参考株価と時価総額
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 前提 | 2026-09-19 時点の参考株価。提出日現在の発行済株式総数で算出 |
| 株価 | 3,625円 |
| 発行済株式総数 | 13,282,000株 |
| 時価総額 | 481.5億円 |
会社を買ったら、自分の株がついてきた ―― スズデン2026年3月期を読む
提出日:2026-06-22 / 会計期:2026年3月期
| 項目 | 前期 | 当期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 466.32億円 | 459.02億円 | ▲1.6% |
| 営業利益 | 24.23億円 | 20.72億円 | ▲14.5% |
| フリーCF | 39.14億円 | ▲4.55億円 | - |
ようか | 驚き
フリーCFがマイナス!?
売上はほとんど変わってないのに!?
やよい | 説明
大きな原因のひとつは、ある会社を1社まるごと買ったことじゃ。
ようか | キョトン
会社を買ったの?
どんな会社?
やよい | 自信あり
それがのぅ。
中を開けてみたら、スズデン自身の株が入っておった。
ようか | 驚き
自分の株!?
どういうこと!?
やよい | 説明
順番に見ていくぞ。
目次
- 会社概要: 工場向け電機部品の商社
- 収益構造: 成長市場へ絞り込む姿勢
- 前期からの変化: 子会社経由で自社株を消却!?
- 当期の注目ポイント: 減益とベル社取得の中身
- 5年推移の財務諸表まとめ: ピーク後の減収と配当
- 指標まとめ: 稼ぐ力と還元の現在地
- 補足: データの読み方と注意点
1. 会社概要: 工場向け電機部品の商社
ようか | 笑顔
スズデンかぁ。
鈴を電気で鳴らす何かを売ってる会社だっけー?
やよい姉! 解説よろしく!!
やよい | あきれ顔
鈴は関係ない。
1952年に鈴木電業として東京で設立された、電機部品の商社じゃ。
ようか | キョトン
商社って、部品屋さんってこと?
やよい | 説明
ざっくり言えばそうじゃ。
オムロンやパナソニックなどのメーカーから部品や機器を仕入れて、国内の工場へ届けておる。
半導体を作る装置のメーカーも、大事なお客さんじゃな。
ゆり | 無表情
まとめたのです。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 主力商品 | 電機・電子部品販売事業。FA機器(工場の自動化に使う制御機器など)、情報・通信機器、電子デバイス機器、電設資材(分電盤・配線器具など)を仕入れて販売 |
| その他商品 | 製造事業。大和工場(宮城県)で半導体製造装置向けアルミフレームの組立など。ほかにオリジナルブランド「Ubon」、通販サイト「FAUbon」 |
| 収益形態 | 部品・機器をその都度販売するフロー型が中心。顧客の設備投資と生産量に連動 |
| 開示区分 | 日本基準の連結。当社と子会社1社の構成で、事業区分は電機・電子部品販売事業と製造事業 |
| 主な取引先 | 最大顧客は東京エレクトロングループ(当期売上の22.2%)。主要仕入先はオムロン |
ようか | 驚き
売上の2割ちょっとが1つのグループ!?
そのお客さんがくしゃみしたら大変じゃん!
やよい | 微笑み
くしゃみで済めばよいがのぅ。
顧客の話は、後の5年推移で見るとしよう。
ゆり | 無表情
当期は子会社にも動きがあったのです。
2025年7月にベル株式会社の全株式を取得し、2026年1月に吸収合併しています。
中身は、前期からの変化のところで確認しますね。
2. 収益構造: 成長市場へ絞り込む姿勢
ゆり | 無表情
会社は、どのお客さんに力を入れるつもりなのでしょう?
やよい | 自信あり
うむ、よい問いじゃ。
会社は有報で、半導体製造装置や電子部品のお客さんに力を集中すると書いておる。
医療機器や介護の現場向けも、長く力を入れてきた市場として挙げておるな。
ようか | 笑顔
半導体と医療ね!
やよい | 説明
もうひとつ、スマート工場づくりの提案にも力を入れると書いておる。
ようか | キョトン
スマート工場?
工場が頭よくなるの?
