詳細に知りたい人向けに、財務諸表をまとめたので、必要な方は以下を見るといいのです。
▼ 財務諸表を見る
ゆり
詳細に知りたい人向けに、財務諸表まとめたのです。
IFRS連結ベースで、単位は億円なのです。
▼ BS(貸借対照表)
| 項目 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 7,338 | 6,569 | 6,679 | 5,706 | 10,054 |
| 流動資産 | 46,455 | 48,730 | 52,357 | 50,741 | 66,357 |
| 有形固定資産 | 10,237 | 10,463 | 11,520 | 12,326 | 12,733 |
| 総資産 | 95,822 | 101,063 | 110,326 | 116,312 | 136,383 |
| 流動負債 | 30,768 | 29,652 | 31,406 | 32,616 | 48,256 |
| 固定負債 | 31,241 | 31,636 | 32,197 | 34,840 | 40,776 |
| 純資産 | 33,813 | 39,775 | 46,723 | 48,856 | 47,352 |
| 自己資本比率 | 33.4% | 37.4% | 40.3% | 40.0% | 33.9% |
▼ PL(損益計算書)
| 項目 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高(収益) | 54,950 | 68,179 | 69,103 | 72,921 | 73,373 |
| 売上原価 | 44,854 | 55,831 | 55,678 | 58,473 | 58,276 |
| 売上総利益 | 10,096 | 12,348 | 13,425 | 14,448 | 15,097 |
| 営業利益 | ―(IFRSのため非開示) | ― | ― | ― | ― |
| 親会社帰属純利益 | 4,637 | 5,653 | 3,864 | 5,619 | 6,003 |
▼ CF(キャッシュ・フロー計算書)
| 項目 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業CF | 1,941 | 2,328 | 6,089 | 6,123 | 8,135 |
| 投資CF | 490 | -915 | -2,192 | -4,614 | -1,559 |
| 財務CF | -1,399 | -2,505 | -4,155 | -2,474 | -2,525 |
| フリーCF | 2,431 | 1,413 | 3,896 | 1,509 | 6,576 |
| 現金増減(期末残高の前期差) | +1,348 | -770 | +110 | -973 | +4,348 |
- 純資産は非支配持分を含む資本合計、自己資本比率は親会社所有者帰属持分比率なのです。
- 固定負債は非流動負債(負債合計-流動負債)なのです。
- 売上原価は収益から売上総利益を差し引いた算出値なのです。
6. 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性
やよい | 自信あり
ここまでを大まかにまとめよう。
ようか、最後にまとめるのじゃ。
ようか | 自信あり
利益もフリーCFも過去最高で、SCSKと航空機リースっていう新しいエンジンも積んだ!
あとは投資がちゃんと利益になって、借金を計画どおり返していけるかが見どころだな!
やよい | 説明
うむ。来期以降の確認ポイントじゃ
- SCSKと航空機リースは計画どおり利益貢献するか? → 借入で買った以上、利益とCFで回収できなければ財務の重さだけが残る。
- 自己資本比率33.9%は2028年度末までに回復軌道へ乗るか? → 会社自身が宣言した計画であり、還元と投資の配分にも直結する。
- 営業CF8,135億円の押し上げ役だった営業債務増は続くか? → 運転資金が味方する状況は反転もある。来期の営業CFの水準が試金石じゃ。
ゆり | 微笑み
さらなる分析用は下を開いて見るのです。
分析用データを見る
指標まとめ(2026年3月期)
やよい: 単純な数値では測れぬが、バリュエーション指標としてはPERやEBITDAやROICあたりを、財務健全性は流動比率やEBITDA/利息あたりを、株主還元余地は現金比率やネットキャッシュ比率を指標として見るとよいぞ。
| 指標 | 算出値 | 見方 |
|---|---|---|
| PER | 12.6倍 | 時価総額 ÷ 親会社帰属利益6,003億円。参考株価ベース |
| 現金比率 | 7.6% | (現金及び現金同等物+定期預金)÷ 総資産 |
| 流動比率 | 137.5% | 流動資産 ÷ 流動負債。短期の支払い余力 |
| ネットキャッシュ | -36,737億円 | 現金同等物+定期預金+有価証券-有利子負債(リース負債含む) |
| ネットキャッシュ比率 | -48.4% | ネットキャッシュ ÷ 時価総額。マイナスはネットデット |
| EBITDA | 10,049億円 | 税引前利益+支払利息+減価償却費等(営業利益非開示のための参考定義) |
| EBITDA/自己資本 | 21.7% | EBITDA ÷ 親会社所有者帰属持分 |
| EBITDA/利息 | 13.3倍 | 利払い負担に対する稼ぐ力の余裕度 |
| ROIC | 5.3% | 税引前利益×0.7 ÷(親会社持分+有利子負債)。参考定義 |
リスク
ようか: 有報からの抜粋だぜ!
