参考株価と時価総額
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 前提 | 2026-06-26 時点の参考株価。提出日現在の発行済株式総数で算出 |
| 株価 | 1,027円 |
| 時価総額 | 841.8億円 |
利益が一気に戻った ―― 日本農薬2026年3月期
提出日:2026-06-12 / 会計期:2026年3月期
| 項目 | 前期 | 当期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 親会社純利益 | 24億円 | 69億円 | +183.4% |
| 営業CF | 104.0億円 | 45.3億円 | -56.4% |
| フリーCF | 100.5億円 | 26.8億円 | -73.4% |
ようか | 驚き
純利益が前期の3倍近くに増えてるのに、フリーCFは4分の1!?
利益が増えたら現金も増えるんじゃないの!?
やよい | あきれ顔
そう思いたくなるのもわかる。
じゃが、利益が出ることと、現金が手元に残ることは別じゃ。
ようか | キョトン
別……?
やよい | 自信あり
そこが当期の読みどころじゃ。
農薬の名門に何が起きたか、確かめていくぞ。
目次
- 会社概要: 稼ぎ方をひと目で確認
- 収益構造: 利益アップへ伸ばす姿勢
- 前期からの変化: 直近の動き
- 当期の注目ポイント: 数字の焦点
- 5年推移の財務諸表まとめ: 山谷を確認
- 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性
- 補足: データの読み方と注意点
1. 会社概要: 稼ぎ方をひと目で確認
ようか | 笑顔
日本農薬? 農薬を作っている会社?
やよい姉、解説よろしく!
やよい | あきれ顔
仕方のないやつじゃな。
日本農薬は、殺虫剤や除草剤などの農薬を作って売るのが本業じゃ。
国内の特約店やJA・全農を通じて売り、米国・インド・ブラジル・欧州にも販売拠点を構えておる。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 主力商品 | 殺虫剤・殺菌剤・除草剤・農薬原体などの農薬 |
| その他商品 | 医薬品、緑化・造園工事、不動産賃貸、残留農薬分析など |
| 収益形態 | 農薬の製造・販売を軸にした事業 |
| 開示区分 | 「殺虫剤」「殺菌剤」「除草剤」など農薬を中心としたセグメント |
ゆり | 無表情
海外にも工場があるようです
ようか | 自信あり
海外展開もしてるんだ!
やよい | 説明
うむ。
米国の 日農アメリカ (Nichino America) や ブラジルなど、
海外子会社が稼ぎの一角を担っておる。
当期は国内でコルテバ社製品の拡販などの販売権取得にも動いておるぞ。
ゆり | 微笑み
国内の成熟と海外の拡大、この2つを一緒に見るのが大切なのです。
2. 収益構造: 利益アップへ伸ばす姿勢
ゆり | 真剣
この会社は、稼ぎ方をどう伸ばそうとしているのでしょう?
やよい | 説明
よい問いじゃ。
ひとことで言えば「グローバル拡大で稼ぐ力を伸ばす」じゃな。
中期経営計画「Growing Global for Sustainability」を掲げ、
海外での販売拡大と新製品の取り込みを進めておる。
ゆり | 無表情
成熟した国内に頼らず、海外の成長を取りに行く姿勢ということですね。
やよい | 説明
うむ。
今後は 海外売上の伸び が、利益率とキャッシュ創出にどう効いてくるかを見ていく必要があるな。
3. 前期からの変化: 直近の動き
3-1. 売上高と営業利益
ようか | 笑顔
去年と比べて、儲けは増えたのか減ったのか、どっち!?
やよい | 説明
落ち着くがよい。
売上も営業利益も増益じゃ。
営業利益率も改善し、純利益は大きく伸びたのじゃ。
| 項目 | 前期 | 当期 | 前期比較 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,000億円 | 1,118億円 | ↑ |
| 営業利益 | 86億円 | 109億円 | ↑ |
| 営業利益率 | 8.58% | 9.73% | ↑ |
| 親会社純利益 | 24億円 | 69億円 | ↑ |
ゆり | 無表情
純利益は前期比 +183.4% と大きく伸びているのです。
前期に落ち込んだ反動も含まれているのです。
ようか | 驚き
前期って、何かあったの!?
ゆり | 真剣
前期は減損損失 と環境対策費 を中心に、特別損失 が膨らんだのです。
- 減損損失: 23.3億円
- 環境対策費: 19.8億円
- 特別損失: 46.7億円
- 為替差損: 29.4億円
やよい | 説明
営業利益は 85.8億円 出ておったのに、
最終利益は 24億円 まで削られたわけじゃな。
3-2. 現金とネットキャッシュ
ようか | 驚き
お財布の中身はどうなったの!?
