参考株価と時価総額
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 前提 | 2026-08-03 時点の参考株価。提出日現在の発行済株式総数で算出 |
| 株価 | 1,371円 |
| 発行済株式総数 | 26,788,748株 |
| 時価総額 | 367.3億円 |
売上は動かず、利益だけ3分の1に ―― ロック・フィールド2026年4月期を読む
提出日:2026-07-27 / 会計期:2026年4月期
| 項目 | 前期 | 当期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 511.84億円 | 510.96億円 | -0.2% |
| 営業利益(+率) | 12.42億円(2.43%) | 7.80億円(1.53%) | -37.2% |
| 親会社株主純利益 | 3.29億円 | 0.98億円 | -70.2% |
ようか | 驚き
ちょっと待って!
売上ほとんど変わってないのに、利益だけこんなに減るってある!?
やよい | あきれ顔
騒ぐでない。
ただ、驚くところは合うておる。
ようか | キョトン
え、合ってるんだ?
やよい | 自信あり
しかもの、この会社は借金がほとんど無くて、現金は130億円以上ある。
財務の健康さだけ見れば、この5年で一番良い期じゃ。
ようか | 驚き
……利益は3分の1で、財務は過去一番?
どうなってんの!!
やよい | 説明
そこじゃ。
5年分をまとめて並べぬと見えてこぬ話でな。
ひとつずつ追っていくぞ。
目次
- 会社概要: 惣菜を作って直営店で売る会社
- 収益構造: 利益率5%へ戻す3年計画
- 前期からの変化: 販管費が利益を削った1年
- 当期の注目ポイント: 数字の焦点
- 5年推移の財務諸表まとめ: 売上横ばい、利益は縮小
- 指標まとめ: 稼ぐ力と財務健全性
- 補足: データの読み方と注意点
1. 会社概要: 惣菜を作って直営店で売る会社
ようか | 笑顔
ロック・フィールドかぁ、デパ地下のサラダ売ってる会社だっけー?
やよい姉!解説よろしく!!
やよい | 自信あり
うむ!わらわが解説してやるぞ。
ざっくり言えば、その理解で合っておる。
基幹ブランドの「RF1」を筆頭に、サラダや揚げ物、和惣菜を自社で作って自社の店で売る会社じゃ。
ようか | キョトン
作るのも売るのも自分でやるの?
どっちかに絞った方がラクじゃない?
やよい | 説明
そこがこの会社の形での、神戸・静岡・玉川の3つの自社工場で作る。
売るのは百貨店や駅ビルの中の直営店で、店員も自社の従業員じゃ。
作りっぱなしにせず、店で売れた反応をそのまま作り手へ返せるのが強みなのじゃ。
ゆり | 無表情
まとめたのです。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 主力商品・サービス | 惣菜の製造・販売。基幹ブランド「RF1」を中心に、和惣菜「いとはん」やコロッケの「神戸コロッケ」など |
| その他商品 | 冷凍食品ブランド「RFFF」の外販・EC、若い世代向け新ブランド「Umi & Yama Kitchen」、中国子会社での惣菜製造・販売 |
| 収益形態 | 店頭での都度購買が中心のフロー型。継続課金型の開示はなし |
| 開示区分 | 惣菜事業の単一セグメント(セグメント別の記載は省略) |
ようか | 笑顔
冷凍食品もやってるんだ!
「ルフフフ」って名前、笑い方みたいだな!
やよい | あきれ顔
名前で遊ぶでない。
その冷凍食品と、2025年10月に1号店を出した新ブランドが、いま会社が力を入れておる新しい販路じゃ。
店の数はここ3期で 310店 → 301店 → 303店 とほぼ横ばいでの。
既存の店以外に伸びしろを探しておる、と読めるな。
ゆり | 無表情
従業員は正社員が1,590人、パート・アルバイトが期中平均で2,778人です。
やよい | 説明
工場でも店でも人の手が要る商売での、この人数がそのまま費用の重さになる。
生販一体というのは、その分だけ人を抱える形でもあるのじゃ。
ゆり | 無表情
作る側と売る側の両方を自社で持つ会社、ということですね。
2. 収益構造: 立て直しの3年が始まった期
ゆり | 無表情
収益に対する企業姿勢はどうなのでしょう?