- 信用・商品市況・カントリー・金利為替・株式市場・固定資産価値下落など15分類でリスクを管理: 「損失を被る可能性」と「リターンが予想から外れる可能性」の両面で定義
- 中東情勢・ホルムズ海峡の航行困難化: 当期の経営環境記述の前面に登場し、2026年度計画に**-300億円**のバッファーを設定と明示
- 米国関税措置: 通商政策の変化による事業環境への影響に言及
- 事業投資リスク: 過去の大型投資の損失要因を分析した投資案件選定指針を2021年に設定。2024/3期にはニッケル事業等の減損が実際に発生し、アンバトビーニッケルは2026年5月に全持分の譲渡契約を締結
- 資金流動性・情報セキュリティ・自然災害など: 集中リスクとあわせてタイプ別に管理
株主還元
ゆり: 株主還元だけを見ての投資はダメですが、長期で買う前提の場合は現在値を知っておきましょう。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 発行済株式総数(分割前) | 1,211,426,667株 |
| 自己株式(自己保有割合) | 18,766,168株(1.55%) |
| 1株当たり配当(分割前ベース) | 150円(5期連続増配) |
| 配当利回り(参考) | 2.40% |
| 総還元性向(当期実績・概算) | 約43% |
- 方針は累進配当+総還元性向40%以上なのです。
- 自己株式取得は2023/3期以降毎年実施し、当期は800億円の取得と消却を行い、翌期も追加800億円枠を決定済みなのです。
- 2026年7月1日効力で1株→4株の株式分割を実施し、2026年度は分割後40円(分割前換算160円)への増配を予定しているのです。
7. 補足: データの読み方と注意点
-
本記事の株価は記事作成時点の参考株価(1,565.5円、2026年7月1日効力の1:4株式分割後)を使用しています。時価総額・PER・配当利回りは分割後換算の株式数で調整しています。
-
5年推移表のネットキャッシュ比率は、各期の有報提出日の終値と当時の発行済株式総数から算出した各期の時価総額に基づく参考値です(終値: 2022-06-24 1,805.5円/2023-06-23 3,060円/2024-06-21 3,836円/2025-06-18 3,670円/2026-06-12 6,259円、いずれも分割前の当時の株式数と組み合わせ)。指標まとめのネットキャッシュ比率は記事作成時点の時価総額に基づくため、5年推移表とは基準が異なります。
-
住友商事はIFRS適用のため連結損益計算書に「営業利益」区分がなく、売上総利益・税引前利益で代替しています。グラフの「営業利益」枠は税引前利益です。
-
連結の収益・利益は有価証券報告書の連結経営指標等から、BS・CFはEDINETのXBRLデータから取得しています。2023/3期の総資産等は当初開示値のため、会計基準改訂の遡及適用後の値と僅差があります。
-
営業CF・投資CFの増減要因は、CF計算書の明細からの分析者推定を含みます。
-
財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります
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本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第158期、2026年6月12日提出)をもとに作成した情報整理記事です。
-
特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。