決算分析

株式会社テンポスホールディングス
2026-04期 有報5年推移分析

公開日: 2026/08/04

増収増益なのに純利益だけ減った | 有価証券報告書 2026年4月期

参考株価と時価総額

項目
前提2026-08-03 時点の参考株価。提出日現在の発行済株式総数で算出
株価3,760円
発行済株式総数14,314,800株
時価総額538.2億円

増収増益なのに、純利益だけ減った ―― テンポスホールディングス2026年4月期を読む

提出日:2026-07-28 / 会計期:2026年4月期

項目前期当期前期比
売上高470.55億円534.08億円+13.5%
営業利益26.68億円28.90億円+8.3%
親会社株主純利益20.64億円18.94億円△8.3%

ようか | キョトン

売上も増えてる、営業利益も増えてる。

なのに一番下だけ減ってる?


やよい | 自信あり

そこじゃ。

上の2つと下の1つで、向きが逆になっておる。


ようか | 驚き

なんで!?

売れてるのに損してるってこと?


やよい | あきれ顔

損はしておらぬ。

むしろ税金を引く前の利益は増えておる。


ようか | キョトン

……ますますわからん。


やよい | 説明

原因は当期ではなく、前の期にあるのじゃ。

それと、この会社が5年で何の会社に変わったかも合わせて見ておきたい。


ようか | 笑顔

何の会社って、厨房の機械の会社でしょ?


やよい | 微笑み

それが、そうとも言い切れなくなってきておってな。

順に見ていくぞ。


目次

  • 会社概要: 厨房機器のリユースと外食
  • 収益構造: 投資して広げるフロー型
  • 前期からの変化: 増収増益でも純利益は減少
  • 当期の注目ポイント: 数字の焦点
  • 5年推移の財務諸表まとめ: 売上1.84倍の中身
  • 指標まとめ: 稼ぐ力と財務健全性
  • 補足: データの読み方と注意点

1. 会社概要: 厨房機器のリユースと外食

ようか | 笑顔

テンポスホールディングスかぁ、厨房の機械を売ってる会社だっけー?

やよい姉!解説よろしく!!

やよい | 自信あり

うむ!わらわが解説してやるぞ。

中古と新品の厨房機器や食器を、全国の店とネットで売るのが元々の本業じゃ。

ただ、今は自分たちで飲食店も持っておってな。

ようか | キョトン

え、道具を売る側なのに、自分でもお店やってるの!?

やよい | 説明

「ステーキのあさくま」や寿司の店を買い集めての。

飲食店を開きたい人には道具と物件と人を、自社の店では料理を売る。

ひとことで言えば、飲食店まわりを丸ごと商売にしておる会社じゃな。

ゆり | 無表情

まとめたのです。

区分内容
主力商品・サービス中古・新品の厨房機器、食器、イス・テーブルの販売。全国店舗とEC、外食チェーン向け直販(物販事業・売上の52.8%)
その他商品「ステーキのあさくま」、寿司・鮮魚、宅配寿司などの店舗運営(飲食事業・40.9%)。居抜き物件の仲介、内装工事、レジ機器、人材紹介など(情報・サービス事業・6.3%)
収益形態都度販売と来店売上が中心のフロー型。継続課金の金額開示はない
開示区分物販事業/情報・サービス事業/飲食事業の3セグメント

ようか | 笑顔

中古の厨房機器って、そんなに需要あるんだ!

うちの学校の調理室のやつも売れるかな!?

やよい | あきれ顔

学校のものを勝手に売るでない。

飲食店は開店と閉店の入れ替わりが激しくてな。

閉めた店から買い取って直し、これから開く店へ売る。

その循環そのものが商売になっておるのじゃ。

ゆり | 無表情

当期は新しい取り組みも増えているのです。

2025年7月に美容事業の会社を設立し、2026年1月にはモンゴルにも会社を作りました。

2026年5月には厨房機器メーカーの明和製作所を、6月には居酒屋のマルシェを子会社にしたのです。

2. 収益構造: 先に買って、売上を広げる

ゆり | 無表情

収益に対する企業姿勢はどうなのでしょう?

やよい | 自信あり

うむ。よい指摘じゃ。

会社は「10年で売上高2,000億円、時価総額2,000億円」という目標を掲げておる。

物販はM&Aも含めて300店舗まで増やす、外食も買って増やす、と書いておるぞ。

ようか | 驚き

2,000億円!?