やよい | 説明
現金は減り、ネットキャッシュも縮んだのじゃ。
ゆり | 無表情
まとめたのです
| 項目 | 前期 | 当期 | 前期比較 |
|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 233億円 | 203億円 | ↓ |
| 現金の対資産率 | 15.33% | 13.07% | ↓ |
| 有利子負債 | 53.3億円 | 59.2億円 | ↑ |
| ネットキャッシュ | 194.2億円 | 163.3億円 | ↓ |
| ネットキャッシュ比率 | 23.1% | 19.4% | ↓ |
- 財務CF: △77.8億円
- 借入・社債の純返済: 約 55億円
- 配当の支払い: 18.9億円
ようか | キョトン
株主還元と借金の圧縮をしたと
やよい | 微笑み
その通りじゃ。
3-3. フリーCF
ようか | キョトン
フリーCFって、結局いくら残ったの?
やよい | 説明
うむ、当期は 26.8億円 まで縮んだのじゃ。
前期の 100.5億円 から大きく減ったのう。
| 項目 | 前期 | 当期 | 前期比較 |
|---|---|---|---|
| 営業CF | 104.0億円 | 45.3億円 | ↓ |
| 投資CF | △3.5億円 | △18.5億円 | ↓ |
| フリーCF | 100.5億円 | 26.8億円 | ↓ |
フリーCF急減の中身はこうじゃ。
- 営業CF要因: 営業CFが 104.0億円 → 45.3億円 へ低下した(主因)
- 投資CF要因: 投資支出が △3.5億円 → △18.5億円 へ拡大した(補助要因)
- 相殺要因: 売上・利益自体は増益で、本業の稼ぎ自体は伸びている
ようか | 驚き
増益なのに営業CFが半分以下って、どういうこと!?
やよい | 説明
税引前利益は 45.6億円 から 94.7億円 へ増えておる。
減った主因は運転資本で、以下となる
- 仕入債務の支払い: -35.3億円
- 棚卸資産: -11.0億円 の積み増し
- 還付を差し引いた法人税等の支払い: 28.9億円
ゆり | 真剣
買掛金の支払いと税金で現金が出た、ということですね
やよい | 説明
利益計上と現金回収のタイミング差は、分けて見る必要があるということじゃな
4. 当期の注目ポイント
ようか | 泣きつく
ゆり姉ぇ~わたしにも分かるようにポイントまとめて~
ゆり | 微笑み
以下にまとめたのです
▶ 売上高は前期比 +11.9% の増収。営業利益率は 9.73% へ改善です。
▶ 親会社純利益は前期比 +183.4% と大きく回復です。
▶ 手元の現金及び預金は前期比 △13.2% と減少です。
▶ フリーCFは前期比 △73.4% と大きく縮小です。
▶ フリーCF縮小の主因は営業CFの低下で、投資支出の拡大も重なったのです。
▶ ネットキャッシュは 163.3億円 とプラス圏を維持です。
5. 5年推移の財務諸表まとめ: 山谷を確認
ようか | 笑顔
前期との違いは分かったけど、もっと長いスパンで見るとどうなんだ!?
やよい | 説明
うむ、まずは稼ぐ力からじゃ。
| 項目 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 819 | 1,021 | 1,030 | 1,000 | 1,118 |
| 当期純利益 | 47 | 51 | 46 | 24 | 69 |
| 営業利益 | 66 | 87 | 74 | 86 | 109 |
| 営業利益率 | 8.11 | 8.56 | 7.22 | 8.58 | 9.73 |
やよい | 自信あり
ようか、ここから何を見る?
ようか | 自信あり
当期が上振れたという事だな!
やよい | あきれ顔
そう単純ではないぞ。
ゆり | 無表情
営業利益率は7〜8%台を行き来して、当期は 9.73% まで上がっているのです。
やよい | 説明
うむ。
さらに、前期の純利益は 24億円 まで落ち込んでおるが、主因は先ほど述べた通りじゃ
当期はそこから 69億円 へ戻したので、回復+以前より利益率改善と見えるのじゃ。
ようか | 自信あり
いい流れかもな!
やよい | 説明
次はキャッシュを見よう。
| 項目 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 122 | 156 | 206 | 233 | 203 |
| 現金の対資産率 | 10.34 | 11.45 | 13.01 | 15.33 | 13.07 |
| ネットキャッシュ | +116 | +113 | +157 | +194 | +163 |
| ネットキャッシュ比率 | 13.8 | 13.4 | 18.7 | 23.1 | 19.4 |
| フリーCF | -38 | -33 | -52 | +101 | +27 |
ゆり | 無表情
フリーCFは前半3期がマイナスで、直近2期でプラスへ転じたているのです。
数年は投資が先行し、前期からようやく現金が残る形になった、ということですか?