やよい | 自信あり
うむ。よい指摘じゃ。
当期から3年間の中期経営計画が始まっての。
「既存業態の利益率向上」「新たな市場領域への拡大」「人財の活躍促進」の3本を掲げておる。
最終年度の目標は連結営業利益率 5.0%、ROE 6.0%以上 じゃ。
ようか | キョトン
5%って、そんなに高くない気がするけど…。
やよい | 説明
いま 1.53% じゃぞ。
3倍以上に戻す計画、と言い換えれば重さが伝わるかの。
ゆり | 微笑み
既存の店は立て直して、冷凍食品や新ブランドは新しく育てる、ということですね。
やよい | 説明
うむ。そうじゃな。
ただ会社自身が、売上の約 95% を占める直営店の来店客数を戻すことが最重要課題だと書いておる。
つまり土台の店が戻らねば計画は動かぬ。
今後は客数が戻るのかと、売上を伸ばすために毎年いくら設備へ使うのかを見ていく必要があるな。
3. 前期からの変化: 利益を削ったのは誰か
売上・利益:減り分の大半が1か所に集まっていた
ようか | 笑顔
冒頭で見たやつ、ちゃんと知りたい!
なんで利益だけ減ったんだ!?
やよい | 説明
うむ、そこが当期の一番の話じゃ。
まずは表で見るのじゃ。
| 項目 | 前期比較 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ↓ | 511.84億円 | 510.96億円 |
| 営業利益 | ↓ | 12.42億円 | 7.80億円 |
| 営業利益率 | ↓ | 2.43% | 1.53% |
| 親会社株主純利益 | ↓ | 3.29億円 | 0.98億円 |
ようか | 驚き
売上ほとんど変わってないのに、利益だけガクッと減ってる!!
ゆり | 無表情
費用の側を並べてみたのです。
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 売上原価 | 217.95億円 | 217.96億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 281.45億円 | 285.18億円 |
ようか | キョトン
上はぜんぜん変わってないのに、下だけ増えてる!
やよい | 説明
そうじゃ、動いたのは販売費及び一般管理費のほうじゃ。
営業利益の減り分は 4.62億円。
その大半が、いま出た販管費の増加 3.73億円 で説明がついてしまう。
ようか | キョトン
じゃあ、何にそんなに使ったの?
ゆり | 真剣
そこが分からないのです。
販管費の費目別の内訳は、開示資料からは追えないのです。
やよい | 説明
正直に言うておくべきところじゃな。
会社は「人手不足で人件費が上がる」と課題に挙げておるが、あれは今後の見通しの話での。
当期の 3.73億円 がどの費目から出たのかまでは、開示からは追い切れぬ。
ようか | キョトン
じゃあ、最後に残ったお金はどうなったの?
ゆり | 悲しい
純利益は 0.98億円 なのです。
5期で一番小さい数字なのです。
やよい | 説明
ここは中身が入り組んでおる。
前期にあった特別功労金 5.00億円 が当期は無くなった。
そのぶん特別損失そのものは 6.60億円 から 3.08億円 へ軽くなっておる。
それでも純利益が減ったのは、税金の計算が効いたからじゃ。
ようか | キョトン
税金の計算?
ゆり | 無表情
関係する2つの数字を並べてみました。
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 法人税等調整額 | -0.21億円 | +1.03億円 |
| 繰延税金資産 | 3.27億円 | 1.01億円 |
ようか | 泣きつく
くりのべぜいきん…?
全然わからん!