いまの4倍近いじゃん!

ゆり | 微笑み

店舗と買収に先にお金を使って、売上を広げていく、ということですね。

やよい | 説明

うむ。そうじゃな。

ただ、経営コンサルや家賃保証、外国人材紹介といった新しい事業についてはな。

会社自身が「先行投資を行っており、赤字が拡大する結果」と書いておる。

今後は投資に見合うだけの利益率を保てるかを見ていく必要があるな。

3. 前期からの変化: 純利益だけが減った理由

売上と利益:犯人は前の期にいた

ようか | 笑顔

去年と比べて売上とか利益はどうだったの?

厨房の機械って、そんなポンポン売れるものなのか!?

やよい | あきれ顔

まあ待て、まずは表で見るのじゃ。

項目前期比較前期当期
売上高470.55億円534.08億円
営業利益26.68億円28.90億円
営業利益率5.67%5.41%
親会社株主純利益20.64億円18.94億円

ようか | 驚き

売上めっちゃ増えてる!

なのに一番下だけ減ってるじゃん!?

やよい | 説明

順に見ていこう。

売上が 63.53億円 増えた大半は飲食事業でな。

あさくまが28年ぶりに売上 100.45億円 と100億円を超えた。

2025年7月に子会社にしたサンライズサービスの9か月分 38.30億円 も加わっておる。

ゆり | 無表情

一方で、販売費及び一般管理費は 150.53億円 から 189.85億円 へ増えているのです。

営業利益率が下がったのは、これが要因ですか?

やよい | 説明

そうじゃ。

販管費の比率が 31.99% から 35.55% へ上がっての。

飲食も人材紹介も、人手がそのまま費用になる商売じゃ。

従業員数は5期で 659人 から 1,306人 へ増えておる。

ようか | 驚き

人が倍!?

そりゃ給料も倍かかるわ!

ゆり | 無表情

純利益だけが減っている理由も並べてみたのです。

項目前期当期
税引前当期純利益27.40億円31.59億円
法人税等合計4.58億円11.50億円
うち法人税等調整額△5.02億円+1.45億円
税負担率16.7%36.4%

ようか | 驚き

税金だけ倍以上になってる!

やよい | 説明

前の期は、取引先だった竹若という会社の破産手続が終わっての。

その影響で、繰延税金資産を 5.02億円 計上しておったのじゃ。

税金がマイナスに振れて、純利益を押し上げておった。

会社自身も「努力の成果というわけではありません」と書いておるぞ。

ようか | キョトン

じゃあ今年は、その分が消えただけってこと?

やよい | 自信あり

そういうことじゃ。

冒頭で「原因は前の期にある」と言うたのは、これのことでな。

税引前の利益は 4.19億円 増えておる。

商売が悪くなって減ったわけではない、と実額で言い切れるのじゃ。

現金とネットキャッシュ:減った現金の行き先

ようか | 笑顔

現金はどうなの?

中古品って現金で買い取るイメージあるけど!

やよい | あきれ顔

買取窓口の話ではないがの。

表で確認するのじゃ。

項目前期比較前期当期
現金及び預金96.17億円88.41億円
現金及び預金の対資産率36.68%30.13%
有利子負債19.56億円17.28億円
ネットキャッシュ76.61億円71.13億円
ネットキャッシュ比率15.9%12.8%

ようか | 驚き

現金減ってる!

これ大丈夫なやつ!?

やよい | 説明

慌てる水準ではないぞ。

借入も 2.28億円 減らしておるゆえ、ネットキャッシュの目減りは小さい。

1年内に返す借入は 3.72億円 で、手元の現金の 4.21% にすぎん。

ゆり | 無表情

減った現金の行き先も見えるのです。

表にまとめました。

項目前期当期
のれん10.71億円19.80億円
棚卸資産53.83億円63.68億円

ようか | 驚き

どっちもけっこう増えてる!

やよい | 微笑み

買収と在庫に姿を変えた、ということじゃな。

中古品の商売は、買い取った機械を抱えている間は在庫になる。

店を増やせば置く場所も増える。

売上が伸びるほど在庫も膨らむ構造じゃ。

フリーCF:稼ぎは増えたのにマイナスが広がった

ようか | キョトン

フリーCFって、なんだっけ?

