決算分析

東リ株式会社
2026-03期 有報5年推移分析

公開日: 2026/07/11

利益増の裏でフリーCFが反転 | 有価証券報告書 2026年3月期

参考株価と時価総額

項目
前提2026-06-26 時点の参考株価。提出日現在の発行済株式総数で算出
株価664円
発行済株式総数60,129,249株
時価総額399.3億円

フリーCF マイナスから、一年でプラス47億円 ―― 東リ2026年3月期

提出日:2026-06-12 / 会計期:2026年3月期

項目前期当期前期比
フリーCF△23.0億円47.6億円黒字転換

ようか | 笑顔

お、東リ、フリーCFが黒転して、今期 +47.6億円 って

+70億円じゃん!!


やよい | あきれ顔

利益も伸びておるぞ。

項目前期当期前期比
営業利益(+率)43.8億円(4.1%)51.0億円(4.5%)+16.5%

しかし、キャッシュは利益の伸びより、ずっと大きく動いておる。


ようか | キョトン

あれ、利益額でみると前期から +7憶 か。

もっと伸びてるのかと思った。


やよい | 自信あり

その差がどこから来たのか。

順に見ていくぞ。


目次

  • 会社概要: 稼ぎ方をひと目で確認
  • 収益構造: 採算改善への姿勢
  • 前期からの変化: 直近の動き
  • 当期の注目ポイント: 数字の焦点
  • 5年推移の財務諸表まとめ: 山谷を確認
  • 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性
  • 補足: データの読み方と注意点

1. 会社概要: 床も壁も手がける内装材メーカー

ようか | 笑顔

東リかぁ、なんか材料の会社だっけー?

やよい姉! 解説よろしく!!

やよい | あきれ顔

まったくしょうがないの。

東リは、床材・壁装材・カーペットなどインテリア内装材の製造販売が本業じゃ。

新築や改修の物件にあわせて、内装材を売る稼ぎ方じゃな。

ゆり | 無表情

まとめたのです

区分内容
主力商品床材・壁装材・カーペット等のインテリア内装材
その他商品建材・住設機器の仕入販売、産業資材用途の製品
収益形態物件単位で内装材を販売するフロー型
開示区分「インテリア」「グローバル」「建材その他」の3区分

ようか | 自信あり

床も壁も全部おまかせって、内装のプロって感じだな!

やよい | 説明

うむ。

当期から報告セグメントを3区分へ変えておる。

国内のインテリア事業を軸に、海外向けのグローバル事業、建材その他を並べた構成じゃ。

ゆり | 微笑み

事業区分の見直しは、ポートフォリオ戦略を分かりやすく見せる狙いと思われるのです。

2. 収益構造: 値づけで採算を立て直す

ゆり | 真剣

この会社は、収益をどう伸ばそうとしているのでしょう。

やよい | 説明

よい質問じゃ。

「採算重視で利益率を立て直す」というのが東リの姿勢じゃな。

報告書では価格改定の浸透と、階層別の価格管理を進めて利益率を引き上げてきておる。

ゆり | 無表情

実際、営業利益は5年前の 8.8億円(利益率 1.0%)から

当期 51.0億円4.5%)まで階段を上がっているのです。

需要回復に加えて、値づけの工夫で採算を改善してきた、ということですね。

やよい | 説明

うむ。

あとは原材料の石油化学品の市況や為替が、

改善した採算をどこまで保てるか。ここを見ていく必要があるな。

3. 前期からの変化: 利益はじわり、キャッシュは大きく

3-1. 売上高と営業利益: 採算改善が続いた

ようか | 笑顔

去年と比べて、儲けは増えたのか減ったのか、どっち!?

やよい | 説明

落ち着くがよい。

売上も営業利益もそろって増えておる。利益率も上がって、採算がさらに改善した年じゃ。

項目前期当期前期比較
売上高1,057.1億円1,123.4億円
営業利益43.8億円51.0億円
営業利益率4.1%4.5%
親会社純利益35.6億円45.1億円

ゆり | 無表情

営業利益は前期比 +16.5% です。

会社の中期目標だった営業利益50億円を、当期に達成したのです。

ようか | 笑顔

何が +7.2億円 も押し上げたんだ!?

ゆり | 無表情

増収で売上総利益が積み増され、粗利率も上がったのです。

項目前期当期前期比較
売上総利益306.6億円336.1億円
粗利率29.0%29.9%

やよい | 説明

そこから販管費の増加 +22.3億円(262.8億円→285.1億円)を差し引いた残りが、増益 +7.2億円 じゃ。

粗利率の上昇が値上げによるものか数量によるものかの内訳までは、開示情報からは追い切れぬがな。

3-2. 現金とネットキャッシュ: 手元が回復した

ようか | 驚き

手元のお金はどうなったの!?

