決算分析

株式会社ZOZO
第28期 有報分析

公開日: 2026/06/09

増収増益でも投資と還元で現金は減少

株式会社ZOZO 2026年3月期

提出日:2026-06-08 / 会計期:2026年3月期

項目前期当期前期比
営業利益647.56億円693.66億円+7.1%
現金及び預金914.86億円694.16億円-24.1%
フリーCF538.29億円236.34億円-56.1%

ようか | 驚き

ちょっと待って! ZOZOって去年より儲かってるんだよね?

なのに手元の現金が220億円も減ってるって、どういうこと!?

やよい | あきれ顔

騒ぐでない。 儲けと手元の金は、別の話じゃ。

ようか | キョトン

別の話? 稼いだら現金は増えるんじゃないの?

やよい | 自信あり

フリーCFを見てみい。 前期の半分以下になっておるぞ。

ようか | 驚き

……利益は増えて、現金が減った。

なんでそうなるの!?

やよい | 含み笑い

ふむ、その答えは中で順に確かめていこうかの。


目次

  • 会社概要
  • 当期の財務諸表まとめ
  • 前期からの変化
  • 当期の注目ポイント
  • 収益構造
  • 手元資金と現金創出力
  • チェックポイント
  • 補足

会社概要

1. 会社概要:服を売る会社、ではない稼ぎ方

ようか | 笑顔

ZOZOかぁ、服をネットで買うところだよな! やよい姉!解説よろしく!!

やよい | 自信あり

うむ!わらわが解説してやるぞ。 ZOZOはファッションECを中心にした会社じゃ。 EC事業の単一セグメントで、ZOZOTOWNを軸に収益を得ておる。

ゆり | 通常

稼ぎ方を整理しておきました。

区分内容収益形態
ZOZOTOWN関連ファッションEC商品販売・受託販売
広告・販促ブランド向け広告など広告・手数料
物流・決済周辺EC運営基盤手数料・関連収益

ようか | 通常

へぇー、服を売るだけじゃないんだ。

やよい | 説明

そうじゃ。 会員、ブランド、物流、購買データが積み上がる構造じゃな。

ゆり | 通常

完全なストック型ではありませんが、反復利用に近い強さがありますね。

当期の財務諸表まとめ

2. 当期の財務諸表まとめ:損益とキャッシュが別の方向に動いた

ようか | 笑顔

やっぱり売上!キャッシュ!が重要だよな! 今期どうなったの!?

やよい | 説明

まずは、重要な数字を並べるのじゃ。

項目当期
売上高2,283.73億円
営業利益693.66億円
現金及び預金694.16億円
ネットキャッシュ494.16億円
フリーCF236.34億円

当期は売上も営業利益も増えておる。

ようか | 通常

売上も利益も増えてるのか!

いいね!

ゆり | 通常

営業CFは高水準なのです。

一方で投資と還元により、現金は減少したのです。

やよい | 説明

そこがこの決算の肝じゃな。

順に見ていくとしよう。

ゆり | 通常

詳細に知りたい人向けに、財務諸表まとめたのです。

▼財務諸表を見る

▼ BS(貸借対照表)

項目前期当期増減
現金及び預金914.86億円694.16億円-220.70億円
流動資産1,473.94億円1,303.14億円-170.80億円
有形固定資産254.47億円269.30億円+14.83億円
無形固定資産34.37億円285.89億円+251.52億円
総資産1,878.10億円1,982.60億円+104.50億円
流動負債798.28億円806.72億円+8.44億円
固定負債92.62億円107.97億円+15.35億円
純資産987.19億円1,067.89億円+80.70億円

▼ PL(損益計算書)

項目前期当期増減
売上高2,131.31億円2,283.73億円+152.42億円
売上総利益1,983.12億円2,130.00億円+146.88億円
営業利益647.56億円693.66億円+46.10億円
親会社株主に帰属する当期純利益453.46億円479.26億円+25.80億円

▼ CF(キャッシュ・フロー)

項目前期当期増減
営業CF601.14億円525.31億円-75.83億円
投資CF-62.85億円-288.97億円-226.12億円
財務CF-320.81億円-458.30億円-137.49億円
フリーCF538.29億円236.34億円-301.95億円

前期からの変化

3. 前期からの変化:稼ぐ力は伸び、現金は出ていった

ようか | 驚き

増収増益なのに現金は減ってるのは結局なんで!?

やよい | 説明

子会社株式取得、配当、自己株式取得で資金が出ておる。

ようか | キョトン

子会社を買って、配当して、自分の株も買い戻した……?

やよい | 自信あり

うむ。 攻めと還元を同時にやったということじゃ。

ゆり | 通常

表で並べると、向きの違いがはっきりします。

項目前期当期前期比較
売上高2,131.31億円2,283.73億円
営業利益647.56億円693.66億円
現金及び預金914.86億円694.16億円
無形固定資産34.37億円285.89億円
フリーCF538.29億円236.34億円

ゆり | 真剣

稼ぐ力は伸びていますが、資金配分も大きく動いた年度なのです。

当期の注目ポイント

4. 当期の注目ポイント:高収益と高還元の両立

ようか | 泣きつく

ゆり姉ぇー、わたしにも分かるようにポイントまとめてー!