やよい | 説明
まあ近い。
ロボットやセンサーで工場のデータを集めて、人手不足や品質管理に役立てる工場のことじゃ。
スズデンは機器を売るだけでなく、機器選びからデータの活用まで提案する部署を置いておる。
ゆり | 無表情
設備投資の金額も並べてみたのです。
| 項目 | 2022/3期 | 2023/3期 | 2024/3期 | 2025/3期 | 2026/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 設備投資総額(億円) | 8.99 | 8.58 | 0.77 | 0.49 | 0.16 |
ようか | 驚き
最後の年、ほぼゼロじゃん!
やよい | 説明
2023/3期までに、大和工場の増設と松本事業所の建設を終えたからじゃ。
当期の 0.16億円 も、主なものは通販サイトの作り直しの費用じゃな。
ようか | キョトン
そんなに使わなくて大丈夫なの?
やよい | 自信あり
商社は大きな工場がいらぬぶん、少ない投資でも売上を伸ばせる形をしておる。
ゆり | 無表情
工場への大きな投資は済ませて、あとは売る先を半導体と医療に絞っていく、ということですか?
やよい | 自信あり
うむ、そういうことじゃ。
会社は当期の有報で、生成AI向けの半導体や最先端メモリへの投資が広がり、
受注の環境は良くなると見ておる。
その見立てどおり受注が戻るかは、見ておきたいところじゃな。
3. 前期からの変化: 子会社経由で自社株を消却!?
売上・利益はどう動いた?
ようか | 笑顔
去年と比べて、売上と利益はどうだったの?
部品が飛ぶように出ていった感じ!?
やよい | あきれ顔
飛んではおらん。
表にしたから見るのじゃ。
| 項目 | 前期比較 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ↓ | 466.32億円 | 459.02億円 |
| 売上総利益率 | ↓ | 16.74% | 16.29% |
| 販売費及び一般管理費 | ↑ | 53.84億円 | 54.04億円 |
| 営業利益 | ↓ | 24.23億円 | 20.72億円 |
| 営業利益率 | ↓ | 5.20% | 4.51% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | ↓ | 17.90億円 | 17.23億円 |
ようか | キョトン
売上はちょっとしか減ってないのに、営業利益はけっこう減ってない?
ゆり | 無表情
営業利益の減少 3.51億円 を分けてみたのです。
| 要因 | 金額 | 中身 |
|---|---|---|
| 売上の減少 | 約▲1.2億円 | 売上高が7.29億円減った分の粗利の減少 |
| 粗利率の低下 | 約▲2.1億円 | 売上総利益率が16.74%から16.29%へ下がった分 |
| 販管費の増加 | ▲0.2億円 | 53.84億円から54.04億円へ |
| 合計 | ▲3.5億円 | 営業利益24.23億円 → 20.72億円 |
やよい | 説明
売上の減り方より、粗利率が下がった影響のほうが大きかったのじゃ。
ようか | キョトン
なんで粗利率が下がったの?
やよい | 説明
そこは、今回確認できた開示の範囲では説明が見当たらぬ。
どの商品で下がったかまでは、追い切れんのじゃ。
ゆり | 無表情
利益の減り方を並べたのです。
| 項目 | 前期比 |
|---|---|
| 営業利益 | ▲14.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | ▲3.7% |
純利益の減り方が小さいのは、特別利益が 2.24億円 あったからです。
内訳は、投資有価証券の売却益 1.75億円 と、負ののれん発生益 0.49億円 なのです。
ようか | 泣きつく
負ののれん……全然わからん!
やよい | 微笑み
会社を、その会社が持つ中身より安い値段で買えたときに出る利益じゃ。
今回はベル株式会社を取得したときに出ておる。
ベル社の話は、このあとフリーCFのところで詳しく見るぞ。
手元資金とネットキャッシュは?
ようか | 笑顔
じゃあ現金はどう?
利益は出てるし、増えてるよね!?
やよい | 説明
そう単純ではない。
これも表で見るのじゃ。
| 項目 | 前期比較 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | ↓ | 81.26億円 | 68.31億円 |
| 現金及び預金の対資産率 | ↓ | 27.92% | 24.09% |
| 有利子負債 | ↑ | 7.22億円 | 12.61億円 |
| ネットキャッシュ | ↓ | 74.04億円 | 55.71億円 |
| ネットキャッシュ比率(提出日終値ベース) | ↓ | 28.92% | 18.67% |
| 自己資本比率 | ↓ | 64.2% | 59.1% |
ようか | 驚き
現金が減ってるのに、借金が増えてる!?