やよい | 説明

本業で稼いだ現金から、投資で出て行った現金を引いた残りじゃ。

会社が自由に使える現金と思えばよい。

まずは表じゃ。

項目前期比較前期当期
営業CF12.23億円17.07億円
投資CF△14.32億円△22.12億円
フリーCF△2.09億円△5.05億円

ようか | 驚き

稼いだ現金は増えてるのに、フリーCFはマイナスが広がってる!

ゆり | 無表情

要因をまとめてみたのです。

区分項目金額
営業CFの主因税引前利益の増加+4.19億円
営業CFの主因その他の流動負債・未払消費税等の増加+4.69億円
営業CFの補助要因のれん償却額と減価償却費の増加+1.50億円
営業CFの相殺要因仕入債務の増加幅の縮小△3.19億円
営業CFの相殺要因法人税等の支払額の増加△0.78億円
投資CFの主因サンライズサービスの株式取得による支出10.89億円
投資CFの相殺要因投資有価証券の取得の縮小8.59 → 3.62億円

ようか | 驚き

買収の 10.89億円 ってやつ、ダントツで大きいじゃん!

やよい | 説明

うむ。投資が増えた中身は設備ではなく買収じゃ。

有形固定資産の取得は 4.80億円 から 4.93億円 とほぼ横ばいでな。

ゆり | 無表情

会社は「営業CFの範囲内で出店や改装の投資を賄う」と書いていますね。

やよい | 説明

じゃが、M&Aまで入れると2期続けて足りておらん。

その差額は、積み上げてきた手元資金で埋めておる形じゃ。

ゆり | 無表情

当期の設備投資額は 5.85億円 で、うち 4.42億円 が飲食事業なのです。

あさくまの新規出店が主な中身ですね。

物販の出店は6店舗で、期初に掲げた12店舗には届かなかったのです。

4. 当期の注目ポイント: 数字の焦点

ようか | 泣きつく

ゆり姉ぇ~わたしにも分かるようにポイントまとめて~😢

ゆり | 微笑み

まとめてみました


▶ 売上高は前期比 +13.5%(470.55 → 534.08億円)。飲食事業が +36.1% と全体を押し上げたのです。

▶ 営業利益は +8.3%(26.68 → 28.90億円)。ただし営業利益率は 5.67% → 5.41% へ低下し、販管費率の上昇(31.99% → 35.55%)が効いているのです。

▶ 純利益は △8.3%(20.64 → 18.94億円)。主因は前期に計上した法人税等調整額 △5.02億円 の反動で、税負担率は 16.7% → 36.4% に戻ったのです。

▶ 手元資金は △8.1%(96.17 → 88.41億円)。現金の対資産率は 30.13% まで下がったのです。

▶ フリーCFは △2.09 → △5.05億円 とマイナス幅が拡大。主因はサンライズサービスの取得による支出 10.89億円 なのです。

▶ ネットキャッシュは 71.13億円 で、時価総額の 13.22% にとどまるのです。

▶ 配当は4期連続で 9円 据え置き。配当利回りは 0.24%、連結ベースの配当性向は 5.72% なのです。

5. 5年推移の財務諸表まとめ: 売上1.84倍の中身

ようか | 笑顔

前期との違いは分かったけど、ちょっと長いスパンで見るとどうなんだ!?

やよい | 自信あり

うむ、まずは稼ぐ力を見て行こう。


項目2022/4期2023/4期2024/4期2025/4期2026/4期
売上高290313371471534
当期純利益1614202119
営業利益1922282729
営業利益率6.5%7.1%7.6%5.7%5.4%

やよい | 説明

ようか、ここから何を見る?

ようか | 驚き

売上がぐんぐん増えてる!

でも利益は途中から横ばいっぽいような…!?

やよい | 自信あり

よく気づいたの。

売上は5期で 1.84倍 じゃが、営業利益は 18.71億円 から 28.90億円1.54倍 にとどまる。

営業利益率は2024/4期の 7.62% が最も高く、そこから2期続けて下がっておる。

ゆり | 無表情

売上が増えた中身をまとめてみたのです。

セグメント売上2022/4期2023/4期2024/4期2025/4期2026/4期
物販事業206億円213億円240億円272億円282億円
情報・サービス事業32億円38億円36億円39億円34億円
飲食事業52億円62億円95億円160億円219億円
飲食事業の構成比17.5%19.7%25.5%34.1%40.9%

ようか | 驚き

飲食だけ4倍以上になってる!