やよい | 説明

現金もネットキャッシュも、そろって増えておる。

前期に減った手元資金が、当期はしっかり戻ったのじゃ。

項目前期当期前期比較
現金及び預金82.1億円101.1億円
現金の対資産率8.7%10.1%
ネットキャッシュ124.8億円158.4億円
ネットキャッシュ比率31.3%39.7%

ゆり | 真剣

ネットキャッシュは5期で最大の 158.4億円 で、実質無借金に近い財務基盤です。

ただ、内装材は一定の運転資金を使う業種なので、率だけで良し悪しは決められないのです。

3-3. フリーCF: 冒頭の「振れ幅」の正体

ようか | キョトン

で、最初に騒いだフリーCFが 当期 +47.6億円 へ大きく反転した件だけど…

やよい | 説明

うむ

理由は明確で 営業CFの急増で持ち直したのじゃ。

項目前期当期前期比較
営業CF24.7億円91.2億円
投資CF△47.7億円△43.5億円
フリーCF△23.0億円47.6億円

ゆり | 無表情

中身はこうです

  • 営業CF要因: 前期に膨らんだ売上債権・棚卸資産の運転資金が当期に一巡し、営業CFが +66.5億円 増加(主因)
  • 投資CF要因: 設備投資は続けつつ、支出が前期より 4.2億円 落ち着いた(補助要因)
  • 相殺要因: 配当増額や借入返済で財務CFは △28.6億円 の流出超になった

ようか | キョトン

運転資金が一巡して、営業CFが大きく戻った、と

ゆり | 無表情

非資金費用の減価償却費 32.3億円 も、営業CFを底支えしています。

やよい | 説明

後で5年推移を見るのじゃ

4. 当期の注目ポイント

ようか | 泣きつく

ゆり姉ぇ~わたしにも分かるようにポイントまとめて~

ゆり | 微笑み

まとめてみました


▶ 売上高は前期比 +6.3% の増加。営業利益は +16.5%(51.0億円) へ伸びたのです。

▶ 手元の現金及び預金は前期比 +23.1% と回復したのです。

▶ フリーCFは前期の △23.0億円 から +47.6億円 へ反転したのです。

▶ 反転の主因は、運転資金の一巡による営業CFの急増なのです。

▶ ネットキャッシュ比率は 39.7% で、財務安全性はむしろ厚くなったのです。


5. 5年推移の財務諸表まとめ: 山谷を確認

ようか | 笑顔

前期との違いは分かったけど、もっと長いスパンで見るとどうなんだ!?

やよい | 説明

うむ、まずは稼ぐ力から見ていこう。


項目5年前4年前3年前2年前当期
売上高8859521,0251,0571,123
当期純利益726373645
営業利益935504451
営業利益率1.03.74.94.14.5

やよい | 自信あり

ようか、ここから何を見る?

ようか | 自信あり

利益がずっと右肩上がりってことだな!

やよい | あきれ顔

5年の変化をみるとそうじゃな

ゆり | 無表情

しかしここ直近の利益は横ばいにも見えるのです

やよい | 説明

うむ

売上は5期連続で伸びてはおるが、利益は年度ごとに上下する点は押さえておくのじゃ。

やよい | 得意顔

次はキャッシュの流れを追っていくぞ。


項目5年前4年前3年前2年前当期
現金及び預金103.497.596.382.1101.1
現金の対資産率12.911.510.68.710.1
ネットキャッシュ120.4117.9134.2124.8158.4
ネットキャッシュ比率30.229.533.631.339.7
フリーCF9.53.213.9-23.047.6

ゆり | 無表情

フリーCFは前期だけマイナスですね

やよい | 説明

うむ。先ほども触れたが、前期は運転資金の積み増しで現金回収が遅れた年じゃ。

当期はそれが一巡し、稼いだ現金がきちんと残るかたちへ戻ったのじゃ。

ゆり | 真剣

ネットキャッシュも積み増して、今後に注目ですね

ゆり | 微笑み

さらに詳しく知りたい方は、以下に財務諸表をまとめたので見てみてください。

▼ 財務諸表を見る

ゆり

詳細に知りたい人向けに、財務諸表まとめたのです。

▼ BS(貸借対照表)