ピンチじゃん!!
ゆり | 無表情
有利子負債の増加は、短期借入金 10.00億円 の新規実行によるものなのです。
銀行2行との借入枠 53億円 のうち、10億円 を使った形です。
長期借入金は返済が進み、1年内返済分を含めて 6.37億円 → 2.01億円 に減っているのです。
ようか | キョトン
で、ネットキャッシュってなんだっけ?
やよい | 説明
現金から借金を引いた、正味の現金のことじゃ。
これがプラスなら、借金を全部返しても現金が残る。
当期も 55.71億円 のプラスで、ピンチと呼ぶ水準ではないのじゃ。
ゆり | 無表情
現金が減った流れを並べたのです。
| 区分 | 当期の金額 | 主な中身 |
|---|---|---|
| 営業CF | +15.28億円 | 本業で入ってきた現金 |
| 投資CF | ▲19.83億円 | ベル株式会社の取得による支出22.98億円が中心 |
| 財務CF | ▲8.43億円 | 配当金の支払い13.81億円、長期借入金の返済4.36億円、短期借入れ+10.00億円など |
| 為替による差額 | +0.03億円 | |
| 現金の増減 | ▲12.95億円 |
やよい | 自信あり
つまり、ベル社の取得と配当で出ていった現金が、本業で入った現金より多かったのじゃ。
その差の一部を、短期の借入で埋めた形じゃな。
ようか | キョトン
借金して大丈夫なの?
やよい | 説明
スズデンは大きな工場を抱える商売ではないから、もともと借金に頼る必要が薄い。
自己資本比率も 59.1% あって、財務の余裕は十分残っておる。
フリーCFはどうなった?
ようか | 笑顔
フリーCFってやつは!?
やよい | 説明
ここが、当期いちばん動いたところじゃ。
冒頭の表を、もう少し細かく見るぞ。
| 項目 | 前期比較 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|---|
| 営業CF | ↓ | 39.45億円 | 15.28億円 |
| 投資CF | ↓ | ▲0.30億円 | ▲19.83億円 |
| フリーCF | ↓ | 39.14億円 | ▲4.55億円 |
| 財務CF | ↑ | ▲19.61億円 | ▲8.43億円 |
ようか | 驚き
やっぱりフリーCFがマイナス!!
これってもう倒産!?
やよい | あきれ顔
落ち着け。
フリーCFは、本業で稼いだ現金から投資に使った現金を引いた残りじゃ。
1年マイナスになっただけで、倒産はせん。
ようか | 泣きつく
よかったぁ……。
やよい | 説明
減り方 43.69億円 の中身を、営業CFと投資CFに分けて見るのじゃ。
ゆり | 無表情
まずは営業CFの減少 24.17億円 の内訳なのです。
| 要因(前年差) | 金額 | 中身 |
|---|---|---|
| 売上債権の増減 | ▲15.13億円 | 前期は10.39億円の減少(回収で現金が入る側)、当期は4.74億円の増加 |
| 法人税等の支払額 | ▲3.79億円 | 5.98億円 → 9.77億円 |
| 棚卸資産の増減 | ▲2.21億円 | 当期は在庫が2.73億円増加 |
| その他 | ▲3.04億円 | 投資有価証券売却益の控除、税引前利益の減少、消費税等の増減など |
| 合計 | ▲24.17億円 | 営業CF 39.45億円 → 15.28億円 |
ようか | 泣きつく
売上債権ってなに?
借金の仲間?
やよい | 説明
逆じゃ。
物は渡したが、代金をまだもらっておらん「ツケ」のことじゃ。
ツケが増えると、売上は立っても現金はまだ入ってこない。
ゆり | 無表情
当期は売掛金が 69.5億円 → 77.2億円 に増えています。
ようか | 驚き
そのぶん、現金がまだ来てないんだ!
ゆり | 無表情
法人税の支払いが増えた理由は、会社の説明が見当たらないのです。
前期末の未払法人税等は 5.31億円 で、前々期末の 1.82億円 より多かったのです。
この支払いが、当期にずれ込んだのですか?