テンポスって厨房の機械の会社じゃなかったの!?

やよい | 説明

冒頭で「そうとも言い切れなくなってきた」と言うたのは、ここじゃ。

本業の物販も 206.27億円 から 281.90億円+36.7% 伸びておる。

それでも売上の伸びの大半は、買収した飲食の会社が持ってきたものでな。

ヤマトサカナ、あさくま、サンライズサービスと積み重ねた結果じゃ。

ゆり | 真剣

ここで注意点が2つあるのです。

飲食事業は決算期の変更と、期の途中からの連結が重なっているのです。

ようか | キョトン

途中から仲間になった会社は、その年は途中からしか数えないってこと?

ゆり | 無表情

そのとおりなのです。

もう1つ、セグメントごとの営業利益にも注意です。

2024/4期までと2025/4期以降で、会社の集計基準が違うのです。

有報にも「セグメント情報の合計とは一致いたしません」と書かれています。

やよい | 説明

つまり、飲食の数字は年度をそのまま並べて比べられぬということじゃ。

利益の方はなおさらでの、方向を眺める程度にとどめておくのが安全じゃな。

ようか | キョトン

じゃあ利益率が下がったのは、何のせいなの?

やよい | 説明

飲食も人材紹介も人手が要る商売でな。

売上総利益率は 37.4% から 40.96% へ上がっておる。

なのに販管費率が 30.93% から 35.55% へ上がっての。

それが営業利益率を押し下げておるのじゃ。

ようか | 笑顔

稼いだ分、人件費で持ってかれるのかー。

やよい | 自信あり

そういうことじゃな。

次にキャッシュの流れを追っていくぞ。


項目2022/4期2023/4期2024/4期2025/4期2026/4期
現金及び預金1041041059688
現金及び預金の対資産率55.0%53.6%43.2%36.7%30.1%
ネットキャッシュ99103807771
ネットキャッシュ比率30.0%28.8%16.4%15.9%12.8%
フリーCF21413△2△5

ようか | 驚き

フリーCF、最後の2年だけマイナスだ!

あと真ん中の年、めっちゃ凹んでる!

やよい | 説明

2023/4期の凹みは、まず現金の入り方が変わったのが大きい。

コロナ関連の助成金の受取が 6.26億円 減ったと会社が説明しておる。

わらわの見立てじゃが、在庫が 6.74億円 増えて支払いが先に出たのも効いておるじゃろう。

ゆり | 無表情

直近2期のマイナスの理由も並べておくのです。

2025/4期はヤマトサカナ取得後の出店と、投資有価証券の取得ですね。

当期はサンライズサービスの取得 10.89億円 なのです。

ようか | キョトン

じゃあ買い物しすぎってこと?

やよい | あきれ顔

言い方が雑じゃな。

本業で稼ぐ現金の範囲を超えて買収を続けておる、というだけの話じゃ。

その分は積み上げた手元資金から出ておる。

ゆり | 無表情

ネットキャッシュ比率が下がり続けているのは、ネットキャッシュが減ったから、ということですか?

やよい | 説明

そういう理解の仕方もあるが、本質的には分子と分母の両方じゃ。

ネットキャッシュは 98.50億円 から 71.13億円 へ減った。

ゆり | 無表情

同時に、各期の提出日の株価は 2,297円 から 3,870円 へ上がっていますね。

やよい | 説明

うむ。分母の時価総額も大きくなったのじゃ。

両方が重なって、比率が下がって見えておる。

ようか | 笑顔

株価が上がると、比率は下がるのか!

ややこしいなー!

ゆり | 無表情

なお、この表の当期 12.8% は提出日の終値で計算した値なのです。

先ほど出した 13.22% は記事作成時点の株価で計算しているため、基準が違うのです。

ようか | キョトン

いつの株価で計算するかで、数字が変わるんだなー。

ゆり | 微笑み

さらに詳細に知りたい人向けに、財務諸表をまとめたのです。

必要な方は以下を開いてください。

▼ 財務諸表を見る

ゆり

詳細に知りたい人向けに、財務諸表まとめたのです。

▼ BS(貸借対照表)

項目2022/4期2023/4期2024/4期2025/4期2026/4期
現金及び預金1041041059688
流動資産158163177179188
有形固定資産76232329
総資産188194242262293
流動負債5548676981
固定負債43262121
純資産129143149172192
自己資本比率61.2%66.6%56.8%60.4%60.4%