やよい | 説明
うむ。そういうことじゃな。
しかし、当期はそのプラス幅が一段縮んでおる。
このフリーCFをどう安定させていくのか、ここは課題じゃな。
ゆり | 微笑み
なるほど。流れがつながりました。
詳しく知りたい人向けに財務諸表をまとめたので、必要な方は以下をどうぞ。
▼ 財務諸表を見る
ゆり
詳細に知りたい人向けに、財務諸表まとめたのです。
▼ BS(貸借対照表)
| 項目 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 122 | 156 | 206 | 233 | 203 |
| 流動資産 | 874 | 1,026 | 1,186 | 1,166 | 1,178 |
| 有形固定資産 | 148 | 153 | 160 | 161 | 171 |
| 総資産 | 1,182 | 1,367 | 1,580 | 1,522 | 1,550 |
| 流動負債 | 412 | 446 | 522 | 519 | 447 |
| 固定負債 | 101 | 190 | 254 | 209 | 232 |
| 純資産 | 670 | 731 | 804 | 794 | 871 |
| 自己資本比率 | 56.9 | 51.4 | 46.6 | 48.9 | 51.6 |
▼ PL(損益計算書)
| 項目 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 819 | 1,021 | 1,030 | 1,000 | 1,118 |
| 売上原価 | 562 | 715 | 731 | 667 | 738 |
| 売上総利益 | 257 | 306 | 299 | 332 | 381 |
| 営業利益 | 66 | 87 | 74 | 86 | 109 |
| 親会社帰属純利益 | 47 | 51 | 46 | 24 | 69 |
▼ CF(キャッシュ・フロー)
| 項目 | 5年前 | 4年前 | 3年前 | 2年前 | 当期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業CF | △30.8 | △19.2 | △3.4 | +104.0 | +45.3 |
| 投資CF | △7.1 | △13.4 | △48.1 | △3.5 | △18.5 |
| 財務CF | △25.6 | +61.7 | +98.3 | △69.4 | △77.8 |
| フリーCF | △37.9 | △32.6 | △51.5 | +100.5 | +26.8 |
| 現金増減 | △63.5 | +33.0 | +49.0 | +21.0 | △38.9 |
(注)各期の連結値で表記しています。一部は概算を含みます。
6. 指標まとめ: 稼ぐ力と安全性
やよい | 自信あり
ここまでを大まかにまとめよう。
- 売上は5期で 819億円→1,118億円 と着実に増え、営業利益率も 9.73% へ改善した
- 純利益は前期の谷から 69億円 へ回復した
- 営業CFは前期 104.0億円 から当期 45.3億円 へ低下した
- フリーCFは当期 26.8億円 まで縮み、現金は一段減った
ようか | 自信あり
売上も利益も伸びてるけど、現金の創出力に課題があるってことだな!
ゆり | 無表情
さらなる分析用は下を開いて見るのです。
分析用データを見る
指標まとめ(2026年3月期)
やよい: 単純な数値では測れぬが、バリュエーション指標としてはPERやEBITDAやROICあたりを、財務健全性は流動比率やEBITDA/利息あたりを、株主還元余地は現金比率やネットキャッシュ比率を指標として見るとよいぞ。
| 指標 | 算出値 | 見方 |
|---|---|---|
| PER | 約11.1倍 | 株価 ÷ 連結EPS。利益に対する株価水準 |
| 現金比率 | 13.1% | 現金及び預金 ÷ 総資産。手元現金の厚み |
| 流動比率 | 263.7% | 流動資産 ÷ 流動負債(流動負債 446.7億円) |
| ネットキャッシュ | 163.3億円 | 現金及び預金 − 有利子負債 |
| ネットキャッシュ比率 | 19.4% | ネットキャッシュ ÷ 時価総額 |
| EBITDA | 133.0億円 | 営業利益 + 減価償却費等。本業の現金稼得力 |
| EBITDA/自己資本 | 16.6% | EBITDA ÷ 自己資本 |
| EBITDA/利息 | 4.6倍 | EBITDA ÷ 支払利息。利払い余力 |
| ROIC | 8.9% | 営業利益×0.7 ÷ 投下資本。資本の使い方の効率 |
リスク
ようか: 有報からの抜粋だぜ!。
- 経済状況・農業情勢: 国内外の政治・経済情勢、農業情勢、天候、病害虫の発生、公的規制により直接・間接の影響を受ける。
- 原材料の調達: 農薬原体や原料の一部で購入先が特定地域に集中し、中国依存度が高い。法規制強化や操業事故で調達制約を受けるリスク。
- 原材料の価格変動: 原料・副原料の購入価格が市況・為替・原油やナフサ価格の影響を受ける。
- 為替の変動: 原材料の輸入や製品輸出、海外生産・販売があり、米ドル・インドルピー・ブラジルレアルの換算影響を受ける。
株主還元
ゆり: 株主還元だけを見ての投資はダメですが、長期で買う前提の場合は現在値を知っておきましょう。
- 1株当たり配当: 年間36円(中間12円+期末24円)
- 配当利回り(参考): 約3.5%(参考株価1,027円ベース)
- 配当方針: 累進配当を基本とし、配当性向40%を目安とする
7. 補足: データの読み方と注意点
参考株価は本記事作成時点(2026-06-26)の 1,027円 を使用しています。時価総額や株価依存の指標は、この株価を前提とした参考値です。
ネットキャッシュは現金及び預金から有利子負債を差し引いた値です。ネットキャッシュ比率は時価総額に対する割合で表記しています。
財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります。
本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第123期、2026年6月12日)をもとに作成した情報整理記事です。
特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。