やよい | 説明
わらわの見立てじゃが、そう考えるのが自然じゃろう。
前期に積んだ未払いの税金を、当期に払ったぶんが上乗せされたのじゃ。
ゆり | 無表情
次に、投資CFの当期の中身なのです。
| 項目 | 当期の金額 | 中身 |
|---|---|---|
| 子会社株式の取得による支出 | ▲22.98億円 | ベル株式会社の取得。同社が持っていた現金を差し引いた純額 |
| 投資有価証券の売却による収入 | +2.89億円 | 前期は0.43億円 |
| 敷金及び保証金の回収による収入 | +0.60億円 | |
| 設備投資(有形・無形) | ▲0.16億円 | 通販サイトのリニューアルなど |
| その他 | ▲0.16億円 | 投資有価証券の取得など |
| 合計 | ▲19.83億円 | 開示どおりの合計。端数処理のため内訳の合計と0.02億円ずれる |
ようか | キョトン
ベル株式会社って、鐘を作ってる会社?
やよい | 説明
鐘でも鈴でもない。
有報の注記と自己株式の開示を突き合わせると、
ベル社の資産は、ほぼ現金と「スズデン自身の株」だったとみられる。
ゆり | 無表情
注記の数字を抜き出したのです。
| 項目 | 金額 | 中身 |
|---|---|---|
| ベル社株式の取得価額 | 42.93億円 | 全株式の取得額。ベル社の資産を含めた総額 |
| ベル社が持っていた現金及び現金同等物 | 19.94億円 | 取得時に連結へ取り込み、支出から差し引き |
| ベル社が持っていたスズデン株式 | 23.33億円 | 1,370,600株。合併で自己株式として承継 |
| スズデンの実際の支出(純額) | 22.98億円 | 投資CFの子会社株式の取得による支出 |
ようか | 驚き
冒頭で言ってたやつだ!
自分の会社の株を持ってる会社を買ったってこと!? ややこしっ!
やよい | 自信あり
うむ、しかもその株は2026年1月5日に全部消しておる。
ようか | キョトン
消した!?
やよい | 説明
ここからは、わらわの見立てじゃが。
実際に出ていった 22.98億円 は、承継した株の 23.33億円 とほぼ同じ額じゃ。
中身は、自社株を約23億円ぶん取得して消したのに近い形じゃな。
ゆり | 真剣
会社は「自己株式の取得」ではなく、「吸収合併による承継」として開示しているのです。
自社株の取得と同じとみるのは、あくまで取引の中身から推し量った見方ですね。
ようか | キョトン
株を消すと、何かいいことあるの?
やよい | 微笑み
株の数が減るから、1株あたりの利益の取り分が増えるのじゃ。
発行済株式は 14,652,600株 → 13,282,000株 になった。
ざっくり1割近く減った計算じゃな。
ゆり | 無表情
設備投資は当期 0.16億円 で、投資CFの悪化にはほとんど関わっていないのです。
ベル社の取得を除いて計算すると、フリーCFは 18.43億円 のプラスです。
4. 当期の注目ポイント: 減益とベル社取得の中身
ようか | 泣きつく
ゆり姉ぇ~わたしにも分かるようにポイントまとめて~😢
ゆり | 微笑み
まとめてみました
▶ 売上高は ▲1.6%(459.02億円) とほぼ横ばいでしたが、営業利益は ▲14.5%(20.72億円) なのです。減益 3.51億円 のうち約 2.1億円 は、売上総利益率が 16.74% → 16.29% へ下がった影響なのです。
▶ 現金及び預金は ▲15.9%(81.26億円 → 68.31億円) なのです。ベル株式会社の取得による支出 22.98億円 と配当金の支払い 13.81億円 が主な流出で、短期借入 10.00億円 を実行しているのです。
▶ フリーCFは 39.14億円 → ▲4.55億円 なのです。減少 43.69億円 のうち、営業CFの減少が 24.17億円、投資CFの悪化が 19.52億円 なのです。営業CF側の最大の要因は売上債権の増減 ▲15.13億円、投資CF側はベル社の取得 22.98億円 なのです。
▶ ネットキャッシュは 74.04億円 → 55.71億円 に減りましたが、プラスは保っているのです。参考株価 3,625円 で計算したネットキャッシュ比率は 11.57% で、時価総額の1割強にとどまるのです。
▶ 株主還元は配当性向 80% 基準を続け、年間配当は記念配当 7.5円 を含む 111.5円、配当性向(単体)は 86.6% なのです。加えてベル社から承継した当社株式 1,370,600株(発行済株式の 9.35%)を消却しているのです。配当総額 14.38億円 と承継株式 23.33億円 を合わせると 37.71億円 ですが、この合算は開示ではなく推し量った見方なのです。
▶ 事業は部品を都度販売するフロー型が中心で、ストック型収益の比率は小さいのです。
5. 5年推移の財務諸表まとめ: ピーク後の減収と配当
ようか | 笑顔
前期との違いは分かったけど、もっと長いスパンで見るとどうなんだ!?