やよい | 説明
将来の税金を軽くできる見込み分を、資産として置いておく仕組みじゃ。
わらわの見立てじゃが、当期はそれを取り崩したのじゃろう。
会社の説明は開示に無いゆえ推定じゃが、2つの数字の動きは符合しておる。
ようか | キョトン
それで、最後に残るお金が余計に減ったの?
やよい | 説明
うむ。
税引前では 1.49億円 の減少で済んだのに、純利益では 2.31億円 減った。
その差がこの分じゃ。
現金とネットキャッシュ:減ったのに比率は上がった
ようか | 笑顔
利益がそんなに減ったなら、現金もカラッポになってるんじゃない!?
やよい | あきれ顔
慌てるでない。
そこは話が別じゃ、表を見るのじゃ。
| 項目 | 前期比較 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | ↓ | 135.96億円 | 131.55億円 |
| 現金及び預金の対資産率 | ↓ | 38.51% | 37.73% |
| 有利子負債 | ↓ | 11.18億円 | 9.59億円 |
| ネットキャッシュ | ↓ | 124.78億円 | 121.96億円 |
| ネットキャッシュ比率 | ↑ | 30.4% | 33.3% |
ようか | 驚き
あれ、まだ130億円くらいあるじゃん!
借金の方が減ってる!
やよい | 説明
そうじゃ、総資産の約4割が現金という構成はこの5期ずっと変わっておらぬ。
当期は現金が 4.41億円 減ったが、借入とリースの返済で有利子負債も 1.59億円 減った。
差し引きのネットキャッシュは 2.82億円 の減少で収まっておる。
ゆり | 無表情
ネットキャッシュは減ったのに、ネットキャッシュ比率は上がっています。
これは分母が変わったから、ということですか?
やよい | 説明
うむ。そういうことじゃな、つまり割る側の時価総額が縮んだのじゃ。
この比率は各期の有報提出日の終値で計算しておっての。
前期の 1,531円 に対し、当期は 1,368円 じゃ。
中身が良くなって上がった比率ではない、という点は押さえておくとよい。
ようか | キョトン
なんだ、上がってても喜べないのか…。
フリーCF:本業のお金は増えたのに、残りは減った
ようか | キョトン
フリーCFって、なんだっけ?
やよい | 説明
本業で稼いだ現金から、投資で出ていった現金を引いた残りじゃ。
会社が自由に使える分と思えばよい。
まずは表じゃ。
| 項目 | 前期比較 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|---|
| 営業CF | ↑ | 20.27億円 | 23.15億円 |
| 投資CF | ↓ | △14.03億円 | △17.14億円 |
| フリーCF | ↓ | 6.24億円 | 6.01億円 |
ようか | 驚き
本業のCFは増えてるのに、フリーCFは減ってる!
どういうこと!?
ゆり | 無表情
営業CFの増減要因を、押し上げと押し下げに分けてまとめたのです。
| 向き | 項目 | 前年差 |
|---|---|---|
| 押し上げ | 法人税等の支払額の減少(6.69億円 → 1.98億円) | +4.71億円 |
| 押し下げ | 税引前利益の減少 | -1.49億円 |
| 押し下げ | ポイント引当金の取り崩し | -1.48億円 |
| 押し下げ | 前期にあった売上債権のプラス寄与の剥落 | -1.21億円 |
| 押し上げ | 減価償却費の増加(現金の出ない費用) | +1.51億円 |
| 押し上げ | 減損損失の増加(現金の出ない費用) | +0.89億円 |
ようか | 驚き
いちばん上の税金のが、いちばん大きい!