ゆり | 悲しい

まとめておいたのです(ヨシヨシ

▶ 売上高は 2,283.73億円 で増加。

▶ 営業利益は 693.66億円 に増加。

▶ 営業CFは 525.31億円 と高水準。

▶ 投資と還元で現金及び預金は 694.16億円 へ減少。

▶ 連結配当性向は 72.1%、総還元性向は中長期平均で 80%超 を目指す方針。

収益構造

5. 収益構造:売っても利益が残る仕組み

ようか | キョトン

ZOZOって、ただ服を売ってるだけ?

やよい | 説明

じゃないのじゃ。

ブランド、利用者、物流、データを束ねるプラットフォームとして稼いでおる。

ようか | 自信あり

でも広告とか人件費はかかりそうだけど?

やよい | 自信あり

増えておる。

じゃが、それでも営業利益を伸ばしておるのが強みじゃ。

手元資金と現金創出力

6. 手元資金と現金創出力:現金は減っても余力は残る

ゆり | 通常

資金管理と現金創出力はどうですか?

やよい | 説明

わらわの見立てでは、営業CFは 525.31億円 と厚い。 ネットキャッシュも 494.16億円 残っておる。

ようか | 自信あり

余裕あるんだ。

やよい | あきれ顔

うむ。ネットキャッシュ比率は 5.17% と一線は保っておる。

株主還元にも積極的で、連結配当性向は 72.1% と高水準じゃ。

ゆり | 通常

株主還元に積極的なのは投資家にとってはいいことですね。

やよい | 説明

そうじゃな。

ただし、営業収益に依存するのでそこのブレで株主還元も大きくブレれる可能性があるのは注目点となるぞ。

チェックポイント

7. チェックポイント:来期のポイント

やよい | 自信あり

ここまでをもとに、来期のポイントは

  • M&Aで増えた無形固定資産(+251.52億円)は、利益に貢献するか、それとも減損になるか?

    → 収益貢献が見えてこなければ、のれん・無形資産の減損リスクが残る。

  • 配当性向72.1%・総還元性向80%超の高還元は、営業CFで支え続けられるか?

    → 営業CFが細れば、現金を取り崩しての還元になりかねない。

  • 減った現金(-220.70億円)は「攻めの先行投資」か、それとも「過剰な流出」か?

    → 投資の回収が進めば前者、進まなければ後者と評価が分かれる。

ようか | 笑顔

稼ぎながら攻めて、ちゃんと返す会社って感じだな!

やよい | あきれ顔

……まとめが妙に上手いではないか。

ゆり | 通常

コホン

さらなる分析用は下を開いて見るのです。

分析用データを見る

指標まとめ(2026年3月期)

やよい | 説明

単純な数値では測れぬが、バリュエーションはPERやEBITDAやROICあたりを、財務健全性は短期返済比率やEBITDA/利息あたりを見るとよいぞ。

指標算出値見方
PER19.96倍株価1,072.5円前提
現金比率35.01%現金及び預金 ÷ 総資産
短期返済比率28.81%短期返済額 ÷ 現金及び預金
ネットキャッシュ494.16億円現金及び預金 - 有利子負債
ネットキャッシュ比率5.17%ネットキャッシュ ÷ 時価総額
EBITDA746.59億円営業利益 + 減価償却費等
EBITDA/自己資本69.91%EBITDA ÷ 自己資本
EBITDA/利息291.64倍利払い余力の参考
ROIC38.30%投下資本に対する収益性

5年データ

ゆり | 通常

投資判断として5年程度のキャッシュの流れは把握しておくべきなのです。

決算期売上高純利益フリーCF
2022年3月期1,661.99億円344.92億円386.12億円
2023年3月期1,834.23億円395.26億円260.83億円
2024年3月期1,970.16億円443.41億円327.10億円
2025年3月期2,131.31億円453.46億円538.29億円
2026年3月期2,283.73億円479.26億円236.34億円

リスク

ようか | 通常

有報からの抜粋だぜ!

  • EC市場の競争激化により、集客やブランド獲得に影響が出る可能性があります。
  • システム障害や物流障害、情報漏えいは信頼と売上に影響します。
  • M&Aや新規投資は、のれんや無形固定資産の減損リスクを伴います。
  • 高い株主還元と成長投資のバランスが重要です。

株主還元

やよい | 説明

配当だけを見ての投資はダメじゃが、長期で見るなら還元方針も確認するとよいぞ。

項目内容
発行済株式総数892,032,372株
自己株式数7,707,341株
自己株式保有割合0.86%
1株当たり配当39円
配当利回り約3.64%
連結配当性向72.1%

補足

本記事の株価依存指標は、記事作成時点で取得した株価1,072.5円をもとにした参考値です。

財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります。

本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第28期、2026年6月8日)をもとに作成した情報整理記事です。

特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。