やよい | 自信あり
うむ、まずは稼ぐ力から見ていこう。
| 項目 | 2022/3期 | 2023/3期 | 2024/3期 | 2025/3期 | 2026/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 597 | 674 | 509 | 466 | 459 |
| 当期純利益 | 23 | 33 | 21 | 18 | 17 |
| 営業利益 | 31 | 44 | 28 | 24 | 21 |
| 営業利益率 | 5.1% | 6.5% | 5.5% | 5.2% | 4.5% |
やよい | 説明
ようか、ここから何を見る?
ようか | 驚き
2023/3期だけドーンと高くて、そこから一気に下がってる!!
ゆり | 無表情
売上高を、東京エレクトロングループ向けとそれ以外に分けたのです。
| 項目(億円) | 2022/3期 | 2023/3期 | 2024/3期 | 2025/3期 | 2026/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京エレクトロングループ向け | 167.04 | 201.21 | 141.75 | 101.76 | 102.02 |
| それ以外 | 429.87 | 473.19 | 367.55 | 364.56 | 357.00 |
| 売上高 | 596.91 | 674.40 | 509.30 | 466.32 | 459.02 |
| 東京エレクトロングループ向けの構成比 | 28.0% | 29.8% | 27.8% | 21.8% | 22.2% |
やよい | 説明
2023/3期は、両方とも伸びておる。
当時の有報は、半導体製造装置のメーカーを中心に、
部品の納期が長くなって受注が高い水準で続いたと書いておった。
ようか | キョトン
納期が長いと、なんで注文が増えるの?
やよい | 説明
部品が手に入りにくい時期は、お客さんが先回りして多めに発注していたのじゃろう。
ようか | キョトン
じゃあ次の年にガクッと減ったのは?
やよい | 説明
その反動じゃ。
2024/3期の売上は 165.1億円 減って、うち東京エレクトロングループ向けが 59.5億円、
それ以外が 105.6億円 じゃ。
ようか | 驚き
お得意さん以外も、けっこう減ってる!
やよい | 説明
有報も、主要なお客さんのところで部品の在庫がまだ高い水準にあると書いておる。
多めに抱えた部品を使い切るまで、新しい注文が来なかったわけじゃな。
ゆり | 無表情
利益率の中身も並べたのです。
| 項目 | 2022/3期 | 2023/3期 | 2024/3期 | 2025/3期 | 2026/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上総利益率 | 15.3% | 16.0% | 16.2% | 16.7% | 16.3% |
| 販売費及び一般管理費(億円) | 60.9 | 64.1 | 54.5 | 53.8 | 54.0 |
| 販管費率 | 10.2% | 9.5% | 10.7% | 11.5% | 11.8% |
ようか | 泣きつく
販管費ってなに?
おいしいの?
やよい | 説明
食べ物ではない。
人件費や倉庫の家賃、荷物の運賃など、商品を売るために毎年かかる費用じゃ。
ようか | キョトン
それが、どうなったの?
やよい | 説明
2024/3期は給料と役員賞与を中心に 9.6億円 減らしたが、そこから先はほぼ 54億円 で止まっておる。
粗利率は上がったのに、売上が減ってこの費用の重さが増したから、営業利益率が下がったのじゃ。
ようか | 驚き
売上が減っても、かかるお金はあんまり減らないんだ!
やよい | 自信あり
そういうことじゃ。
さて、次はキャッシュの流れを追っていくぞ。
| 項目 | 2022/3期 | 2023/3期 | 2024/3期 | 2025/3期 | 2026/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 61.5 | 60.8 | 61.7 | 81.3 | 68.3 |
| 現金及び預金の対資産率 | 18.8% | 18.2% | 21.8% | 27.9% | 24.1% |
| ネットキャッシュ | 40.4 | 36.0 | 50.2 | 74.0 | 55.7 |
| ネットキャッシュ比率 | 14.4% | 11.0% | 17.4% | 28.9% | 18.7% |
| フリーCF | ▲2.7 | 20.0 | 38.2 | 39.1 | ▲4.6 |
ゆり | 無表情
フリーCFは2024/3期に 38.2億円 まで増えているのです。
この年は減益でしたが、フリーCFが増えたのは設備投資を減らしたから、ということですか?