やよい | 説明
そうじゃ。
前の期の利益が減った分だけ、税金の支払いが軽くなっただけでの。
稼ぐ力が戻ったわけではない。
実際、税金を払う前の小計は 26.87億円 → 24.99億円 へ 1.88億円 悪化しておる。
ゆり | 無表情
投資の側も、出費が増えているのです。
| 項目 | 前期 | 当期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 有形固定資産の取得 | 9.50億円 | 13.85億円 | +4.35億円 |
| 無形固定資産の取得 | 3.44億円 | 1.78億円 | -1.66億円 |
やよい | 説明
税金で浮いた分に、設備投資が乗った。
じゃからフリーCFはわずかに減った、という順序じゃな。
ようか | キョトン
設備投資って、何にそんなに使ったの?
ゆり | 無表情
当期の設備投資は保証金等を含めて総額 19.58億円 なのです。
うち工場の設備の更新・改修に 6.78億円、
百貨店等の店舗の新規出店・リニューアルに 6.42億円 と開示されています。
やよい | 説明
ここが構造の話につながるでの。
ゆり、5期前と当期を並べてくれぬか。
ゆり | 無表情
並べてみました。
| 項目 | 2022/4期 | 2026/4期 |
|---|---|---|
| 設備投資(現金の出入りベース) | 8.31億円 | 15.63億円 |
| 減価償却費 | 16.92億円 | 19.24億円 |
| 差引の余裕幅 | 8.61億円 | 3.61億円 |
ようか | キョトン
余裕幅、すごく縮んでる…。
縮むと、なにか困るの?
やよい | 説明
工場も店も持つ商売ゆえ、売上を保つだけでも投資がついて回る。
その分を稼ぎで賄いきれなくなると、手元の現金を削ることになるのじゃ。
ゆり | 真剣
当期はフリーCF 6.01億円 に対して、配当の支払が 5.97億円 なのです。
さらに借入とリースの返済に 4.28億円 を使ったので、
手元の現金が 4.41億円 減っています。
ようか | 悲しい
稼いだ分、ほとんど出ていっちゃったんだ…。
4. 当期の注目ポイント: 数字の焦点
ようか | 泣きつく
ゆり姉ぇ~わたしにも分かるようにポイントまとめて~😢
ゆり | 微笑み
まとめてみました
▶ 売上高は前期比 -0.2%(511.84 → 510.96億円)で、ほぼ横ばいなのです。売上高は2024/4期の 513.57億円 から3期続けて横ばい圏なのです。
▶ 営業利益は -37.2%(12.42 → 7.80億円)、営業利益率は 2.43% → 1.53% なのです。主因は販売費及び一般管理費の +3.73億円 増なのです。
▶ 純利益は -70.2%(3.29 → 0.98億円)なのです。特別功労金 5.00億円 の剥落で特別損失は軽くなりましたが、法人税等調整額が -0.21 → +1.03億円 へ転じたのです。
▶ 手元資金(現金及び預金)は -3.2%(135.96 → 131.55億円)なのです。ネットキャッシュも 124.78 → 121.96億円 へ -2.3% なのです。
▶ フリーCFは -3.7%(6.24 → 6.01億円)なのです。営業CFは +14.2% 増えましたが、主因は法人税等の支払額が 4.71億円 減ったことなのです。
▶ 当期から連結配当性向40%以上と累進配当の方針が入り、1株配当は 23円 → 24円 なのです。配当総額 6.27億円 はフリーCF 6.01億円 をわずかに上回っているのです。
5. 5年推移の財務諸表まとめ: 増えた粗利を費用が追い越した5年
ようか | 笑顔
前期との違いは分かったけど、ちょっと長いスパンで見るとどうなんだ!?
やよい | 自信あり
うむ、まずは稼ぐ力を見て行こう。
| 項目 | 2022/4期 | 2023/4期 | 2024/4期 | 2025/4期 | 2026/4期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 471 | 500 | 514 | 512 | 511 |
| 当期純利益 | 14 | 11 | 13 | 3 | 1 |
| 営業利益 | 22 | 15 | 17 | 12 | 8 |
| 営業利益率 | 4.6% | 3.0% | 3.4% | 2.4% | 1.5% |
やよい | 説明
ようか、ここから何を見る?