項目5年前4年前3年前2年前当期
現金及び預金103.497.596.382.1101.1
流動資産468.4506.8529.3527.3540.8
有形固定資産221.2230.4246.1268.6287.0
総資産799.8847.9908.5940.6996.4
流動負債293.5317.3340.7327.6342.4
固定負債123.4121.7110.2129.2132.1
純資産382.9408.9457.6483.8521.9
自己資本比率45.144.944.845.244.4

▼ PL(損益計算書)

項目5年前4年前3年前2年前当期
売上高885.1952.31,024.71,057.11,123.4
売上原価643.9680.5725.5750.5787.3
売上総利益241.2271.8299.1306.6336.1
営業利益8.835.349.843.851.0
親会社帰属純利益7.325.737.435.645.1

▼ CF(キャッシュ・フロー)

項目5年前4年前3年前2年前当期
営業CF49.636.052.924.791.2
投資CF△40.2△32.8△38.9△47.7△43.5
財務CF△10.6△9.3△15.78.4△28.6
フリーCF9.53.213.9△23.047.6
現金増減△0.8△6.0△1.3△14.319.8

(注)自己資本比率は株主資本ベースの概算です。各期の連結値で表記しています。

6. 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性

やよい | 自信あり

ここまでを大まかにまとめよう。

ようか、最後にまとめるのじゃ。

ようか | 自信あり

採算もよくなって、お財布もしっかり厚くなった年ってことだな!

やよい | 説明

リスクもしっかり見て投資するのじゃぞ!!

ようか | 笑顔

おー!

やよい | あきれ顔

ゆり | 無表情

さらに細かい指標は、下を開いて見るのです。

分析用データを見る

指標まとめ(2026年3月期)

やよい: 単純な数値では測れぬが、バリュエーション指標としてはPEREBITDAROICあたりを、財務健全性は短期返済比率EBITDA/利息あたりを、株主還元余地は現金比率ネットキャッシュ比率を指標として見るとよいぞ。

指標算出値見方
PER8.8倍時価総額 ÷ 親会社純利益。利益に対する株価水準
現金比率10.1%現金及び預金 ÷ 総資産。手元現金の厚み
ネットキャッシュ158.4億円現金及び預金 − 有利子負債
ネットキャッシュ比率39.7%ネットキャッシュ ÷ 時価総額
EBITDA83.3億円営業利益 + 減価償却費等。本業の現金稼得力
EBITDA/自己資本18.8%EBITDA ÷ 自己資本
EBITDA/利息63.1倍EBITDA ÷ 支払利息。利払い余力
ROIC8.1%営業利益×0.7 ÷ 投下資本。資本の使い方の効率

リスク

ようか: 有報からの抜粋だぜ!。

  • 経営成績の下期偏重: 年度末竣工物件の受注などで、下半期に売上・利益が偏る傾向がある(当期は営業利益の72.6%が下半期)。
  • 原材料の調達環境の変化: 原材料の多くが石油化学製品で、原油市況や為替の影響を受ける。製造コスト上昇や供給調整のリスク。
  • 販売価格の動向: 他社製品との競合が激しく、市場価格の下落や販売量の減少が売上・利益を圧迫するリスク。階層別の価格管理で対応。
  • 貸倒れリスク: 重要取引先の破綻時に貸倒損失が拡大する可能性。与信管理制度で取引限度額を設定。
  • 研究開発: 新素材・新加工技術の基礎研究の成果が不確実で、競争力ある新製品を開発できない可能性。

株主還元

ゆり: 株主還元だけを見ての投資はダメですが、長期で買う前提の場合は現在値を知っておきましょう。

  • 発行済株式総数: 60,129,249株(提出日現在)
  • 自己保有割合: 本素材では未取得のため記載していません
  • 1株当たり配当: 年間34円(中間10円+期末24円。期末は2026年6月17日の定時株主総会で決議予定)
  • 配当利回り(参考): 約5.12%(参考株価664円ベース)
  • 配当総額: 概ね19.4億円規模(中間582百万円+期末1,361百万円)

7. 補足: データの読み方と注意点

参考株価は本記事作成時点(2026-06-26)の 664円 を使用しています。

時価総額や株価依存の指標は、この株価を前提とした参考値です。

ネットキャッシュは現金及び預金に有価証券等を含めたベースで算出しており、有利子負債の明細補完は行っていません。

自己株式数・自己保有割合は素材データで未取得です。

財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります。

本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第162期、2026年6月12日)をもとに作成した情報整理記事です。

特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。