やよい | 説明
そういう理解の仕方もあるが、設備投資の減少は 8.58億円 → 0.77億円 の約8億円ぶん。
それだけでは説明しきれぬ。
本質的には「ツケ」の回収じゃ。
ゆり | 無表情
2024/3期は、売上債権が 42.8億円 減っています。
売上が伸びた2022/3期は、売上債権が 40.4億円 増えて、フリーCFは ▲2.7億円 でした。
ようか | 驚き
売上が増えた年のほうが現金が入らないって、なんか逆っぽい!
やよい | 微笑み
商社はそうなりやすいのじゃ。
売上が伸びると、ツケと在庫が先に増えて、現金はあとから入る。
ようか | キョトン
じゃあ、また注文が増えたら?
やよい | 説明
わらわの見立てじゃが、会社の見込みどおり受注が戻ったときも、
現金の増え方は利益より遅れるかもしれぬ。
ゆり | 無表情
5期の合計を見ると、フリーCFは 90.1億円、配当の支払いは 87.8億円 なのです。
稼いだ現金の大部分が、配当として株主に回ってきた、ということですか?
やよい | 自信あり
うむ、そういうことじゃ。
現金をあまり貯め込まず、株主へ回す形を続けておる。
ようか | キョトン
注目ポイントに出てた配当性向ってのも、実はよく分かってないんだけど何?
やよい | 説明
利益のうち、どれだけを配当に回すかの割合じゃ。
スズデンは2023/3期の中間配当から、この割合 80% を配当総額の基準にしておる。
ゆり | 無表情
そのぶん配当は利益に合わせて動いていて、
1株配当は 122円 → 190円 → 120円 → 103円 → 111.5円 なのです。
ようか | 驚き
利益と一緒に、配当も上がったり下がったりするんだ!
ゆり | 微笑み
さらに詳しく知りたい人向けに、財務諸表をまとめました。
必要な方は以下を開いてください。
▼ 財務諸表を見る
ゆり
詳細に知りたい人向けに、財務諸表まとめたのです。
▼ BS(貸借対照表)
| 項目 | 2022/3期 | 2023/3期 | 2024/3期 | 2025/3期 | 2026/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 61.5 | 60.8 | 61.7 | 81.3 | 68.3 |
| 流動資産 | 269.0 | 271.8 | 223.4 | 233.7 | 229.3 |
| 有形固定資産 | 44.7 | 46.6 | 45.7 | 44.6 | 42.7 |
| 総資産 | 327.4 | 333.7 | 283.0 | 291.0 | 283.5 |
| 流動負債 | 139.3 | 132.7 | 80.3 | 90.8 | 105.0 |
| 固定負債 | 11.8 | 14.9 | 18.0 | 13.3 | 11.0 |
| 純資産 | 176.3 | 186.1 | 184.7 | 186.9 | 167.6 |
| 自己資本比率 | 53.8% | 55.8% | 65.3% | 64.2% | 59.1% |
▼ PL(損益計算書)
| 項目 | 2022/3期 | 2023/3期 | 2024/3期 | 2025/3期 | 2026/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 596.9 | 674.4 | 509.3 | 466.3 | 459.0 |
| 売上原価 | 505.5 | 566.3 | 426.9 | 388.2 | 384.3 |
| 売上総利益 | 91.4 | 108.1 | 82.4 | 78.1 | 74.8 |
| 営業利益 | 30.5 | 44.0 | 27.9 | 24.2 | 20.7 |
| 親会社帰属純利益 | 23.4 | 33.1 | 20.9 | 17.9 | 17.2 |
▼ CF(キャッシュ・フロー計算書)
| 項目 | 2022/3期 | 2023/3期 | 2024/3期 | 2025/3期 | 2026/3期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業CF | 4.3 | 29.0 | 37.9 | 39.4 | 15.3 |
| 投資CF | ▲7.0 | ▲9.0 | 0.3 | ▲0.3 | ▲19.8 |
| 財務CF | 5.0 | ▲20.9 | ▲37.4 | ▲19.6 | ▲8.4 |
| フリーCF | ▲2.7 | 20.0 | 38.2 | 39.1 | ▲4.6 |
| 現金増減 | 2.5 | ▲0.7 | 0.9 | 19.5 | ▲13.0 |
(連結・日本基準、単位は億円。自己資本比率は会社開示の値。現金増減は現金及び現金同等物の増減額で、為替換算差額を含む)
6. 指標まとめ: 稼ぐ力と還元の現在地
やよい | 自信あり
ここまでを、ざっくりまとめよう。
ようか、最後にまとめるのじゃ。
ようか | 自信あり
売上はピークから減ったけど、借金より現金のほうがずっと多いまま!