ようか | 驚き
売上の棒はほとんど同じ高さなのに、利益の棒だけどんどん短くなってる!!
これ、逆じゃないの!?
やよい | 説明
逆ではなく、これがこの5年の中身じゃ。
売上は +39.77億円 増えたが、営業利益は 13.75億円 減った。
ようか | キョトン
ずっと減りっぱなしだったの?
やよい | 説明
途中1度だけ戻した期があっての。
2023/4期は売上総利益率が 0.99ポイント 下がって減益。
翌2024/4期は同じ率が 0.84ポイント 戻って、15.00億円 → 17.38億円 の増益じゃ。
ただしそこが最後で、以降は2期続けて減っておる。
ゆり | 無表情
率の動きを、5期前と比べてみたのです。
| 項目 | 2022/4期 | 2026/4期 |
|---|---|---|
| 売上総利益率 | 57.87% | 57.34% |
| 販管費率 | 53.30% | 55.81% |
売上総利益率は 0.53ポイント の低下ですが、販管費率は5期連続の上昇なのです。
ようか | キョトン
え、じゃあ売上が増えた分より、かかる費用の方が増えちゃったってこと?
やよい | 説明
そのとおりじゃ。
実額では販管費が +34.04億円、売上総利益の増加が +20.30億円 での。
増えた粗利を、費用が追い越したのじゃ。
ようか | キョトン
なんの費用がそんなに増えたんだ?
やよい | 説明
会社はリスクの説明で、最低賃金の引上げや待遇改善による固定費増を挙げておる。
ゆえに、人にかかる費用が起点と推し量れるな。
ただし費目別の実額が開示されておらぬゆえ、そこは断定できぬのじゃ。
ゆり | 悲しい
2期続けて特別損失も乗っているのです。
内訳を並べました。
| 期 | 特別損失の内訳 |
|---|---|
| 2025/4期 | 特別功労金 5.00億円、減損損失 1.60億円 |
| 2026/4期 | 減損損失 2.49億円、関係会社清算損 0.53億円 |
やよい | 自信あり
どちらもその期限りの費用じゃ。
本業そのものの弱りとは分けて見る必要があるな。
さて、次にキャッシュの流れを追っていくぞ。
| 項目 | 2022/4期 | 2023/4期 | 2024/4期 | 2025/4期 | 2026/4期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 145 | 138 | 142 | 136 | 132 |
| 現金及び預金の対資産率 | 39.8% | 38.4% | 39.3% | 38.5% | 37.7% |
| ネットキャッシュ | 125 | 121 | 127 | 125 | 122 |
| ネットキャッシュ比率 | 30.6% | 30.5% | 31.5% | 30.4% | 33.3% |
| フリーCF | 24 | 11 | 23 | 6 | 6 |
ようか | 驚き
緑の棒は5年ずっと同じくらいなのに、フリーCFの棒だけ最後の2年で急に短くなってる!
やよい | 説明
よく見ておるな。
ネットキャッシュは 121億円 から 127億円 の狭い範囲で動いておらぬ。
一方フリーCFは 24.07億円 から 6.01億円 へ、4分の1になった。
ゆり | 無表情
営業CFと投資CFの、5期の両端を並べてみました。
| 項目 | 2022/4期 | 2026/4期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 34.21億円 | 23.15億円 |
| 投資CF | -10.14億円 | -17.14億円 |
両側から挟まれた形ですか?
やよい | 説明
うむ。そういうことじゃな、つまり稼ぎが細って出費が増えた。
EBITDAで見ても 38.47億円 → 27.04億円 で、稼ぐ力そのものが落ちておる。
ようか | キョトン
じゃあ、なんで緑の棒は動かないの?
やよい | 説明
元が厚いからじゃ。
当期は現金が減った分を、借入返済が打ち消したにすぎぬのじゃ。
ようか | キョトン
借金を返して現金が減ったなら、それはそれで良くない?