▼ PL(損益計算書)

項目2022/4期2023/4期2024/4期2025/4期2026/4期
売上高290313371471534
売上原価182192227293315
売上総利益108120143177219
営業利益1922282729
親会社帰属純利益1614202119

▼ CF(キャッシュ・フロー計算書)

項目2022/4期2023/4期2024/4期2025/4期2026/4期
営業CF236261217
投資CF△2△2△13△14△22
財務CF△4△5△11△6△3
フリーCF21413△2△5
現金増減17△12△8△8

(連結・日本基準、単位は億円。現金増減は現金及び現金同等物の増減額を指す)

6. 指標まとめ: 来期に答えが出る問い

やよい | 自信あり

ここまでを大まかにまとめよう。

…と言いたいところじゃが、ようか、最後にまとめるのじゃ。

ようか | 自信あり

任された!

売上は5年でほぼ2倍、飲食のお店をどんどん増やしてきた会社だ!

あさくまは28年ぶりに100億円超えって言ってたよな!

借金は少ないし、まだ買収を続けるみたいだから、ここからどこまで大きくなるか楽しみだな!

やよい | 説明

よい締めじゃ。

その楽しみの中身を、もう少し細かく分けておこう。

  • 販管費率の上昇はどこで止まるのか?30.93% → 35.55% じゃ。粗利率は上がっておるのに営業利益率が下がったのは、ここが理由でな。人手の要る事業を増やす以上、避けて通れぬ論点じゃ。
  • フリーCFのマイナスは何期続くのか? → 2期連続じゃ。買収を止めれば止まるが、会社は買って増やす方針を掲げておる。手元資金をどこまで削るかという話になる。
  • 翌期に加わる2社は、利益率をどちらへ動かすのか? → 2026年5月の明和製作所、6月のマルシェは当期の業績には入っておらぬ。片方は厨房機器メーカー、もう片方は居酒屋じゃ。
  • のれんは増え続けても大丈夫なのか?10.71億円 → 19.80億円 じゃ。会社自身が当期からリスク欄でのれんの減損に言及しておる。

ゆり | 微笑み

さらなる分析用は下を開いて見るのです。

分析用データを見る

指標まとめ(2026年4月期)

やよい: 単純な数値では測れぬが、バリュエーション指標としてはPEREBITDAROICあたりを、財務健全性は流動比率EBITDA/利息あたりを、株主還元余地は現金比率ネットキャッシュ比率を指標として見るとよいぞ。

指標算出値見方
PER28.42倍時価総額 538.24億円 ÷ 親会社株主純利益 18.94億円。自己株式(2,232,524株)控除後は約23.99倍
現金比率30.13%現金及び預金 88.41億円 ÷ 総資産 293.45億円。5期を通じて低下
流動比率232.52%流動資産 188.27億円 ÷ 流動負債 80.97億円。短期の支払い余力
ネットキャッシュ71.13億円現金及び預金 88.41億円 − 有利子負債 17.28億円。有価証券を0とした保守値。投資有価証券8.10億円×0.7を含めると76.80億円
ネットキャッシュ比率13.22%ネットキャッシュ ÷ 時価総額(参考株価ベース)。自己株式控除後の時価総額454.29億円では15.66%
EBITDA33.14億円営業利益 28.90億円 + 減価償却費 4.24億円。本業の資金創出の目安
EBITDA/自己資本18.51%EBITDA ÷ 自己資本 179.06億円
EBITDA/利息207.13倍EBITDA ÷ 支払利息 0.16億円。利払い負担は軽い
ROIC10.50%営業利益×0.7 ÷(自己資本+借入金)。投下資本に対する本業の稼ぎ

リスク

ようか: 有報からの抜粋だぜ!