利益の大部分を配当で返す方針も続いてて、今年は自分の株まで消した!
半導体の受注が戻るって会社も言ってるし、ここからどう動くか見ていきたいな!
ゆり | 微笑み
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指標まとめ(2026年3月期)
やよい: 単純な数値では測れぬが、バリュエーション指標としてはPERやEBITDAやROICあたりを、財務健全性は流動比率やEBITDA/利息あたりを、株主還元余地は現金比率やネットキャッシュ比率を指標として見るとよいぞ。
| 指標 | 算出値 | 見方 |
|---|---|---|
| PER | 27.95倍 | 時価総額481.47億円 ÷ 親会社株主に帰属する当期純利益17.23億円。有報記載の期末株価ベースは13.2倍 |
| 現金比率 | 65.1% | 現金及び預金68.31億円 ÷ 流動負債104.96億円 |
| 流動比率 | 218.5% | 流動資産229.31億円 ÷ 流動負債104.96億円。5期では193.2%〜278.0% |
| ネットキャッシュ | 55.71億円 | 現金及び預金 − 有利子負債(借入金・リース債務)12.61億円 |
| ネットキャッシュ比率 | 11.57% | ネットキャッシュ55.71億円 ÷ 時価総額481.47億円(参考株価3,625円ベース) |
| EBITDA | 23.01億円 | 営業利益20.72億円 + 減価償却費2.29億円。5期では46.21億円(2023/3期)が最大 |
| EBITDA/自己資本 | 13.73% | EBITDA23.01億円 ÷ 自己資本167.59億円 |
| EBITDA/利息 | 263.0倍 | EBITDA23.01億円 ÷ 支払利息0.0875億円。利払い負担はごく小さい |
| ROIC | 8.16% | 営業利益×0.7 ÷(自己資本167.59億円 + 短期借入金10.00億円 + 長期借入金0.25億円)。5期では14.71%(2023/3期)が最大 |
リスク
ようか: 有報からの抜粋だぜ!
- 経営成績の変動: 民間設備投資、半導体製造装置関連、住宅着工・建設投資の動向に業績が左右される。5期を通じて最初に挙げられている。
- 特定顧客への依存: 東京エレクトロングループへの売上構成比は当期22.2%。同グループの生産計画が延期されると、在庫の一時的な増加や納入の後倒しが起こり得る。
- 在庫: 多品種の在庫を持つため、需要が急に変わると滞留在庫の評価減が生じ得る。2024/3期に新しく加わった項目。
- 売掛債権の回収: 取引先の倒産や財務悪化で、代金の回収が遅れたり、できなくなったりする可能性。当期に項目名が「売掛債権劣化の可能性」から「売掛債権の回収」に変わった。
- 特定仕入先への依存: オムロンの制御機器部門との販売店契約は毎年更新。変更や破棄があれば業績に一時的な影響が出る。
- 競争の激化: FA機器商社、メーカー系の販売会社、通信販売業者、電設資材商社と競合している。
- 規制の変更、商品の欠陥: 環境規制の対象物質を含む商品は取扱い停止の可能性。欠陥は原則メーカー対応だが、保険の範囲を超える賠償の可能性がある。
- 感染症・自然災害: 東京物流センターはワンフロアのため、感染が広がると事業が止まるおそれがある。
- 代表者への依存: 代表取締役会長CEOの鈴木敏雄氏への依存。5期を通じて記載されている。
株主還元
ゆり: 株主還元だけを見ての投資はダメですが、長期で買う前提の場合は現在値を知っておきましょう。
| 項目 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 発行済株式総数 | 13,282,000株 | 2026年1月5日に自己株式1,370,600株を消却し、14,652,600株から減少 |
| 自己株式数 | 380,007株 | 自己保有割合2.86%。株式給付信託(BBT)の221,528株を加えると4.53%相当 |
| 1株当たり年間配当 | 111.5円 | 中間36円 + 期末75.5円。期末に記念配当7.5円を含み、普通配当は104円 |
| 配当利回り | 3.08% | 参考株価3,625円ベース。普通配当のみでは2.87% |
| 配当性向(単体・会社開示) | 86.6% | 方針は「配当性向80%を配当総額の基準」。2023/3期の中間配当から、DOE3%+配当性向50%の方式を変更 |
| 配当の推移 | 122→190→120→103→111.5円 | 配当性向が基準のため、利益に合わせて増減している |