やよい | 説明
財務の安全度としては悪くない。
冒頭で「財務は5年で一番良い」と言うた根拠が、この2つじゃ。
| 項目 | 2022/4期 | 2026/4期 |
|---|---|---|
| 有利子負債 | 20.71億円 | 9.59億円 |
| 自己資本比率 | 79.7% | 82.1% |
ようか | 笑顔
おー、伏線回収!
やよい | 説明
浮かれるでない、続きがある。
この5期で利益剰余金は 176.89億円 → 175.98億円 とほぼ動いておらぬ。
稼いだ利益と払った配当がほぼ釣り合った5年だった、というのが実情じゃ。
ゆり | 微笑み
さらに詳細に知りたい人向けに、財務諸表をまとめたのです。
必要な方は以下を開いてください。
▼ 財務諸表を見る
ゆり
詳細に知りたい人向けに、財務諸表まとめたのです。
▼ BS(貸借対照表)
| 項目 | 2022/4期 | 2023/4期 | 2024/4期 | 2025/4期 | 2026/4期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 145 | 138 | 142 | 136 | 132 |
| 流動資産 | 197 | 194 | 194 | 188 | 186 |
| 有形固定資産 | 148 | 146 | 143 | 140 | 138 |
| 総資産 | 365 | 360 | 360 | 353 | 349 |
| 流動負債 | 59 | 61 | 57 | 55 | 55 |
| 固定負債 | 15 | 8 | 12 | 9 | 7 |
| 純資産 | 291 | 292 | 291 | 289 | 286 |
| 自己資本比率 | 79.7% | 80.9% | 80.9% | 81.9% | 82.1% |
▼ PL(損益計算書)
| 項目 | 2022/4期 | 2023/4期 | 2024/4期 | 2025/4期 | 2026/4期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 471 | 500 | 514 | 512 | 511 |
| 売上原価 | 198 | 215 | 217 | 218 | 218 |
| 売上総利益 | 273 | 284 | 296 | 294 | 293 |
| 営業利益 | 22 | 15 | 17 | 12 | 8 |
| 親会社帰属純利益 | 14 | 11 | 13 | 3 | 1 |
▼ CF(キャッシュ・フロー計算書)
| 項目 | 2022/4期 | 2023/4期 | 2024/4期 | 2025/4期 | 2026/4期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業CF | 34 | 22 | 36 | 20 | 23 |
| 投資CF | △10 | △11 | △12 | △14 | △17 |
| 財務CF | △13 | △18 | △20 | △12 | △10 |
| フリーCF | 24 | 11 | 23 | 6 | 6 |
| 現金増減 | 11 | △7 | 3 | △6 | △4 |
(連結・日本基準、単位は億円。現金増減は現金及び現金同等物の増減額を指す)
6. 指標まとめ: 来期に答えが出る問い
やよい | 自信あり
ここまでを大まかにまとめよう。
…と言いたいところじゃが、ようか、最後にまとめるのじゃ。
ようか | 自信あり
任された!
利益はこの5年でだいぶ減ったけど、借金はほとんどなくて現金は130億円以上ある!
冷凍食品と新しいブランドを始めたばっかりだし、3年後に利益率5%まで戻せるか注目だな!