  • 人財の確保および人件費の高騰: 当期に新設された項目。厨房機器販売も飲食も「人」への依存度が高く、最低賃金の引き上げや採用競争によるコスト増を自助努力や価格転嫁で吸収できない場合に業績へ影響するとしている。
  • M&Aについて: 当期に記述が大幅拡充。のれんの減損損失の計上を通じた悪影響の可能性を明示し、自社ブランド化、外食チェーンの再生・再編、美容など異業種への多角化の3類型に分けて説明している。
  • 食品の安全性と仕入価格: 食材の安全性の問題や、仕入価格の高騰が飲食事業の採算へ影響する。
  • コンプライアンス体制: 法令違反等が発生した場合の社会的信用への影響。
  • 風説・風評被害: SNS等での風評が業績へ影響する可能性。
  • 個人情報の管理: 顧客情報の漏洩リスク。
  • なお、リスク項目は2022/4期の12項目から2025/4期に6項目へ整理され、当期は「地震等自然災害」が外れて人材リスクが加わった。

株主還元

ゆり: 株主還元だけを見ての投資はダメですが、長期で買う前提の場合は現在値を知っておきましょう。

項目数値補足
発行済株式総数14,314,800株5期を通じて変動なし。株式分割・併合もなし
自己株式数2,232,524株発行済の15.60%。当期の取得は453株のみで、消却も取得プログラムもなし
1株当たり年間配当9円2026年6月10日取締役会決議、配当総額108百万円。期末年1回が基本
配当の推移10円 → 9円2023/4期に9円へ改定して以降、4期連続で据え置き
配当利回り0.24%参考株価 3,760円 ベース
連結配当性向5.72%1株当たり当期純利益 157.22円 に対する9円
配当方針「内部留保に努め、新規出店や新規事業開発を行いシェアを獲得することが最大の株主還元」と会社が明記。業績に応じた利益配分も同時に行うとしている
ストック型収益に対する配当該当なし収益はフロー型中心。参考として年間配当総額1.08億円 ÷ 売上高534.08億円 = 0.20%、営業利益比では3.74%
自己株式の動き53,000株を処分ストックオプションの権利行使による処分(処分価額21百万円)。自己保有割合は5期で16.68%→15.60%へ緩やかに低下
大株主有限会社あさしお17.23%、森下篤史氏15.32%、ガリレイ7.96%、マルゼン3.97%。創業家関連と厨房機器メーカーが上位
株主構成個人その他74.82%、その他の法人24.85%と個人比率が高い

7. 補足: データの読み方と注意点

参考株価は本記事を作成した時点の値(3,760円、2026-08-03 終値)を使用しています。

財務数値は連結(日本基準)ベースで整理しています。時価総額・PER・配当利回り・指標まとめのネットキャッシュ比率は参考株価を前提とした参考値で、時価総額の計算では自己株式を控除していません。

5年推移表・前期比較表のネットキャッシュ比率は、各期の有価証券報告書提出日の終値と当時の発行済株式総数から算出した各期の時価総額に基づく参考値です。当期の指標まとめ(記事作成時点の参考株価基準、13.22%)とは算出基準が異なるため、値がずれています。

飲食事業は、あさくまの決算期変更(3月31日→1月31日)により10か月決算の年度があります。加えてヤマトサカナの2023年9月取得、サンライズサービスの2025年7月取得と、期の途中からの連結も重なっています。セグメント売上の年度間の単純比較はできません。

セグメント別の営業利益は、2024/4期以前が「セグメント情報」ベース、2025/4期以降が「セグメント単独での実績」ベースで、会社注記に「セグメント情報の合計とは一致いたしません」とあります。年度をまたいだ厳密な比較はできないため、本文では方向の確認にとどめています。

ネットキャッシュは現金及び預金から有利子負債(短期・長期借入金)を差し引いた保守値です。抽出した財務データに流動資産の有価証券に該当する行が無いため、有価証券は0円として扱っています。投資有価証券8.10億円×0.7を含める基本式では、当期は76.80億円となります。

2024/4期の法人税等合計は、抽出データに合計額の行が無いため本文では扱っていません。現金及び現金同等物の期末残高は、5期とも有価証券報告書の連結経営指標等の開示値で補っています。

棚卸資産の増加要因、敷金及び保証金の増加要因、リスク項目の整理理由については、会社の明示的な説明がなく、開示された明細から推し量った推定を含みます。

2022/4期(第30期)の経営指標は、会社注記により過年度決算訂正を反映した数値です。

2026年5月の明和製作所の子会社化、2026年6月のマルシェの子会社化は、いずれも当期の連結業績には含まれず、翌期以降に影響します。

財務諸表は EDINET のデータから自動取得しているため、正確性に欠ける可能性があります

本記事は EDINET 提出の有価証券報告書(第34期、2026年7月28日提出)をもとに作成した情報整理記事です。 特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いします。