| 配当総額(決議ベース) | 14.38億円 | 中間4.64億円 + 期末9.74億円。CF上の配当金の支払額13.81億円とは支払時期のずれで一致しない |
| 自己株式の取得 | 該当なし | 取締役会決議による取得は無し。ベル株式会社の合併で1,370,600株(価額23.33億円)を承継し、全株消却 |
| 承継株式を含めた還元額 | 37.71億円 | 配当総額14.38億円 + 承継株式23.33億円。会社は「吸収合併による承継」と開示しており、合算は取引の中身から推し量った見方 |
| ストック型収益との関係 | 該当なし | 両事業とも都度販売のフロー型が中心。参考として配当総額14.38億円は売上高459.02億円の3.13%、営業利益20.72億円の69.4% |
| 大株主 | 上位10者で40.38% | 株式会社トレンド11.21%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)8.18%、株式会社タァーツ3.97%、鈴木敏雄氏3.30%など |
7. 補足: データの読み方と注意点
参考株価は本記事を作成した時点の値(3,625円、2026-09-19時点)を使用しています。時価総額・PER・配当利回り・注目ポイントと指標まとめのネットキャッシュ比率は、この株価を前提とした参考値で、自己株式は控除していません。有価証券報告書に記載された当期の株価収益率は13.2倍(期末株価ベース)で、参考株価は当期末の株価から大きく上昇した水準にあります。
5年推移表とグラフ、および前期比較の表のネットキャッシュ比率は、各期の有価証券報告書の提出日終値と、当時の提出日現在の発行済株式総数から算出した各期の時価総額に基づく参考値です(2022/3期: 1,911円×14,652,600株=280.01億円、2023/3期: 2,228円×14,652,600株=326.46億円、2024/3期: 1,963円×14,652,600株=287.63億円、2025/3期: 1,747円×14,652,600株=255.98億円、2026/3期: 2,247円×13,282,000株=298.45億円)。当期の注目ポイントと指標まとめのネットキャッシュ比率(11.57%)は記事作成時点の参考株価で算出しており、算出基準が異なるため、5年推移表の当期の値(18.7%)とは一致しません。
財務数値は連結・日本基準です。ネットキャッシュは現金及び預金から有利子負債(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金、リース債務)を差し引いた値です。有価証券は抽出した財務データに該当科目の行が無いため0円として扱い、投資有価証券は含めていません。表示している金額は端数処理後の値のため、表の数値同士の足し引きと0.01億円程度ずれることがあります。
東京エレクトロングループ向けの売上高は、各期の有価証券報告書「事業等のリスク」の開示値です。2023/3期と2024/3期は東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ向けを含み、他の期と集計範囲が少し異なります。
営業利益の減少を売上減少と粗利率低下に分けた金額は、損益計算書の数値から計算した概算です。粗利率が下がった理由や品目別の売上の増減は、今回確認できた開示の範囲では実額で追い切れないため、本記事では断定していません。
ベル株式会社の取得と合併、承継した当社株式の消却を「実質的な自社株の取得」とみる整理、および承継株式を配当と合算した還元額は、連結キャッシュ・フロー計算書の注記と自己株式の開示から推し量った推定を含みます。会社はこの取引を自己株式の取得ではなく、吸収合併による承継として開示しています。当期の法人税等の支払額が増えた理由も、前期末の未払法人税等から推し量った推定を含みます。
配当性向は会社が開示する単体ベースの値です。ROICの投下資本には1年内返済予定の長期借入金とリース債務を含めていません。
財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります。
本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第74期、2026年6月22日提出)をもとに作成した情報整理記事です。 特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。