やよい | 説明
よい締めじゃ。
その注目のしどころを、もう少し細かく分けておこう。
- 販管費の増加は投資の先出しか、戻らぬ費用か? → 費目別の内訳が開示されておらぬゆえ、来期の販管費率が止まるかどうかで判断するしかない。
- 来店客数は戻るのか? → 会社が最重要課題と書いた項目で、売上の約95%がここにかかっておる。
- 冷凍食品と新ブランドは、利益の側で効いてくるのか? → いまは販路を広げる段階での、売上の内訳がまだ開示されておらぬ。
- フリーCFは配当を上回る水準に戻るのか? → 当期は配当総額がフリーCFをわずかに上回った。累進配当を掲げた以上、ここは毎期見ておく必要がある。
ゆり | 微笑み
さらなる分析用は下を開いて見るのです。
分析用データを見る
指標まとめ(2026年4月期)
やよい: 単純な数値では測れぬが、バリュエーション指標としてはPERやEBITDAやROICあたりを、財務健全性は流動比率やEBITDA/利息あたりを、株主還元余地は現金比率やネットキャッシュ比率を指標として見るとよいぞ。
| 指標 | 算出値 | 見方 |
|---|---|---|
| PER | 374.77倍 | 時価総額 367.27億円 ÷ 親会社株主帰属純利益 0.98億円。自己株式控除後は365.70倍。純利益が一過性要因で縮んだ期の値である点に注意 |
| 現金比率 | 238.4% | 現金及び預金 131.55億円 ÷ 流動負債 55.17億円。短期の支払いに対する現金の厚み |
| 流動比率 | 336.4% | 流動資産 185.59億円 ÷ 流動負債 55.17億円。5期を通じて320〜340%台で安定 |
| ネットキャッシュ | 121.96億円 | 現金及び預金 131.55億円 − 有利子負債 9.59億円(長期借入金+リース負債)。有価証券は0円として計算した保守値 |
| ネットキャッシュ比率 | 33.21% | ネットキャッシュ ÷ 時価総額(記事作成時点の参考株価ベース)。1を超える水準ではない |
| EBITDA | 27.04億円 | 営業利益 7.80億円 + 減価償却費 19.24億円。5期で38.47億円から減少 |
| EBITDA/自己資本 | 9.45% | EBITDA ÷ 自己資本 286.12億円。5期で13.23%から低下 |
| EBITDA/利息 | 1,352.00倍 | EBITDA ÷ 支払利息。利払いの負担は実質的に無視できる水準 |
| ROIC | 1.90% | 営業利益×0.7 ÷(自己資本+借入金)。5期で5.01%から低下 |
リスク
ようか: 有報からの抜粋だぜ!
- 経営戦略/市場環境の急激な変化: 消費者の嗜好や購買行動の変化への対応遅れ、商業施設の再編による退店・業態変更。対策は出店戦略の見直し、軽装備店舗モデルの導入、外販・オンラインなど販売チャネルの多様化。
- 経営戦略/労働人口減少及び人件費上昇: 採用コストと人件費の上昇、最低賃金引上げや待遇改善による固定費増加、人員不足による生産能力の制約。対策は生産ラインや店舗の機械化・少人化。
- 経営戦略/原材料調達及び物流体制: 一次産業の担い手不足による供給制約、物流の人手不足による配送遅延とコスト上昇。対策は契約農家との連携強化と調達ルートの複線化。
- 経営戦略/地政学リスク: 調達地域の紛争等による供給停止、エネルギー価格高騰によるコスト増加。当期に新たに明記された項目。
- 事業運営/食の安全性: 食中毒・異物混入による商品回収や営業停止、ブランドイメージの毀損。品質保証部による社内・取引先の定期監査で対応。
- 事業運営/情報漏えい及びサイバーセキュリティ、自然災害、異常気象及び気候変動、感染症の流行。感染症は当期の区分では事業運営リスクの1項目という扱い。
- コンプライアンス/食品関連法令違反、人権の侵害、環境関連法規制、労働関連法違反、新規事業等における法令対応。人権・環境・新規事業の3項目は当期の改訂で追加された。
(当期からリスク開示が「経営戦略」「事業運営」「コンプライアンス」の3分類・表形式へ全面改訂されています。2022/4期までは「新型コロナウイルス等の感染症」が筆頭に置かれていました)
株主還元
ゆり: 株主還元だけを見ての投資はダメですが、長期で買う前提の場合は現在値を知っておきましょう。
| 項目 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 発行済株式総数 | 26,788,748株 | 2016年5月1日の株式分割以降、5期を通じて変動なし。潜在株式・新株予約権は該当なし |
| 自己株式数 | 648,131株 | 自己保有割合2.42%。5期での取得は2024/4期の482,000株・7.69億円のみで、当期の取得はなし |
| 1株当たり年間配当 | 24円 | 中間9円+期末15円。前期23円から増配。期末15円は2026年7月28日開催予定の定時株主総会の決議事項 |
| 配当利回り | 1.75% | 参考株価1,371円ベース |
| 連結配当性向 | 633.7% | 会社開示値。純利益0.98億円に対し当期の配当総額は6.27億円 |
| 配当方針 | 累進配当 | 2026年4月期を初年度とする中期経営計画期間から、連結配当性向40%以上に加え、配当の維持もしくは増配を継続する累進配当を導入 |
| 配当推移 | 40→22→23→23→24円 | 2022/4期の40円は創業50周年記念配当20円を含む。記念配当を除く実質は20円 |
| 株主還元総額÷フリーCF | 99.3% | 当期の配当支払5.97億円 ÷ フリーCF6.01億円。2023/4期以降はほぼ毎年90%前後〜100%近い水準 |
| ストック型収益に対する配当 | 該当なし | 売上は店頭での都度購買が中心のフロー型。参考として配当総額6.27億円 ÷ 売上高510.96億円=1.23% |
| 大株主 | 上位10名で39.72% | 株式会社岩田8.80%、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)6.40%、取引先持株会5.64%、明治安田生命5.02%、四国銀行4.75% |
7. 補足: データの読み方と注意点
参考株価は本記事を作成した時点の値(1,371円、2026-08-03 終値)を使用しています。時価総額・PER・配当利回り・指標まとめのネットキャッシュ比率はこの参考株価を前提とした参考値で、時価総額の計算では自己株式を控除していません。
財務数値は連結(日本基準)ベースで整理しています。金額は原則として億円に丸めているため、合計欄と内訳の単純合算に丸め差が生じる場合があります。
5年推移表と前期比較表のネットキャッシュ比率は、各期の有価証券報告書提出日の終値と当時の発行済株式総数から算出した各期の時価総額に基づく参考値です。指標まとめの33.21%は記事作成時点の参考株価基準のため、算出基準が異なり値がずれています。
ネットキャッシュは現金及び預金から有利子負債(長期借入金+リース負債)を差し引いた保守値です。有価証券は抽出した財務データに該当科目の行が5期とも無いため0円として扱っています。投資有価証券8.08億円×0.7を含めた参考値では127.62億円になります。
有価証券報告書の抽出データに経営成績・キャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)本文が5期とも含まれないため、営業CFの改善要因や税金費用の増加理由などは、キャッシュ・フローや損益の明細から推し量った推定を含みます。会社が開示している説明と推定は本文中で区別して記載しています。
営業利益減の主因である販管費増加 3.73億円について、費目別の内訳は開示・抽出データのいずれにも含まれていません。同様に、減損損失2.49億円の対象資産、ポイント引当金がほぼ全額取り崩された理由、法人税等調整額の悪化に関する会社側の説明も確認できませんでした。
惣菜事業の単一セグメントのため、セグメント別の売上・利益は会社が記載を省略しています。チャネル別(店舗/外販/EC/冷凍食品)の売上構成も、「売上の約95%が直営店舗」との記述のみで内訳の開示がありません。
2022/4期・2023/4期の数値は、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の遡及適用前の値です。厳密には5期すべてが同一定義での比較ではありません。
連結決算日後の2026年5月に、中国の連結子会社(岩田(上海)餐飲管理有限公司)の解散が決議されています。当期の連結財務諸表には必要な修正が反映済みですが、翌期以降は連結範囲が変わる見込みです。
財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります
本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第54期、2026年7月27日提出)をもとに作成した情報整理記事です。 特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。